ゼレンスキー・トランプ会談。

ゼレンスキーはジャケットを着てトランプを喜ばせ、付き添ったEU諸国の首脳がこぞってトランプのご機嫌をとって、トランプがゼレンスキーに領土の割譲を迫るという最悪の事態は免れた。
ただ実質的な進展は何もない。トランプが「ウクライナの安全の保証にアメリカも関与する」と言ったところで、どう具体的に「保証」するのかは不明。プーチンはトランプの扱い方を熟知しているから、だましだまし、怒らせないようにしながら時間をかせぐだろう。
この戦争、プーチンが侵略を止めればその瞬間に終るのだ。それしか解決はないのだが、プーチンは「紛争の根本原因」、すなわち独立ウクライナの消滅まで戦争を続けると言っている。
思えば、ロシアのチェチェン侵攻を世界が黙認したところからプーチンの暴走が始まった。
その後、ジョージア侵攻、さらにはクリミア半島の軍事制圧とどんどん軍を進めて、3年前のウクライナ全面侵攻に至る。侵略者が力で得た成果を国際社会が認めてしまうと歯止めが利かなくなるのは、ナチスドイツも戦前の日本も同じだ。
ウクライナに領土割譲を押し付けてはならない。
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NHK国際報道で「東南アジアから見た戦後80年」という特集を組んだ。
日本がアメリカと決定的な対立関係に入って戦争が不可避になったとされる事件が1940年の仏印進駐だった。日本軍は援蒋ルートの遮断と米やゴム、石炭、鉄鉱石、錫などの資源確保を目指した。

1944年から45年にかけて、日本軍が占領したベトナム北部を中心に深刻な飢餓が発生し、200万人が餓死したとされる。ベトナム北部では天候不順でコメの収穫が激減したところに、日本がコメの拠出を厳しく求め続け、深刻な事態を招いたのだ。


ベトナムの学校では歴史でこの話を必ず学ぶし、ベトナム人ならだれでも知っているが、日本ではほとんど知られていないだろう。
アジアの人々を助けるなどと言って「進駐」した日本軍が、民衆から食糧を取り上げて死に至らしめたのだ。NHKがベトナムの日本大使館に、この飢饉についての認識を問うと、「先の大戦において、ベトナムにおいても餓死者が出たことは事実であると認識していますが、その死者数などについて、公式資料としてご紹介できるような事実認定はないものと承知しています」との答え。ほんとに他人事だな。
解説には、旧知の東大名誉教授の古田元夫さんが登場。学生中研の先輩(彼は東大)で、中国からベトナムに研究対象を移したのは私も同じである。

「事実としての認識を、できるだけ多くの日本の若い人たちに知ってもらいたい。日本との関係で、今この飢饉の話が語られなくなった状況だからこそ、むしろ日本人自身の努力としてこの認識が広がってほしい」(古田さん)

番組では、日本軍が東南アジアで、フランスやオランダなど旧宗主国を打ち破った機会をとらえて独立運動が盛んになり、そこに日本の占領を正当化するプロパガンダもあって、日本軍と連携する動きがあった。複雑な当時の状況をしっかりと事実を確認しながら日本の戦争を学んでいきたい。
東南アジアで、日本の戦争について学ぶことはたくさんある。
(つづく)