以下の内容はhttps://taku6100.hatenablog.com/entry/2018/09/23/130800より取得しました。


第35回古湯映画祭「佐々部清監督特集」④ ……佐々部清監督の傑作3本上映……




9月17日(月・祝)
古湯映画祭の3日目。
いよいよ最終日だ。
この日のスケジュールは、このようになっている。





まず鑑賞したのは、『三本木農業高校、馬術部』(2008年)。
実在する青森県の高校を舞台に、
視力を失いつつあるサラブレッドと、
必死にその世話をする女子高生とのきずなを描いた傑作だ。



三本木農業高校2年生の香苗(長渕文音)は、
馬術部に所属し、タカラコスモス(愛称・コスモ)の担当をしている。


目の病気で引退したかつての名馬は、
気性が荒い上に、プライドも高く、
盲目の不安からか言うことを聞かない。
顧問の先生(柳葉敏郎)に言われて嫌々コスモの面倒をみていた香苗であったが、


思い通りにならないコスモに腹を立て、「バカ馬!」と罵ることもあった。
だが、ある日、
コスモの目がほとんど見えなくなっていることに気付き、心を入れ替える。
ひたむきに世話をする彼女にコスモは少しずつ信頼を寄せ、
香苗もまた生命の尊さを学んでいく……




主演は、文音


彼女のデビュー作である。
長渕剛志穂美悦子夫妻の娘であることから、
当時は、「長渕文音」という名で出演しており、
ポスターにもエンドロールにも「長渕文音」と表記されている。

文音 AYANE】
1988年生まれ、東京都出身。
長渕剛志穂美悦子夫妻の第一子・長女。
2008年、佐々部清監督の『三本木農業高校、馬術部』に主役として女優デビュー。
第33回報知映画賞新人賞、
第32回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
2012年、得意の語学力を活かし、ニューヨークへ演劇留学。
2014年に帰国後、
芸名を「長渕文音」から「文音」に改名し、
TBSドラマ「SAKURA〜事件を聞く女〜」で日本での女優業を再開させる。
その後、TVドラマ、映画、舞台など幅広く活躍。
最近の映画出演作品は、
2017年公開の『八重子のハミング』、
今年(2018年)2月公開の『おみおくり』、
4月GW公開の『ばぁちゃんロード』(草笛光子W主演)。


10年前にこの『三本木農業高校、馬術部』を見て、私は本当に感動した。
早撮りで有名な佐々部清監督にしては珍しく、1年をかけて撮影したもので、
四季折々の映像が美しい。
主演の文音は、
演技はまだ拙いものの、
デビュー作とは思えないほどの存在感で魅せる。
10年後でもまったく色褪せておらず、
10年後にも見ても“傑作”という印象は変わらなかった。

三本木農業高校、馬術部』の上映後に、
佐々部清監督、文音、田村三郎のトークショーがあったが、
三本木農業高校、馬術部』撮影時のエピソードなどが興味深く、
特に、馬の出産シーンの苦労話が面白かった。


乗馬シーンなどは、メインキャストはスタントなしで挑戦しており、
中には骨折した出演者もいたとか。
文音は、本作で、
第33回報知映画賞新人賞や、
第32回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しており、
「佐々部監督作品のこの映画でデビューすることができて本当に良かった!」
と語っていた。



次に見た映画は、『群青色の、とおり道』(2015年)。
この映画は、当時、佐賀での上映館はなく、見ることができなった作品であり、
とても見たかった作品。
主演は、桐山漣



10年前、ミュージシャンを夢見て故郷を飛び出した真山佳幸(桐山漣)は、


現在も東京で地道な音楽活動を続けていた。
そんなある日、絶縁状態だった父からある報せが届く。
複雑な思いを抱えて故郷を訪れた真山は、


そこで、
以前と変わらず陽気な母・明子(宮崎美子)や、


高校生になった妹・幸恵(安田聖愛)、


かつての厳格さをなくした父・年男(升毅)、


同級生だった小林徹(伊嵜充則)や今井信(松浦慎一郎)、
そして、小学校の音楽教師になっていた倉田唯香(杉野希妃)らと、
久々の再会を果たすのだった。


生まれ育った街で、
真山は自分を支えてくれていた人々や自分自身と真剣に向きあっていく……




佐々部清監督が、
群馬県太田市を舞台に、
1200万円の予算で、9日間で撮ったご当地映画であるので、
正直、それほど期待していたわけではなかった。
だが、驚いたことに、
ビックリするほどピュアで真っ直ぐで、感動できる作品であったのだ。
とても低予算・短期間で撮ったとは思えないような素晴らしい映画であった。
特に印象に残ったのは、
真山(桐山漣)の元同級生・倉田唯香を演じた杉野希妃。


メジャーな映画しか見ない人はご存じないと思うが、
この杉野希妃は、
女優、プロデューサー、監督としてアジアを中心に国境を超えて活動し、
「アジア・インディーズのミューズ」と称される女性なのである。

