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日本によるウクライナへのガバナンス支援

 私が応援しているウクライナの青年ボランティア、マックス君

前線近くの高齢者に支援物資を届けるマックス(右)。2023年10月撮影


 メールしても2週間以上返信がなく、もしやと心配していたら、先日ようやく連絡があった。前線に滞在していて通信できなかったという。

 彼が住むドニプロに「あらゆる方面からロシア軍が押し寄せていて、前線が非常に困難な状態になっているので、やらなければならないことが山積みです」とのこと。彼はまだ22歳で軍役に動員される年齢(25歳以上)に達していないが、故郷が占領されそうになったら軍に志願するだろうと言っていた。前線に長期に滞在していたのは、軍事的な作業に携わっていたからだろう。彼とのやり取りから、厳しい戦況がリアルに伝わってきた。私はお金を送るくらいしかできないが、引き続き支援していきたい。

 

 ゼレンスキーの最側近で、ウクライナの和平交渉や対米・対露交渉を取り仕切る「政権ナンバー2」とも言われる大統領府長官イェルマークが解任された。

 解任は、国家反汚職局(NABU)などが、国営原子力企業「エネルゴアトム」をめぐる収賄疑惑など、大規模な汚職事件の捜査が波及するなか、国内外の政治的圧力に押される形で行われた

エルマーク。父はユダヤウクライナ人。弁護士で映画のプロデューㇲも行っていた2011年ごろからゼレンスキー氏と知り合って以来、緊密な関係を築いてきた。


 ウクライナでは、汚職との闘いはロシアに対する戦闘と並ぶ最重要課題と位置付けられている。ソ連時代から引きずってきた汚職体質を改めなければEU加盟もできないし、何よりお金の流れの透明性を確保しなければ、国際支援にブレーキがかかってしまう。また、汚職対策は復興・投資環境整備の中核要素でもあるウクライナ国民がゼレンスキー政権を批判するさいの第一のテーマも汚職対策が不十分であることだった。

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 大統領府長官の交代は、「大統領府の刷新」として対内外に反汚職姿勢をアピールする狙いがある一方、停船をめぐる対米交渉の最中に要人を失うリスクや政権基盤への打撃も大きい。「ゼレンスキー政権最大の危機」とも報じられている。

 こうしたなか、日本が汚職撲滅への支援に乗り出す。法務省は、ウクライナの司法省や国家反汚職対策局、特別反汚職検察などの職員を日本に招き、日本の贈収賄規制や科学捜査の在り方などをテーマに初の二国間研修を開始した。

 国家の腐敗についての指標とされる「腐敗認識指数」(トランスペアレンシー・インターナショナル)では、180カ国中、日本は20位、ウクライナは105位ウクライナ2021年の122位から順位を少しづつ上げてクリーン度は増してきているものの、市民感覚からすると「まだまだひどい」ということなのだろう。ちなみにロシアは154位。

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 日本はまた、ウクライナの税関長選びにも大きく関わるという。これにはEUと日米が支援し、今秋から現地3人を含む6人の指名委員会ができるが、その委員長になるのが御厨(みくりや)邦雄さん(71)だ。

朝日新聞12月9日朝刊「ひと」

 《「税関改革は経済改革の第一歩。トップを頻繁に交代させず、腰を据えて取り組むべきだ」と進言したが、正式な長官が決まらない状況が続く。オンラインで開いた指名委員会の公聴会では、市民の代表から汚職に対する厳しい意見も相次いだ》(朝日「ひと」欄1209)

 彼は旧大蔵省出身で、税関の国際協調を支える世界税関機構WCO)の事務総局長を2008年から23年まで15年間のわたって務めたという。彼の存在を知らなかったが、いろんな国際機関で日本人が意外に活躍しているものだ。なお御厨さん、委員長の仕事は無報酬でも「蓄えた知見でお役に立てるのはうれしい」と近くキーウに赴くという。

 日本は、「人道支援」として地雷除去をウクライナ支援の柱の一つに位置づけ、主に機材供与・技術協力・人材育成を通じて、ウクライナが自力で地雷や不発弾を処理できる能力を高める形で関与しているが、汚職撲滅や税関改革への協力も日本らしい支援として高く評価したい。

 




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