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映画『愛がなんだ』 ……岸井ゆきのと深川麻衣が魅力的な今泉力哉監督作品……




直木賞作家・角田光代の同名恋愛小説を、今泉力哉監督が映画化したものである。
角田光代の小説が原作の映画は、

『八日目の蝉』(2011年4月29日公開、監督:成島出、主演:井上真央
『紙の月』(2014年11月15日公開、監督:吉田大八、主演:宮沢りえ
『月と雷』(2017年10月7日公開、監督:安藤尋、主演:初音映莉子高良健吾

など、傑作が多い。(タイトルをクリックするとレビューが読めます)
なので、本作『愛がなんだ』も期待できると思った。
主演は、岸井ゆきの
いろんな作品に出演しているが、
私が彼女を女優として強く認識したのは、
森山中教習所』(2016年7月9日公開)という作品においてだった。


そこで私はこう記している。(全文はコチラから)

素晴らしい演技力の女優で、ちょっとビックリ。
知らない女優さんと思っていたら、
私が以前に映画を見て、レビューも書いている
吉田恵輔監督作品『銀の匙 Silver Spoon』(2014年)や
犬童一心監督作品『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』(2014年)
にも出演しているとのことで、
己の記憶力の悪さに呆れてしまった。
神奈川県出身で、1992年2月11日生まれの24歳(2016年7月30日現在)。
2014年に東京ガスのCMに出演し注目を集め、
幅広い役柄を見事に演じ分ける演技力の高さから、続々と話題作に起用され、
年々活躍の場を広げているそうで、
彼女を記憶していなかったことを恥じたことであった。





それ以降、岸井ゆきのという女優に注目していたのだが、
おじいちゃん、死んじゃったって。』(2017年11月4日公開)で映画初主演し、
NHK連続テレビ小説まんぷく』(2018年10月~2019年3月)では、
神部(香田)タカを演じて、一躍全国区の人気女優となった。
そのタイミングでの、主演作『愛がなんだ』の公開は、
彼女にとっても素晴らしいことだと思った。
『キングダム』と同じ、(2019年)4月19日に公開された作品であるが、
『キングダム』と同じく、公開直後に見に行くつもりでいたのだが、
くまもと復興映画祭(4月20日~21日)に行ったり、
そのレポをまとめたりしているうちに、時間が経ってしまった。
で、先日、ようやく見ることができたのだった。



28歳のOL山田テルコ(岸井ゆきの)。


猫背でひょろひょろのマモル(成田凌)に一目ぼれした5カ月前から、
テルコの生活はマモル中心となってしまった。


仕事中、真夜中と、どんな状況でもマモルが最優先。
会社の電話はとらないのに、マモルからの着信には秒速で対応。
呼び出されると残業もせずにさっさと退社。
親友・葉子(深川麻衣)の助言も聞き流し、
どこにいようと電話一本で駆け付ける。
平日デートに誘われれば余裕で会社をぶっちぎり、クビ寸前。
大好きだし、超幸せ。
仕事を失いかけても、友だちから冷ややかな目で見られても、
とにかくマモル一筋の毎日を送っていた。


しかし、そんなテルコの熱い思いとは裏腹に、
マモルはテルコにまったく恋愛感情がなく、
マモルにとってテルコは単なる都合のいい女でしかなかった。
マモルが好きなのは、すみれ(江口のりこ)という女性なのだが、
すみれにはあまり相手にされていない。


一方、テルコの親友・葉子も、テルコにアドバイスするくせに、
葉子を慕うナカハラ(若葉竜也)を“都合のいい男”として扱っている。
ある日、
マモルがスミレに相手にされなかったことでヤケになり、
テルコに「させて」と言ったことがきっかけになり、二人は急接近する。


だが、マモルからの連絡が突然途絶えてしまう……




テルコ(岸井ゆきの)は、マモル(成田凌)が好きだが、
マモルに“都合のいい女”扱いをされている。


マモル(成田凌)は、すみれ(江口のりこ)が好きだが、
ほとんど相手にされていない。


葉子(深川麻衣)は、テルコに「マモルのようなクズ男はやめておけ」とアドバイスするのに、葉子を好きなナカハラ(若葉竜也)を“都合のいい男”扱いをしている。


この映画を見ていると、
世の中に、完璧な“両想いのカップル”はいないのではないか……と思えてしまう。

以前カナダの映画祭に短編で行ったときに、
「ほとんどのカップルは付き合ってても結婚してても、その実は片想いで(想いのウェイトが)五分五分なんてほぼないと思う」
という話をしたら、
最前列にいたカップルから「私たちはそんなことはない」って感じで睨まれたのを覚えてます(笑)。


