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根子岳……永遠の中の一日、永遠の中の一瞬


崩落を続ける阿蘇根子岳
特に、ヤカタガウド登山口から天狗のコル、天狗のコルから東峰の間は危険な箇所がいくつもある。
ガイド本にはこう記されている。
「初心者には厳しいルート。必ず山慣れした人と同行し、悪天候時の入山は避けるように」と。
阿蘇連山も、かつては4000m級の山々であったという。
それが永年の噴火、陥没、浸食によって今の姿となっている。
いや、噴火、浸食はまだ続いているし、これからもずっと続いていく。
現在の姿は、今という時代に生きている私たちだけが見ることができる姿なのだ。

言うまでもなく、世は無常である。
宇宙でさえ例外ではない。
すべてのものは日々変化している。
100年もすれば、現在生きている人のほとんどは、この世にいないだろう。
阿蘇の山々も、何億年後かには姿を消すだろう。
もっとも、人類はその前に絶滅しているだろうし、地球もいずれは無くなる。
太陽の寿命は、あと50億年と言われている。
50億年後には、赤色巨星となり、地球や火星をのみ込み、太陽系そのものも消滅してしまう。

話が大きくなり過ぎた。
要するに、すべてのものが留まることなく変化し続けているということだ。

2007年11月18日(日)午前8時35分、我々はヤカタガウド登山口に降り立った。
根子岳のギザギザの稜線が見える。
美しい!


今回参加したのは25名。
Aコース(17名)は、ヤカタガウド登山口から天狗のコルへ登り、東峰へ縦走。箱石尾根ルートを下山。
Bコース(8名)は、ヤカタガウド登山口から天狗のコルを往復。
私はAコースを選択。

登り始めると、色鮮やかな木々が私たちを迎えてくれた。
紅葉はもう終わっていると思っていたので、驚いた。








涸れ谷に入っても紅葉は続いていた。


両壁が狭まり、V字形に切れ込んだ美しい谷が出現する。


登山口から1時間10分ほどで、眼鏡岩が見える地点に到着。
かつて写真で見た時は穴が三つあったのに、今見る眼鏡岩には穴が二つしかない。
いつ崩落したのだろうか?
そのとき、谷間にどんな音が響いたのだろうか?


山頂が近づくにつれて、山容が険しさを増してきた。
ガスも発生して、風も出てきた。


やがて天狗のコルに着く。
ここに根子岳山頂の標識がある。


ここから地獄谷を覗くと、極楽のような美しい谷が見えた。


東峰方面を眺めると、険しい尾根が続いている。
気を引き締めて歩き出す。


ふと足許を見ると、小さなリンドウが咲いていた。
「ああ、まだ咲いていたか!」と愛おしくなった。


天狗岩がガスに霞んで見えたり見えなかったりした。
それにしても大迫力の岩の塊だ。


しばらく歩いて振り返ると、ウソみたいにガスが無くなっていて、天狗岩がはっきり見えた。
写真では見えないと思うが、クライマーが数人、この天狗岩に登っていた。


と、アザミを発見!
よく見ると、テリハアザミのようだ。
テリハアザミは、熊本、広島、四国の一部などにしか自生していない絶滅危惧種の貴重な植物だ。
ある人から「根子岳の鞍部で見たことがある」と聞いてはいたが、今日ここで逢えるとは思わなかった。


天狗岩から東峰にかけては、難所がいくつも待ち構えている。
慎重にひとつひとつクリアしていく。


途中、迂回のため、右に下る。
すこし下がった位置で見る天狗岩も美しい!


天狗のコルから1時間ほどで東峰に着いた。
ここから見る天狗岩も素敵だ。
考えてみると、天狗のコルから東峰までの道は、天狗岩を見るための道だったような気がする。
この1時間、何度も何度も振り返った。
そして、振り返る度に、天狗岩は姿を変えた。




東峰で昼食。
ラーメンを作る人、うどんを作る人、弁当を作ってきた人…皆、それぞれランチタイムを楽しんでいる。
私はサンドイッチ。
テルモスに熱いレモンティを入れてきた。
天狗岩の絶景を眺めながらのサンドイッチは、本当に美味しかった。


食事を終え、ふと目を上げると、皆から少し離れた場所でNさんがスケッチをしていた。
Nさんが絵を描く人だとは知らなかったので、ちょっとビックリした。


描きかけのスケッチを見せてもらった。
ダイナミックかつ繊細な線で天狗岩が描かれていた。
永遠の時の流れから切り取られた一瞬がそこにあった。
帰宅後、水彩画として仕上げるとのこと。
完成した作品も見てみたいと思った。

山に登ること自体はもちろん楽しいが、その他にもうひとつ楽しみを持っていると、山登りがさらに楽しくなる。
写真、植物観察、野鳥観察、俳句、短歌、詩、スケッチ……何でもいいと思う。
自然に対して、自分なりの能動的なアプローチ方法を持っていると、どんな山に登っても楽しめる。
写真にしても、俳句にしても、そしてスケッチも、永遠の中から一瞬を切り取る作業だ。
虚空から、自分だけの真実の一瞬をつかみ取る。
その刹那、一瞬は永遠になる……


箱石尾根ルートで下山開始。


ホソバノヤマハハコが、ドライフラワーのように花をつけたまま枯れていた。


稜線に紅葉は無かったが、標高が下がってくると、再び山肌に色が着いてくる。
周囲の風景に見惚れてボンヤリしていたせいか、ここで問題発生!
分岐を見落とし、釣井尾根ルートに入ってしまっていたのだ。


途中でそのことに気づくのだが、眺めも良いし、そのまま下山する。




釣井尾根登山口に下り、そこからヤカタガウド登山口まで歩く。
「今日は歩き足りなかったから丁度良い」と、健脚の皆さんは楽しそうに雑談しながら歩く。
やがてヤカタガウド登山口に着き、B班と合流。
下山後に見る根子岳の稜線が一際美しく見えた。


永遠の中の一日……
宝石のような一日……


※ヤカタガウド登山口・東峰での集合写真は、からつ労山HPに後日掲載されます。



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