
H・D・ソローは『森の生活』の中で言っている。
《死ぬ時に、
実は本当には
生きていなかったと
知ることがないように》と。
ドキリとする言葉である。
現代人は、物質主義の中で生きている。
暮らしのほとんどを、
ただ暮らしに必要な物と、
心地よさを追い求めるためだけに費やし、
そのために、
働きづめに働き、
その結果、本当の豊かさとは程遠い生活を余儀なくされている。
最近、茨木のり子の詩集を読んでいたら、
「ぎらりと光るダイヤのような日」という詩の中に、次のような一節を見つけた。
《世界と別れを告げる日に
ひとは一生をふりかえって
じぶんが本当に生きた日が
あまりにすくなかったことに驚くだろう》
H・D・ソローとほとんど同じ意味のことを語っている。
詩人は、自分が本当に生きた日のことを、《ぎらりと光るダイヤのような日》という言葉で表現している。
《ぎらりと光るダイヤのような日》を、あなたはどれくらい持っているだろうか?
人生は短く、儚い。
自分が本当に生きた日が、《ぎらりと光るダイヤのような日》が、まったくなかったとしたら……
考えただけでも恐ろしいことだ。
私にとって、山に登っている時は、確実に、「生きている」ことを実感できる貴重なひととき。
《ぎらりと光るダイヤのような日》である。
今日は、英彦山で、からつ労山の仲間と、その《ぎらりと光るダイヤのような日》を存分に味わってきた。
参加したのは22名。
Aコース(16名)
別所駐車場~奉幣殿~鬼杉~南岳~中岳~北岳~望雲台~高住神社
Bコース(6名)
別所駐車場~奉幣殿~中津宮~中岳~北岳~高住神社
私はAコースを選択。
9:22
別所駐車場を出発。
長い石段を登って行く。




9:38
奉幣殿に到着。
衣服調整。
厳かな雰囲気の中、しばし休憩。




10:41
鬼杉分岐通過。
10:49
鬼杉に到着。
国の天然記念物。
木の周囲12.4m。
高さ38m。

あまりに大きく、いろいろな角度から撮影するが、その大きさを表現することは難しかった。




鬼杉から九州自然歩道を登って行くと、凍った滝のような場所があった。
本来は滝ではないのかもしれないが、つららがたくさんぶら下がり、氷瀑のようであった。

途中、展望の良い場所があった。
山並みの稜線がうっすら白くなっており、霧氷の期待が高まる。

11:29
霧氷が見えてきた。
あまりに天気が良すぎて、気温が上がり、霧氷はもう溶けているのではないかと心配していた。

おお、すごい霧氷だ。
青空に映えて美しい!

霧氷のトンネルの中を歩いて行く。

下の方から仲間の歓声が聞こえる。

霧氷越しに見る遠望も素敵だ。

私にとっても、仲間にとっても、今日は《ぎらりと光るダイヤのような日》だ。

11:58
南岳山頂に到着。

山頂まであと一息のniiniiさん。
今年初めての霧氷とのことで、感激されていた。

南岳山頂からは、素晴らしい風景が眺められた。

至福のひととき。

12:22
中岳山頂に到着。

ここで昼食。
私は月見&肉うどんを作って食べた。
霧氷を見ながらのランチは最高だった。

13:00
アイゼンを装着し、中岳山頂を出発。
この時間になると、霧氷もかなり溶けていた。
白一色ではなく、このようにまばらに霧氷が見えると、まるで山桜のようで、これはこれで得も言われぬ趣があった。

ブナの木に、満開の桜が……(笑)

溶け落ちる霧氷が、まるで桜の花びらのようで……
(霧氷の花びら、見えますか~)

13:29
北岳山頂に到着。
山頂も霧氷がたくさん。
アキさんも大喜び!

北岳からからの下山道は北斜面のため、残雪が多く、それが凍っていて、アイゼンなしでは歩けなかった。
ロープ場も多く、滑らないように気をつけながら下った。

途中、野ウサギの足跡を見つける。
なんだか嬉しい。

大きなつららを見つける。
そう言えば、つららを食べてた人がいたな~(笑)

シオジ林などを眺めながら、ゆっくり下って行く。

14:10
望雲台分岐に到着。
クサリ場、片側が切れ落ちた岩場などを経て、望雲台へ。
最後のクサリ場を登ると、鉄柵が……




その鉄柵の向こう側は、約100mの断崖絶壁!

右側は、クサリの垂れ下がった岩壁。
左側は、切れ落ちた絶壁。
ナイフの刃先に乗っているようなniiniiさん、笑顔のVサイン。

14:53
高住神社に到着。
凍った雪で転んだ人もいたが、全員、無事に下山でき、ホッ。

英彦山温泉「しゃくなげ荘」で疲れを癒し、帰路についた。
マイクロバスの中でビールを飲みながら、仲間と語らい、今日という日の幸せをしみじみとかみしめていた。
《ぎらりと光るダイヤのような日》とは、まさにこのような日のことを言うのだ。