と語るのは、今泉力哉監督。
付き合っているカップルのお互いの熱量は、常に異なっている……という考えは、
すごくリアルだと思うし、
だからこそ物語になるのだと思う。
お互いの熱量が等しい熱愛カップルの話など、誰も聞きたくはないだろうしね。(笑)


それにしても、テルコのマモルを想う気持ちには、驚かされる。
何が何でも“マモル第一主義”なのだ。
会社をクビになろうが、親友に呆れられようが、マモちゃん一筋。
だからと言って、自分から積極的にアプローチすることはなくて、
ひたすら“電話待ち”の日々なのだ。
呼ばれれば、深夜だろうが、仕事中だろうが、駆けつける。
受け身のストーカーとでも言えばいいか……(笑)


テルコを振り回すクズ男・マモルを演じるのは、成田凌
『ここは退屈迎えに来て』(2018年10月19日公開)
『チワワちゃん』(2019年1月18日公開)
など、最近見た映画でも、同じような役柄が続いているが、
今、このようなクズ男をやらせたら右に出る者はいないのではなかろうか。(コラコラ)


本人にそういう意識があるのかどうかは分らないが、
すみれ(江口のりこ)は、マモル(成田凌)を振り回し、
葉子(深川麻衣)は、ナカハラ(若葉竜也)を振り回しているが、
男は“追いかける動物”であるから、
男は誰しも、テルコよりも、すみれや葉子の方に魅力を感じる。
私自身もそうだ。
江口のりこも、深川麻衣も好きな女優なので、一層そのように感じた。


終盤、葉子が好きなナカハラは、テルコを呼び出し、
「葉子に受け入れられなくても、彼女が寂しくなって誰も周りにいないときに思い出してもらえれば良いと思っていたけれど、葉子は寂しくなることはない人なのではないかと思うようになった。だから葉子にはもう会わないことにした。だからテルちゃんとも会うこともないだろう」
と言って去っていく。
葉子一筋だったナカハラのこの言葉は、グッときた。
片想いの連鎖は見ていても辛いが、
ナカハラの“諦め”の言葉には、何かホッとするものがあった。


テルコは、葉子の家に行き、
ナカハラのことをもっと真剣に考えるべきだと訴えるが、
テルコがマモルとうまくいかなので自分に当たっていると思って相手にしない。
怒ったテルコが、
「あんたでも寂しくなることがあるの?」
と訊くと、
「当たり前じゃないの、私のことをなんだと思っているの!」
と葉子は言い返す。
この演技をしているときの深川麻衣が素晴らしい。


葉子の母親(筒井真理子)は、愛人をしていた過去があり、


父親は別に家庭があったばかりか、
実子の写真を葉子の母に見せて自慢するような男であった。
屈折した心を抱えて成長した葉子は、
男を憎んでいるようにも見えるし、男に復讐しているようにも見える。
ナカハラは、その犠牲者だったのかもしれない。
だが、マモル一辺倒のテルコよりも、
複雑な心情の葉子の方により魅力を感じた。
深川麻衣の魅力とも相俟って、私は魅了された。


カメラマンのアシスタントをしていたナカハラは、
その後、小さな画廊のようなところで、「一瞬の夢」という写真の個展を開く。


そこへ、葉子がやってくる。


「どうして……」
と驚くナカハラに対し、
「あなたの名前で検索したら、出てきたから……」
と答える。
このシーンは、原作にはないらしいが、
このシーンを付け加えたことで、
ナカハラと葉子の、それぞれの性格や心情がよりよく表現できていたように思った。
自分を撮ったナカハラの写真を見て、
葉子が、自分に対するナカハラの想いを知る(感じる)シーンが秀逸。


その後の二人がどうなるのかは分らない(描かれていない)が、
どうなろうとも、葉子が個展に来てくれたことで(そのことだけで)、
ナカハラはこれからも生きていけるのではないかと思った。


深川麻衣自身も、舞台挨拶のとき、「印象に残っているシーンは?」と訊かれて、

私は原作にはなかった写真展のところです。脚本を読んだときも、あのシーンがあるとないとではすごく違うと感じて、とっても好きなシーンです。

と答えていたが、
私にとっても、この映画で一番好きなシーンであった。



本作で、岸井ゆきの深川麻衣は親友を演じたが、
NHKの朝ドラ『まんぷく』(2018年10月~2019年)では、姉と妹を演じていた。


撮影は、この映画の方が先だったらしいが、
二人の性格が、ドラマと映画、ほとんど同じというのが面白い。
こうと決めたら一筋のタカと、


マイペースで落ち着いた性格の吉乃。


これは、本作『愛がなんだ』のテルコと葉子にもあてはまる。


朝ドラ『まんぷく』ファンだった人にも楽しめる映画『愛がなんだ』。
映画館で、ぜひぜひ。



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