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映画『新宿スワンⅡ』 ……スケール感もアップし、面白さも増したのだが……




このブログ「一日の王」に、
映画『新宿スワン』(2015年5月30日公開)のレビューを書いたのは、
2015年6月3日であった。
そのレビューを、次のような文章で書き始めている。(全文はコチラから)

ヤングマガジン講談社)にて、
連載直後から熱狂的な人気を誇り、
全38巻で完結した和久井健の伝説的コミック『新宿スワン』が原作で、
新宿の歌舞伎町を舞台に、
女性たちに水商売を斡旋するスカウトマンたちの熾烈な抗争と、
頂点へと成り上がろうとする熱き男たちのロマンを描いた物語である。

この手の映画はそれほど好きではないのだが、
監督が、『冷たい熱帯魚』『ヒミズ』の園子温で、
主演が、『そこのみにて光輝く』の綾野剛
その他、
『凶悪』『闇金ウシジマくん』シリーズの山田孝之
『パッチギ!』『ヘルタースケルター』の沢尻エリカ
あしたのジョー』『ザ・テノール 真実の物語』の伊勢谷友介と、
私の好きな面々が出演しており、
「これは見なければ……」
と思った次第。
で、公開直後に映画館へ駆けつけたのだった。


そして、映画のストーリーを紹介した後、
次のように感想を記している。

いや~、面白かったです。
園子温監督は、
文学で言えば「純文学作家」で、
エンターテインメント作品は作らないんじゃないかと思っていたが、
この手の映画もちゃんと撮れるんだな~と感心させられた。
冷たい熱帯魚』『ヒミズ』などで園子温監督ファンになった人たちには、
「こんな大衆に媚びたような作品を作って……」
と眉をひそめる人もいるかもしれないが、
それはちょっと違うような気がする。
「どんなものも撮れる」ということは、
とても難しいことであり、
とても凄いことなのだ。
普段、小難しい映画を撮っていた人が、
エンターテインメント作品に手を出して失敗する例は枚挙にいとまがないが、
この『新宿スワン』は成功している。
シリーズ化してほしいと思ったくらい面白かったし、
園子温監督はやはり只者ではない」
と思ったことであった。


「シリーズ化してほしいと思ったくらい面白かった」
と書いたのだが、
なんと、それが実現し、
続編の『新宿スワンⅡ』が制作され、
1年半後の今年(2017年)1月21日に公開されたのだった。



南秀吉(山田孝之)の死から1年。
歌舞伎町を仕切るスカウト会社・バーストのスカウトマン、白鳥龍彦(綾野剛)は、


ある夜マユミ(広瀬アリス)と出会い、助けを求められる。


ヤミ金からの借金返済に追われるマユミに、
龍彦は涼子ママ(山田優)の店・ムーランルージュを紹介する。


その頃、ハーレムとの合併によりスカウトマンの数が倍増したバーストでは、
スカウトする女の取り合いが起こっており、社内の雰囲気は最悪だった。
業を煮やした社長の山城(豊原功補)は、
シマを拡大するため横浜に進出することを決断する。
なぜ横浜なのかというと、それは、
「全日本酒販連合会の会長・住友(椎名桔平)が横浜に大規模店舗を出店する」
という情報をつかんだからだった。
勝算ありと踏んだ山城は、
その任務を横浜出身の関(深水元基)と、龍彦に命じる。


だが、横浜には、
ヤクザや警察と裏で繋がる武闘派スカウト会社・ウィザードがあり、
そのウィザードを率いているのは、
関と少なからぬ因縁のある滝マサキ(浅野忠信)という男だった。


渋谷パラサイツの悪友・森長(上地雄輔)とともに、


さっそく横浜でのスカウトをはじめた龍彦だったが、
突如現れた横浜ウィザードの尖兵・ハネマン(中野裕太)、モリケン北村昭博)、キルビル梶原ひかり)らに襲われたうえ、


タキの息のかかった刑事・砂子(笹野高史)に逮捕されてしまう。


この機に乗じて新宿進出を企むタキは、
裏工作などをして、着々と歌舞伎町に勢力を広げていく。
新宿vs.横浜、その対立が深まる中、
全酒連の会長・住友は、火に油を注ぐかのように、
ウィザードに依頼していたスカウトを、龍彦たちバーストにも依頼する。
そして、集まったキャバ嬢たちを一堂に会したクイーンコンテストの開催を宣言するのだった……




るろうに剣心」シリーズの谷垣健治がアクション監督として参加したこともあって、
アクションはさらに派手になり、
物語としてのスケール感もアップし、
面白さも増していた。


白鳥龍彦を演じた主演の綾野剛はもちろんのこと、


本作のもう一人の主役ともいうべき関を演じた深水元基も良かったし、


ウィザードを率いる滝マサキを演じた浅野忠信も存在感があったし、


ウィザードの尖兵・ハネマンを演じた中野裕太も好演していた。


だが、前作にあった緊迫感やや減少しているように感じた。
それは、ヒロインが沢尻エリカから広瀬アリスに代わったことも、
少なからず影響しているようにも感じた。
沢尻エリカの“危うさ”や“美”が、


広瀬アリスの“穏やかさ”や“可愛さ”に変化したように、




前作にあったヒリヒリ感が無くなってしまったような寂しさを感じてしまったのだ。
前作は新鮮であった。
私は、前作『新宿スワン』のレビューのタイトルを、
……綾野剛と沢尻エリカの出し惜しみしない熱い演技に拍手……
と書いた。
綾野剛沢尻エリカだけでなく、
山田孝之伊勢谷友介なども、
全てを出し切ったような演技で、見る者を魅了した。
だが、続編である『新宿スワンⅡ』には、
経験からくる余裕のようなものが垣間見えたような気がした。
これが続編の難しさかもしれない。
本作は、公開直後に見たのだが、
2月中旬までレビューを書かなかったのは、
そんな私の戸惑いがあったからだろう。
ただ、これは、前作を見て感動した私の、
ちょっと贅沢な要求であり、感想だったような気もする。
実際、前作よりも続編の方を評価している人も多いし、
エンターテインメント作品としては、
確かに本作の方がより楽しめると思う。


もし『新宿スワンⅢ』ができたとしたら、私は見に行くと思うし、
それだけこのシリーズには愛着もある。
だから、
園子温監督、次は、もっともっと、ヒリヒリするような傑作を見せてくれ!




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