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映画『初恋』 ……三池崇史監督初の恋愛映画は、ベッキーが暴れるホラーだった……


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三池崇史監督作品である。


三池崇史監督というと、
暴力描写の多いバイオレンス映画を得意とする監督というイメージがあるが、
実は様々なジャンルの作品を手掛けている。
三池崇史監督自身も、
「仕事は来たもん順で受ける」
「映像化可能であれば、まず何でもやってみる」
と公言しており、
ホラー、コメディ、時代劇、ヒューマンドラマなど、
ジャンルは問わず、多作である。
当たり外れの多い監督で、(コラコラ)
私自身、このブログで、
『一命』(2011年10月15日公開)、
のレビューを書いたときに、
(褒めることを信条としているにもかかわらず)
散々、恨みつらみを書いている。(笑)
藁の楯』(2013年4月26日公開)、
風に立つライオン』(2015年3月14日公開)、
ラプラスの魔女『(2018年5月4日公開)
などは、
ガッカリを通り越して、レビューを書く気にもならなかった。(コラコラ)
そんな三池崇史監督であるが、
たまに、
ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-』(2010年5月1日公開)
のような傑作をものすることもある。
なので、
三池崇史監督作品は、見ておくべきなのである。
本作『初恋』は、
三池崇史監督が窪田正孝を主演に撮った自身初の“恋愛映画”で、
しかもオリジナル作品。
はたしてどんな“恋愛映画”になっているか……
興味津々で、
公開初日(2020年2月28日)に映画館に駆けつけたのだった。



舞台は、新宿・歌舞伎町。
天涯孤独のプロボクサー・葛城レオ(窪田正孝)は、


稀有な才能を持ちながら、
負けるはずのない格下相手との試合でまさかのKO負けを喫し、
試合後に受けた診察で余命いくばくもない病に冒されていることを告げられる。
あてどなく街を彷徨うレオの目の前を、少女が駆け抜ける。
「助けて」という言葉に反応し、咄嗟に追っ手の男をKOする。
が、倒した男は刑事だった。
レオは懐から落ちた警察手帳を手に取ると、少女に腕をひかれ現場を後にする。
少女はモニカ(小西桜子)と名乗り、
父親に借金を背負わされ、ヤクザの元から逃れられないことを明かす。


さっきレオが倒した男は刑事の大伴(大森南朋)で、
ヤクザの策士・加瀬(染谷将太)と裏で手を組み、
ヤクザの資金源となる“ブツ”を横取りしようと画策しており、
その計画のためにモニカを利用しようとしていたのだ。


ヤクザと大伴の双方から追われる身となったレオは、
一度はモニカを置いて去ろうとするが、
親に見放され頼る者もいないモニカの境遇を他人事とは思えず、
どうせ先の短い命ならばと、半ばヤケクソで彼女と行動を共にする。


かたや、
モニカと共に資金源の“ブツ”が消え、
それを管理していた下っ端組員のヤス(三浦貴大)が遺体で見つかったことを、
その恋人のジュリ(ベッキー)から知らされた組員一同。


組長代行(塩見三省)のもとで一触即発の空気が漂う中、


刑期を終えて出所したばかりの権藤(内野聖陽)は、


一連の事件を敵対するチャイニーズマフィアの仕業とにらみ、
組の核弾頭・市川(村上淳)らと復讐に乗り出す。


ヤスの仇を自らの手で討ちたいジュリもそれに続いた。


一連の黒幕と疑われたチャイニーズマフィアのフー(段鈞豪)もまた、
売られたケンカを買ってシノギを乗っ取ろうと、
モニカとブツの行方を追うために、
構成員のチアチー(藤岡麻美)に命じて兵力を集めにかかる。


ヤクザと、悪徳刑事に、チャイニーズマフィア。
ならず者たちの争いに巻き込まれた孤独なレオとモニカが、
行きつく先に待ち受けるものとは?
欲望がぶつかりあう人生で最も濃密な一夜が幕を開ける……




