
約20年前、友人とふたりで岸岳(320m)に登ったことがある。
その頃はまだ山に興味はなく、
たまたま近くに来たついでに、興味本位で登ったのだった。
今にも泣き出しそうな空の下、
薄暗い登山道は、正直、気味が悪かった。
「なんだか恐い所だね」
と囁き合い、
早々に退散したのだった。(笑)
後で聞いた話では、
地元で語り継がれている「岸岳末孫」(きしだけばっそん)なる言葉もあり、
心霊スポットとして、心霊スポットマニアの人たちには有名なのだそうだ。
「岸岳末孫」(きしだけばっそん)とは、
唐津市や東松浦郡一帯で今も恐れをもって語られる「祟り神」信仰で、
戦国時代末期、豊臣秀吉によって汚名を着せられたまま非業の最期を遂げたという波多氏一族の滅亡に起因するものという。
岸岳一帯に霊がただよっているようで、
あの時以来、私は岸岳に登ったことはなかった。
今日は佐世保へ行く日で、
朝から準備をしていたのだが、
姉から急用ができたとの連絡があり、
佐世保へは行かなくていいようになった。
佐世保近郊の山へ早朝登山しようかなと思っていたのだが、
思いがけず自由にできる時間が増えたので、
違う山にしようと思った。
そのとき、ふと思いついたのが岸岳だった。
20年前に一度だけ登った切り、
本格的に山歩きするようになってからは、まだ登ったことがなかった。
今日の午前中は「曇り時々雪」の予報であったのに、
朝から青空が広がっている。
こういう明るい日なら、岸岳に登るのには最適ではないか……

10:03
岸岳ふれあい館を出発。

法安寺の中を通って行く。




入口には孔雀がいた。

法安寺の奥から右折。

整備された道を登って行く。

10:32
古窯の森公園の方からの道と合流。
案内板から左へ入って行く。

案内板の案内図。
左端の「旗竿石」から右端の「姫落とし岩」へと、尾根歩き。

10:44
「旗竿石」分岐に到着し、左折。

10:46
「旗竿石」に到着。

眺めが素晴らしく、特に唐津方面の展望が良かった。

10:58
「三の丸」に到着。
ここには四等三角点(270.1m)があった。

ここから先は、美しい尾根道が続く。

低山だが大きな樹木が多く、いろいろな木を観賞しながら歩く。




11:05
「二の堀切」を通過。

11:10
「二の丸」に到着。
ここは広場のようになっていた。

美しい樹木が本当に多い。

11:17
「井戸跡」を通過。
この井戸はかなり深かった。

11:20
「大手口」を通過。
陽が差して明るいので、尾根歩きが楽しい。

11:22
「本丸」に到着。
ここが一番広かった。

山頂なのに、なんだか公園のような雰囲気。

樹木の中に、独特の存在感のある大木があった。

この木の幹には、字が彫られていた。
「詫」という漢字のようだ。

ここから先も快適な尾根道が続く。



「姫落とし岩」の手前に、無名の展望岩があった。
ここで昼食。

この展望岩からは、
女山(船山)~八幡岳~眉山と続く山々が眺められた。
この三山は8時間ほどかけて一度縦走したことがあるが、
いつかまた縦走してみたい。

面白い形をした石や岩を眺めながら歩き、

11:53
「姫落とし岩」に到着。

この岩の下は、100mを超える絶壁。
悲話が真実味を帯びて迫ってくる。

ここからの眺めは素晴らしい。
作礼山の向こうに天山も見える。

「姫落とし岩」の横にある「抜け穴」。
埋蔵金が隠してあるという噂も……(笑)

さて、ここから先へと進むわけだが、
ヤマケイのガイドブック『佐賀県の山』には、
「急坂でロープが備えられている。尾根をはずさないように下ると送電鉄塔下に出る」
とだけしか書かれていない。
誰でも簡単に下れそうな記述なのだが、
実際は、初心者や子供は通らない方がいいと思えるほどの難路。

枯れ木が多く、
ロープも細いものばかりだし、
赤テープも途中からはないので、要注意なのだ。

直滑降のような急坂を終え、穏やかな尾根道へ。

12:37
鉄塔下を通過。

途中、ちょっと迷う分岐もあったので、
この舗装道路に出た時は、ホッとした。


ため池から見た岸岳。
左端が「姫落とし岩」で、右端が「旗竿岩」。
低山ながら、実に味わい深い山であった。

本来は、県道52号線まで行って周回するルートなのだが、
地図を見ていたら、この辺りから左折すればショートカットできそう。

畑仕事をしていたおばあさんに訊いたら、「大丈夫」とのこと。
ここから入って行く。

こんな具合に近道をして、
13:38
岸岳ふれあい館に到着。

休憩時間を含め、3時間半ほどで周回することができた。
20年ぶりに訪れた山は、美しい尾根道をもつ秀峰であった。
天気の好い日にまた歩いてみたい。