
ちょっと用事があって天山に登ってきた。(どんな用事なんじゃい?)
麓から見ても、天山は雲に隠れてまったく見えない。
天気もあまり良くないらしい。
でも用事があるから登らないといけないのだ。(だから、どんな用事なんじゃい?)
9時10分、七曲峠登山口より出発。
視界悪し。
霧雨状態なのだが、時折大粒の雨も降ってくる。
もちろん、私の他に登山者はいない。

登山道もなんだか幻想的な雰囲気だ。
誰もが敬遠するようなこんな日の山歩きも私は実は好きなのだ。

蜘蛛の巣も美しく感じる。

木々や山野草、苔に至るまで、植物は水分を多く含んで生命力に溢れている。

稜線に出ても、視界はまったくきかない。

天山山頂に到着しても、状況は変わらず。
天川登山口から中年男女3人組が登ってきたが、すぐに下山して行った。
そして私はまた一人になった。
こう書くと、なんだか孤独な登山者って感じだが、実は全然違うのだ。
私の心はウキウキ状態だった。
なぜって、稜線上は花がたくさんあったからだ。

マツムシソウやアキノキリンソウやアキチョウジなどは、もう何度も紹介しているので、まずはタンナトリカブト。

もうかなり咲いている。

昨年よりは少ないように感じるが、まだ蕾が多いようなので、これからが楽しみだ。

ウメバチソウもひっそりと咲いていた。

数は少ないので、見つけると嬉しい。

雨の滴が花の上でキラキラ光っている。

そして、私の大好きなムラサキセンブリ。

秋の天山でいちばん逢いたい花だ。

色が濃くて花弁の先が尖っているものや……

色が薄くて花弁がやや丸みを帯びているものや……

その中間のものや……
ひとつひとつの花にそれぞれ個性があって面白い。
そして、美しい!

下山を始めたら、ガスが消え始めた。
登るときはまったく見えなかった彦岳が姿を現した。

登るときは薄暗かった登山道も、なんだか明るい感じになっていている。

13時10分、七曲峠登山口に到着。
ガスがすっかり消えていた。
ちょうど4時間ほど山で遊んできたことになる。

帰路、天山の麓にある江里山地区に寄った。
この江里山は、「ひがん花の里」として有名なのだ。

棚田が赤く染まっている。

初めてこの風景を見た人は、きっと驚くはずだ。

絶対に……

ところで、用事って、何だったの?