このレビューのサブタイトルを、
……三池崇史監督初の恋愛映画は、ベッキーが暴れるホラーだった……
としたが、スペースがあれば、本当は、
……三池崇史監督初の恋愛映画は、ベッキーが暴れるバイオレンス、サスペンス、コメディ、ロマンス、ホラー映画だった……
と、したかった。
それほどの、“てんこ盛り”“全部乗せ”映画だったのだ。

ヒロインは小西桜子の筈なのに、
なぜサブタイトルにベッキーの名を出しているかというと、
ダークヒロインとも言うべきベッキーが、
正統派ヒロイン・小西桜子を完全に食っていたからだ。
この映画のベッキーは凄い。(詳細は後に述べる)


序盤は静かだ。
プロボクサー・葛城レオ(窪田正孝)が、
ストイックにトレーニングに打ち込む姿が描かれる。


負けるはずのない格下相手との試合でまさかのKO負けを喫し、
試合後に受けた診察で余命いくばくもない病に冒されていることを告げられ、
少女の「助けて」という言葉に反応し、咄嗟に追っ手の男をKOしたときから、
物語は動き出す。
そこからラストまで一気だ。


新宿・歌舞伎町を舞台とし、
チャイニーズマフィアや「上海小吃」が登場するなど、
どこか馳星周の『不夜城』を思わせるような設定で、
馳星周原作の『漂流街 THE HAZARD CITY』(2000年11月11日公開)を撮ったことのある三池崇史監督なので、得意分野ということもあり、もうやりたい放題。(笑)
バイオレンス、サスペンス、コメディ、ロマンス、ホラーなど、
ありとあらゆるジャンルの要素をぶち込み、攪拌し、
観客を笑わせ、興奮させ、熱狂させる。


刑期を終えて出所したばかりの権藤(内野聖陽)、
ヤクザの策士・加瀬(染谷将太)、
刑事の大伴(大森南朋)、
チャイニーズマフィアのフー(段鈞豪)など、
とち狂った登場人物の中でも、
とりわけ凄いのが、
恋人のヤス(三浦貴大)が殺されたことで、復讐を果たそうとするジュリ(ベッキー)。


最初はそれほどでもないのだが、
恋人が殺され、その殺した犯人を知った時から豹変する。


復讐の鬼と化し、犯人を追い、どこまでも突き進む。


一度キレたらどこまでも止まらないというアンストッパブルなキャラクターで、
ベッキーはこの激しいアクションも満載の役どころを、
ほぼ全て、自力でやり遂げている。


むしろ全部やらせてもらって、感謝しているくらいです。でも、ある危険なシーンでは、リハーサルでうまくできたのに「本番」と言われた瞬間に体が固まってしまって……。あの感覚は自分でも不思議でしたね。何度目かの挑戦で、ようやくうまくいったんですよ。

マカオ国際映画祭に参加した時のインタビューで答えていたが、
女優としての覚悟が感じられる演技で、魅せられた。


2016年1月、「ゲスの極み乙女。」のボーカル川谷絵音との不倫を『週刊文春』にスクープされ、その後の対応のまずさもあり、世間から大バッシングを浴び、すべてを失ったベッキーであるが、よくぞここまで立ち直ったと思う。
私自身も毎回見ていたTVドラマ
『これは経費で落ちません!』(第6話~最終話、2019年8月~9月、NHK
『悪魔の弁護人・御子柴礼司 〜贖罪の奏鳴曲〜』(2019年12月~2020年1月、東海テレビ
などでの演技も素晴らしかったし、
今後も女優として活躍していくであろう限りない可能性を感じてしまった。
ベッキーの起用理由について、三池監督は、

