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映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』 …ジュリア・ バターズ賛…



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レオナルド・ディカプリオブラッド・ピットという2大スターが初共演した、
クエンティン・タランティーノの9作目となる長編監督作である。


1969年のロサンゼルスを舞台に、
ハリウッド黄金時代を、タランティーノ監督の視点で描いたもので、
脚本執筆に5年も費やした渾身作とのこと。
彼自身、本作を、「ハリウッドへのラブレター」と語っていたし、
鬼才タランティーノの映画愛が炸裂した作品になっているに違いないと思った。
で、公開されてすぐに、映画館に駆けつけたのだった。



リック・ダルトンレオナルド・ディカプリオ)は、
人気のピークを過ぎたTV俳優。
映画スター転身の道を目指し焦る日々が続いていた。


そんなリックを支えるクリフ・ブース(ブラッド・ピット)は、
彼に雇われた付き人でスタントマン、そして親友でもある。


目まぐるしく変化するエンタテインメント業界で、
生き抜くことに精神をすり減らしているリックと、
彼とは対照的に、いつも自分らしさを失わないクリフ。
パーフェクトな友情で結ばれた二人だったが、
時代は大きな転換期を迎えようとしていた。


そんなある日、リックの隣に、
時代の寵児ロマン・ポランスキー監督と新進の女優シャロン・テートマーゴット・ロビー)夫妻が越してくる。


今まさに最高の輝きを放つ二人。
この明暗こそハリウッド。
リックは再び俳優としての光明を求め、
イタリアでマカロニ・ウエスタン映画に出演する決意をする。


そして、1969年8月9日、
それぞれの人生を巻き込み映画史を塗り替える事件が起こる……




上映時間が161分と長かったので、
それだけが心配だった。
もし、退屈な作品だったら、地獄と化すからだ。
だが、杞憂であった。
2時間41分、たっぷりと楽しませてもらった。
映画愛に満ちた傑作であった。

映画鑑賞後に、「Yahoo!映画」のユーザーレビューを読むと、
絶賛するレビューに混じって、
案の定というべきか、
「退屈だった」「つまらない」「長いだけ」「この作品の良さがわからない」
など、批判するレビューも多く見られた。
この批判する人たちの気持ちも解らないではない。
なにしろ、レオナルド・ディカプリオブラッド・ピットという世界的なトップスターを起用しているにもかかわらず、ストーリーらしいストーリーもなく、一般的な意味でのエンタテインメント性が希薄だからだ。
何故なのか?
タランティーノ監督は語る。


コンセプト映画というほど大仰なものでもないし、物語はあってないようなものだね。リックとクリフ、シャロンの3人のキャラクターに焦点を当てているだけなんだ。僕はシナリオを書くときに、自分に問いかけた。“プロットは必要か? リックとクリフに何かが起こるべきなのか?” 答えは“ノー”。僕はキャラクターが好きで、彼らとただ一緒にいたいだけなんだよ。(『キネマ旬報』2019年9月上旬号)

日常生活が淡々と描かれていたり、
ダラダラとしたお喋りが続いたり、
一見、なんの繋がりもないシーンが連続する。
だが、そんな場面の中にも、伏線が張り巡らされており、
終盤になって本作の核心なるものへ導かれていることを悟らされる。
これは、タランティーノ監督が仕掛けた罠だ。

1969年のハリウッドを、CGを使わずに忠実に再現し、




そこに、
シャロン・テートロマン・ポランスキーブルース・リーなどの実在の人物を配した中に、




リック、クリフといった架空の人物を放り込む。


リックは60年代後半のハリウッドに現れた新しい俳優の典型だ。マッチョでなく、女性的な面もあるタイプ。その彼が昔ながらのハリウッドの価値観のなかで、自分の将来に不安を感じているんだ。ハリウッド文化のなかで生き延びられるだろうか?とね。そんな悩みを抱えながらも、どこか可笑しい人間を描くときのクエンティンの演出が僕は大好きなんだ。(『キネマ旬報』2019年9月上旬号)

