
東京に住む二女が、
友人の結婚式出席のため、
子供を連れて佐賀に帰ってきた。
11月23日(金)から25日(日)までが3連休ということもあって、
長女も子供2人を連れて遊びにきた。
いつもは夫婦2人きりであるが、
この3日間は、
娘2人に孫3人、それに私たち2人を加え計7人になり、
狭い我が家が大いに賑わった。
山には行けなかったが、
娘たちや孫たちと存分に楽しんだ3日間であった。
で、このところ怠け気味(汗)であるブログ「一日の王」に、
〈何を書こうか……〉
と思案したのであるが、
最近見た映画の中で特に印象に残っている映画のレビューにしようと決めた。
その映画とは、『綱引いちゃった!』。
地方でロケされた映画が好きな私は、
大分市が舞台の映画『綱引いちゃった!』に以前より注目していた。
タイトル通り「綱引き」の物語なのだが、
この地味な競技が映画になっているというのがなんとも愉快。
私の好きな松坂慶子や西田尚美やソニンが出ているし、
これまた私の好きな脚本家・羽原大介(『パッチギ!』や『フラガール』などで有名)が脚本を担当しているのにも大いに興味をそそられた。
脚本家・羽原大介は、映画の誕生秘話を、パンフレットで次のように語っている。
2001年、秋田県で開かれたワールドゲームズに、高校時代からの親友・小林満君(東京佐川急便綱引き部)の応援に行き、そこで初めて競技綱引きに出会いました。
迫力満点の国際大会の中、一際目立つ紺地にピンクのボーダーラインの女子選手たち、大分コスモレディースの勇姿に目を奪われました。普通のあばさん達(失礼!)が、命がけで綱を引く姿を見ただけで、これはもう絶対に映画になると確信しました。取材を重ね、構想を練り、何人かの映画関係者に企画を提案しましたが、なかなか乗ってくれる人に出会えませんでした。それでも毎年全国大会だけには(親友の応援も兼ねて)通い続けました。
月日は流れ、何年か経った後、日本テレビの水田伸生監督に、「そう言えば女子綱引きの話、どうなった?」と言われました。その次の全国大会に水田伸生監督と一緒に行き、映画化は実現に向け大きく動き出しました。
脚本家・羽原大介の10年越しの想い、そして提案、
それに乗った水田伸生監督、
ロケ地となった大分県、
それに、大分コスモレディースの元メンバーたちの全面的な協力……
それらなくしては生まれなかった映画なのである。
お堅く真面目な大分市役所広報課・西川千晶(井上真央)は、

市長から、あまりに知名度の低い大分市のPRをするため、
女子綱引きチームを結成せよとの無理難題を課された。
とりあえずメンバー集めを試みるのだが、やはり人は集まらず、困った事態に。
一方、
千晶の母・容子(松坂慶子)の勤め先の市の給食センターが廃止の憂き目にあっており、

千晶はその決定を覆すべく一計を案ずる。
給食センターの職員を綱引きメンバーにし、
全国大会出場まで勝ち抜いたら廃止を取り消すよう市長と取引をしたのだ。
そこに集まったメンバーは一癖も二癖もある女性たち。

はたして、千晶は、
バラバラのチームをまとめ上げ、
全国大会への切符を勝ち取ることができるのか……
(ストーリーはパンフレットより引用し構成)

全編がほぼ大分ロケなので、
冒頭から最後まで、大分県満載の映画であった。
私の知っている場所も随所に出てきて、大いに楽しめた。
ただ映画の中盤までは、
綱引きとはどういうものか……とか、
登場人物のそれぞれの生活などが描かれるので、
『パッチギ!』や『フラガール』の脚本家の作品にしては、ちょっと物足りないかな……と思っていた。
ただ、あの脚本家なので、このまま終わることはないだろう……とは考えていた。
そして、ラスト。
これまで淡々と描いてきた登場人物のそれぞれの日常生活が、
ラストに集約され、一気に感動へと持っていかれる。
涙があふれて止まらなくなる。
実に見事。
してやられた感があり、ちょっと悔しくなる。(笑)
井上真央。
日本アカデミー賞・最優秀主演女優賞を受賞した映画『八日目の蝉』での素晴らしい演技が記憶に新しい。
2011年4月よりNHK連続テレビ小説『おひさま』でもヒロインを演じ、
人気と実力を兼ね備えた国民的女優として成長著しい。
この作品でも、
大分市民の役に立とうと奮闘するまっすぐな性格の女性を好演している。

松坂慶子。
役柄もあろうが、
すっかりオバサン体型になっての演技は迫力があり、
『大阪ハムレット』(2009年)や『僕達急行 A列車で行こう』(2012年)でのコミカルぶりも見事であったが、本作でも見る者を時に笑わせ、泣かせる。
若い頃の松坂慶子も良かったが、今の彼女はもっとイイね~

西田尚美。
脇役をしていてもいつも気になる、個人的に好きな女優だ。(笑)
この作品では、特に重要な役を与えられており、
終盤からラストにかけては、彼女なくしては感動が半減していただろうと思われるほど。

この他、
バラエティで人気の渡辺直美や、

コーチ役の玉山鉄二、

市長役の風間杜夫が、コミカルな演技で笑いを誘い、楽しませてくれた。

この映画のために書き下ろされたドリカムの新曲「愛して笑ってうれしくて涙して」も効果的に使われていて、こちらも楽しめた。

大分県でロケされた作品といえば、
大林宣彦監督作品の『なごり雪』や『22才の別れ』などが思い出されるが、
映画『綱引いちゃった!』も、長く大分県民に愛される作品になることだろう。
ロケ地マップ(映画館でも配布されていた)も手に入れたので、
いつの日かロケ地めぐりもしてみたいなと思った。