ピュアさと激しさの両面を持っているので、誰よりも表現者として真剣にぶつかってくれるんじゃないかと思った。

と語っていたが、
ベッキー自身も、

脚本の段階では、「この人、すごく怒っているなぁ」くらいにしか思っていなかったのですが、撮影現場でお芝居をしていくうちにどんどん感情が昂(たかぶ)ってきて。命レベルの問題が起きると、「わたしって、こんなにキレるんだ!」って、自分で自分に驚きました。

大人になると、公の場であんなに怒ることってできないじゃないですか。だからわたしは、心の中で「ストレス貯金」をしているのですが、ジュリのような役に出会うと、知らず知らずのうちにそれを爆発させている……というのはあるかもしれませんね。ただ、今まで演じた中で一番ぶっ飛んだ役だったので、この作品で三池監督に幅を広げていただいたのは確か。「ベッキーって、こういう一面もあるんだ」ということを知っていただける、いい機会になりました。
(「シネマトゥデイ」インタビュー)

と、女優としての自分を再発見したようだ。

『初恋』というタイトルの映画で、
当初は、私も、
天涯孤独のプロボクサー・葛城レオ(窪田正孝)と、
少女・モニカ(小西桜子)の初恋の物語だと思っていたが、
この主人公とヒロインのカップルとは別に、
カップルとして、
ジュリ(ベッキー)とヤス(三浦貴大)の初恋もあるのではないか……と思った。
ジュリは、一度キレると手がつけられない女性ではあるが、
本当は純粋に人を愛する心を持っており、
その純粋さ故の反動で異常な行動に出る。
ジュリがヤスを想う純粋な気持ちは、まさに初恋そのものであり、
私など、映画タイトルの意味は、むしろこちらの方にあるのではないかと思ってしまった。
ヒロインは小西桜子だが、
ダークヒロインとも言うべきベッキーが、
役の上でも小西桜子を完全に食っていたし、
映画タイトルの『初恋』さえも、ベッキーが自分のものにしていたのだ。
これからも女優・ベッキーにオファーが絶えないことであろう。



ベッキーの他に、
本作にはもう一人、魅力的な女優が出演していた。
それは、謎めいた女中国マフィア、チアチーを演じた藤岡麻美


黒髪ストレートのロングヘアで、クールな眼差しが印象的な女優で、
“ブツ”をめぐるヤクザとチャイニーズマフィアとの抗争に拍車をかけていく役柄。


藤岡麻美
1982年5月27日生まれの37歳。(2020年3月現在)
1998年にフジテレビのバラエティー番組「DAIBAッテキ!!」にて、
チェキッ娘の一員としてデビューした。
2013年から台湾へ渡り、CMやドラマなど幅広く活躍。
2016年に台湾在住の日本人男性と結婚し、今年1月に第1子を出産している。

実は、この藤岡麻美
ディーン・フジオカ実妹で、
台湾を拠点に活躍している女優であるが、
兄・ディーンは、麻美と入れ違うように日本へ行って仕事をするようになったことから、
日本での兄の活躍をよく知らず、兄を意識することはあまりないという。


とは言うものの、本作で知名度が上がったことから、
兄と同様、日本でも人気に火がつきそうな予感。
クールビューティな彼女をこれからもスクリーンで見ることができるのか……
期待して待ちたいと思う。



ベッキー藤岡麻美に時間を費やしたので、(笑)
他のキャストに関しては、寸評のみ。(コラコラ)

窪田正孝(主演だが、役柄的に染谷将太に食われていた)、


小西桜子(演技力も存在感もイマイチ。今後に期待)、


大森南朋(こういう役をやらせる実に上手い)、


染谷将太(中盤の主役)、


内野聖陽(終盤の主役)、


村上淳(いつもの凝った演技で魅せる)、


塩見三省脳出血により倒れたが、復帰し、凄みが増している)



ベッキー藤岡麻美を見るだけでも、この映画を鑑賞する価値あり。
三池崇史監督の久々の“当たり”作である『初恋』。
映画館で、ぜひぜひ。



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