こう語るのは、レオナルド・ディカプリオだ。


対して、ブラッド・ピットが演じるクリフは、
トレイラーハウスに犬と暮らす楽観主義者で、
いつも自分らしさを失わない男だ。
ブラッド・ピットは語る。


僕は、リックとクリフを一人の人間の表裏だと考えているんだ。リックは人生から理不尽な扱いを受けていると感じている。一方、クリフは自分の居場所を受け入れて、心穏やかに生きている、何が起きても受け入れて、その時その時でなんとか対処していけると分かっているんだ。(『キネマ旬報』2019年9月上旬号)

この二人のやりとりが面白いし、
ストーリーらしいストーリーはなくとも、
二人のキャラクターの面白さで、グイグイと引っ張っていく。


この二人に加え、
マーゴット・ロビーが演ずるシャロン・テートが実に魅力的なのだ。


リックとクリフとのからみはほとんどないのだが、
1969年に輝いていた新進女優を、
マーゴット・ロビーが、可愛く、美しく、再現している。
特に、映画館に入るときに、
「私、この映画に出てるんですけど」
と言って、チケットを買わずに入れてもらい、
自分が出ているシーンを楽しそうに見ている彼女がとても良かった。


シャロン・テートと言えば、「シャロン・テート事件」を思い出す人も多いことと思う。
1969年8月9日、
狂信的なカルト集団に属する若者たちが、
時代の寵児であったロマン・ポランスキー監督の自宅に押し入り、
その妻であるシャロン・テートと友人たちを惨殺した事件だ。
この事件を知っている者は、
終盤にかけて、その事件がいつ起こるのか、ハラハラドキドキさせられる。
そのラストシーンのことを、本作は、
「ラスト13分、映画史が変わる」
と宣伝している。
ネタバレ厳禁なので、このラストシーンにも
タランティーノ監督の“映画愛”が詰まっている……とだけ書いておこう。


もうこの辺でレビューを終えてもいいのだが、
最後に、最も印象に残った出演者について書いておこうと思う。
それは、
リックが出演する西部劇で共演する少女を演じていたジュリア・ バターズだ。
この少女の演技が、とにかく凄かった。
熱演というのではなく、大人びた静かな演技が秀逸であったのだ。
10歳とは思えない演技であった。


【ジュリア・ バターズ】
2009年4月15日生まれの10歳。(2019年9月現在)
父は、ディズニーのアニメーターで映画『アナと雪の女王』(2013年)、『ベイマックス』(2014年)、『ズートピア』(2016年)、『モアナと伝説の海』(2016年)などを手がけたダリン・バターズ。
ジュリアは、2014年にテレビシリーズ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』に出演し、女優デビュー。
続けて、Amazonオリジナルドラマ『トランスペアレント』のエラ役に抜擢された。
2016年にスタートしたテレビシリーズ『アメリカン・ハウスワイフ』でアナ=キャット・オットー役を演じ、
その演技がタランティーノ監督の目に留まり、
監督から本作のオーディションに呼ばれたそうだ。


ジュリアと共演したディカプリオは、某インタビューで、
タランティーノ監督とジュリアについて振り返っている時に、ジュリアのことを、
「若いメリル・ストリープ
と絶賛していたという。
それがお世辞と感じないほどに、ジュリアとディカプリオの共演シーンは素晴らしかったし、この共演シーンが終わった後に流れてきたバフィー・セントメリーの「サークルゲーム」に私は涙した。


また、ジュリアは、女優としての活動だけでなく、
既に自分で脚本や短編映画を手がけており、
自身のYouTubeチャンネルで、『Giant Tarantula』という大きな蜘蛛と戦う短編映画を上げたり、R指定の映画をレビューしたりと多彩な才能を披露している。
その短篇映画をネットで探してみたら、見つけることができた。


いやはや、まだ幼い少女が制作したとは思えない出来だし、面白い。
将来的には監督になりたいそうで、
タランティーノ監督から多くのアドバイスをもらっているそうだ。


正直に言うと、
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を見ての一番の収穫は、
ジュリア・ バターズとの出逢いであった。
将来、どんな女優になるのか、どんな監督になるのか、楽しみで仕方ない。
私にとっては、生きる希望がまたひとつ増えたというものだ。


上映時間が長いということもあって、
エンドロールが始まると同時に(トイレに駆け込む為か)席を立つ人が多いが、
エンドロールでも笑わせてくれるので、
場内が明るくなるまで席を立たないようにね。

タランティーノ監督の、
監督人生の集大成と言える傑作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』。
映画館で、ぜひぜひ。



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