
『ちはやふる -上の句-』(2016年3月19日公開)
『ちはやふる -下の句-』(2016年4月29日公開)
の続編にして、完結編である。
前2作については、
映画『ちはやふる』 ……「上の句」と「下の句」を同じ日に鑑賞しての感想……
と題してすでにレビューを書いている。
一部を引用する。
【上の句】【下の句】を通して見た感想はというと、
【上の句】はとてもメリハリのきいたとても面白い作品で、
5点満点でいえば4点くらいの出来栄え。
ところが、【下の句】の方は、全体的に締まりがなく、
5点満点で3点ほどの評価しかできなかった。
【上の句】の方は、
ひとつの作品として完成していて、
起承転結もきちんとなされており、
見ていてカタルシスも味わうことができた。
しかし、【下の句】の方は、
【上の句】の続編ということで、
最初のシーンからテンションが低く、
構成的にも甘さがあり、
ひとつの作品としての完成度も低かった。
しかも、【下の句】以降の続編も示唆したようなラストで、
〈おいおい、まだ続くのかよ〉
と、少し呆れてしまった。
本作の原作は漫画で、
現在31巻まで出版されている。(2016年5月7日現在)
当然のことながら、すべてを2時間で映像化することは不可能だ。
だからといって、何回にも分けて、
TVドラマのように続編を作り続けるというのも、
(漫画『ちはやふる』ファンというわけではない)普通の映画ファンとしては、
辛いものがある。(全文はコチラから)
いやはや、我ながら辛辣である。(笑)
このときの予感通り、
続編としての『ちはやふる -結び-』が、
2年後(2018年3月17日)に公開されたというワケなのであるが、
映画『ちはやふる』のファンというより、
広瀬すず(の出演作はすべて見ると決めている)ファンとしては、
本作も見ないわけにはいかない。
で、雨の休日(3月21日)に、映画館へと向かったのだった。

いつも一緒に遊んでいた、幼なじみの
綾瀬千早(広瀬すず)、
真島太一(野村周平)、
綿谷新(真剣佑)。
家の事情で新が引っ越してしまい、離ればなれになってしまうが、
高校生になった千早は、新にもう一度会いたい一心で、
太一とともに仲間を集め、瑞沢高校かるた部を作った。
〈新に会いたい。会って「強くなったな」と言われたい〉
創部一年目にして、全国大会に出場した瑞沢かるた部だったが、
千早は個人戦で史上最強のクイーンに敗れ、
さらに強くなることを部員たちと誓った。
(【上の句】【下の句】のダイジェスト↓)
あれから二年……
かるたから離れていた新だったが、
千早たちの情熱に触れ、
自分も高校でかるた部を作って、全国大会で千早と戦うことを決意する。

一方、
新入部員が入り、高校三年最後の全国大会を目指す瑞沢かるた部だったが、

予選を前に突然、部長の太一が辞めてしまう。

動揺と悲しみを隠せない千早。

千早、太一、新は、再びかるたで繋がることができるのか?
今、一生忘れることのない最後の夏が始まる……

結論から言おう。
もし、
『ちはやふる -上の句-』
『ちはやふる -下の句-』
『ちはやふる -結び-』
をシリーズとして捉えるならば、
本作『ちはやふる -結び-』はシリーズ最高作であった。
『ちはやふる -下の句-』にあった“甘さ”や“緩み”が一切なく、
引き締まった秀作になっている。
上映時間の128分が「あっと言う間」に感じられ、
終わってしまうのが惜しい……と感じられるほど面白かった。

なによりも登場人物のそれぞれのキャラが立っているのが良かった。

前2作で人物説明が終わっているということもあろうが、
それぞれの特徴がよく表現されており、
かるた競技会のシーンだけでなく、
それ以外の部分でも大いに楽しめた。
綾瀬千早(広瀬すず)、
真島太一(野村周平)、
綿谷新(真剣佑)の3人はもちろんのこと、


呉服屋の娘で古典大好き少女・大江奏(上白石萌音)、
“肉まんくん”こと、西田優征(矢本悠馬)、
“机くん”こと、駒野勉(森永悠希)や、

新入部員の、
花野菫(優希美青)、
筑波秋博(佐野勇斗)もすこぶる良かった。

今、私が注目している、我妻伊織を演じた清原果耶が、
前作に増して活躍しているのも嬉しかったし、

クイーン・若宮詩暢を演じた松岡茉優や、

名人・周防久志を演じた賀来賢人も、

クールなのだが、
(原作が漫画ということもあって)時折見せる“素顔”が可笑しく、
2人共、実に巧く演じていた。

そして、広瀬すず。

『海街diary』(2015年6月13日公開)
『怒り』(2016年9月17日公開)
『三度目の殺人』(2017年9月9日公開)
などの芸術性の高い作品から、
『四月は君の嘘』(2016年9月10日公開)
『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』(2017年3月11日公開)
『先生!、、、好きになってもいいですか?』(2017年10月28日公開)
などの青春映画まで幅広く演じられ、
そのどれもが素晴らしく輝いている。
本作『ちはやふる -結び-』でも、それは変わらない。
彼女を見ているだけで、幸福感に満たされる。

映画を見終わった今でも、
彼女の眼差しや声が私の脳裏に蘇えってくる。

そんな女優、めったにいない。
日本映画界に、広瀬すずという女優がいることに感謝したい。

登場人物が高校生ということで、
すでに成人してしまったキャストを使っての続編は難しいだろうが、
綾瀬千早(広瀬すず)、
若宮詩暢(松岡茉優)、
真島太一(野村周平)、
綿谷新(真剣佑)、
それぞれのクイーン戦、名人戦を見てみたかったと思ったのは、
私だけではないだろう。
観客にそう思わせるだけの力を持った秀作であった。
映画館で、ぜひぜひ。