【杉野希妃】
1984広島県生まれ。本名非公開。
慶應義塾大学経済学部在学中にソウルに留学。
2005年、韓国映画『まぶしい一日』宝島編主演で俳優デビューし、
続けて『絶対の愛』(2006/キム・ギドク監督)に出演。
帰国後『クリアネス』(2008/篠原哲雄監督)に主演。
2008年から映画制作にも乗り出し、
主演兼プロデュースした『歓待』(2010/深田晃司監督)が、
第23回東京国際映画祭日本映画・ある視点部門作品賞などを受賞した他、
100以上の映画祭からオファー殺到。
第33回ヨコハマ映画祭の最優秀新人賞、
おおさかシネマフェスティバル2012の新人女優賞を受賞。
『おだやかな日常』(2012/内田伸輝監督)が、
第17回釜山国際映画祭、ロッテルダム国際映画祭、
トライベッカ映画祭などに招待され、
沖縄国際映画祭クリエイターズ・ファクトリー部門で、
最優秀ニュークリエーター賞と最優秀主演女優賞、
日本映画プロフェッショナル大賞の新進プロデューサー賞を受賞した。
2011年の第24回東京国際映画祭で、
2013年の第15回台北国際映画祭で特集上映が組まれ、
2014年の第43回ロッテルダム国際映画祭では日本初の審査員に選ばれる。
『ほとりの朔子』(2013/深田晃司監督)は、
第35回ナント三大陸映画祭でグランプリ「金の気球賞」と「若い審査員賞」をダブル受賞。
2014年に、
監督第1作『マンガ肉と僕』が東京国際映画祭エディンバラ国際映画祭に、
監督第2作『欲動』がミュンヘン国際映画祭、タリン・ブラックナイト映画祭といった数々の映画祭に正式招待され、
第19回釜山国際映画祭の新人監督賞を受賞。
監督主演作『雪女』が、2016年の第29回東京国際映画祭コンペティション部門に選出。
その他の作品は、
『マジック&ロス』(2010/リム・カーワイ監督)、
『避けられる事』(2010/エドモンド・ヨウ監督)、
『大阪のうさぎたち』(2011/イム・テヒョン監督)、
『禁忌』(2014/和島香太郎監督)、
『3泊4日、5時の鐘』(2015/三澤拓哉監督)等、
あらゆる枠を超えた表現者を目指している。
EU公認のプロデューサーネットワークEAVEのプロデューサーでもある。


杉野希妃が監督し、主演もした作品『雪女』(2017年3月4日公開)を見たいと思ったが、
公開時には九州での上映館はなく、見ることができなかった。


とても才能がある女優であり、監督と思っているのだが、
その、かねてより憧れている杉野希妃が、
まさか佐々部清監督作品に出演しているとは……
その理由を、いつか機会があったら、佐々部監督にぜひ訊いてみたい。




『群青色の、とおり道』は、
杉野希妃をスクリーンで見ることができただけでも、
私にとっては特筆すべき作品であるのだが、
加えて、
升毅の抑えた演技、
宮崎美子の巧い演技、
そして、
物語のキーとなる劇中歌が、
メンバー全員が物語の舞台となる群馬県出身のロックバンド、back numberの名曲「電車の窓から」と、
案外、見どころ、聴きどころのある作品なのである。



第35回古湯映画祭の最後を飾るのは、『ゾウを撫でる』(2017年)。



映画監督の神林(小市慢太郎)は、
若手脚本家の鏑木(高橋一生)が手がけた脚本で、
15年ぶりとなる新作映画「約束の日」を撮ることになった。


台本印刷会社で働く栃原(伊嵜充則)は、
シナリオ教室で同期だった鏑木が映画の脚本を手掛けていることに戸惑いを感じていた。


現場で配られた「約束の日」の台本に、
それぞれに悩みや事情を抱える俳優たち、スタッフたちは少なからず影響を受けていた。
わがままで嫌われている主演女優(羽田美智子)が失踪するという事態が起こる中、
映画「約束の日」の撮影が始まろうとしていた……




一本の映画制作に関わる人々を描いた人間ドラマで、
佐々部清監督が、トリュフォーの『アメリカの夜』へのオマージュとして撮った作品。
これも、たった11日間で撮ったそうだが、
これまでの佐々部清監督作品とは毛色が違っており、
佐々部清監督作品の中では“異色の作品”と言えるのではないか。
今年(2018年)の2月21日に66歳で亡くなった大杉漣が重要な役で出ており、


映画好きな小市慢太郎高橋一生や、
美しい羽田美智子も出演しており、


“映画愛”に満ちた作品であった。


古湯映画祭の3日間で、9作品を見て、
佐々部清監督、井上順、升毅文音安倍萌生、田村三郎、西田聖志郎、
それに、多くの映画ファンと交流することができ、
本当に、夢のようなひとときを過ごすことができた。
〈映画祭はいいな~〉
と、あらためて感じた3日間であった。
感謝。


文音さんが、古湯映画祭のことをブログに書かれています。
 素晴らしい文章です。コチラからご覧下さい。

※4回にわたって連載しました。
第35回古湯映画祭「佐々部清監督特集」① ……3日間で9本の映画を鑑賞する……
第35回古湯映画祭「佐々部清監督特集」② ……安倍萌生のデビュー作を鑑賞……
第35回古湯映画祭「佐々部清監督特集」③ ……楽しいトークショーとパーティー……
第35回古湯映画祭「佐々部清監督特集」④ ……佐々部清監督の傑作3本上映……




以上の内容はhttps://taku6100.hatenablog.com/entry/2018/09/23/130800より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14