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強まるアフガニスタン女性の教育制限

 アフガニスタンでは、女性教育への抑圧がさらに厳しくなっている。

 「侵略者」アメリカを追い出して戦争を終わらせたタリバンの功績は認めるとして、こちらの問題をどう考えるのか。NHK国際報道「行き場を絶たれる女性教育」(28日)では、今月始まったアフガニスタンの新学期に合わせ、厳しさを増す女性の教育現場の最前線を伝えていた。

 女性は中学校以上の教育を受けられないアフガニスタンでは、140万人の女性が中高に通えなくなったとされる。

 首都カブールに住むタマナ・バハドゥーリさんは教師を目指して大学に通っていたが、22年12月に女性への大学教育が禁止された。そこで、例外的に認められていた医療系教育機関に入り助産師になる実習を受けていた。ところが昨年12月には、それも禁止されてしまい、今は家の中で家事をする毎日だ。女性の患者は女医しか診ることが許されないアフガニスタンで、医療系教育機関での女性の就学が認められないことは深刻である。

NHK国際報道28日より

助産師教育の実習で赤ちゃんを取り上げた

 頭部ジャララバードに暮らすナディア・ナディリさん(14)は、NGOが運営するオンライン授業を受けている。英語や理科など6科目で夢は教師になることだ。しかし月1000円の授業料が必要で、経済的な問題や通信事情などもあり、この授業を受けられる女性はごくわずかだ。

オンライン授業はまだ禁止されていないが、受講できる人はわずかだ

 番組では、二人の女性が名前と顔を出して取材に応じていることがわずかに救いだったが、このままでは将来の国づくりという点でも破壊的な影響が出てくると懸念される。

 この問題について、アフガニスタン担当国連事務総長特別代表の山本忠通氏がバランスのとれた分かりやすい解説をしていた。

山本氏

 まず、タリバンがこういう政策をとる背景について—

 「アフガニスタンは実はとても伝統的な社会で、古い因習がまだ残っている。女性の役割についても古いままの状況があった。

 タリバンは戦いにあたり若い兵士をたくさん集めた。もっと規律ある社会を取り戻さなければと若い人を戦闘に駆り立て強い旗印になった」

 内戦で軍閥が割拠し、米軍の後ろ盾を得て横暴な振る舞いで民衆を苦しめていたのに対して、かつての秩序を取り戻そうと主張したタリバンが支持されたわけである。厳しい規律のもと他の軍閥にくらべて圧倒的にクリーンで、農村社会の古いルールを固守する長老会と提携して民衆に受け入れられていった。

 ではタリバン内部で異論はないのか―

 「タリバン幹部には女性の教育は改善されなければとはっきり言う人が非常に多い

 私も同じ見方で、実際に首都カブールで話をしたタリバン幹部は、女性は教育を受けるべきだという考えだった。。

 「イスラム社会としても、女性の教育が大事だと言っている。制限がやむを得ないと言っているタリバン幹部も、女性の教育をやらざるを得ないとはっきり言っている」

 では、女性の教育の制限は、最高指導者のアクンザダ師が決めているのか―

 「アクンザダ師が納得しなければいけないということは、ほぼみんなが認めている。彼らの間で解決せざるを得ない問題だ。ただ彼らも外国に対しては一枚岩でなければならない。それが一つの勝因であることを彼らは強く認識している」

 この問題の影響は—

 「これがさらに続くと、教育を受けない女性が多く出て、一つのジェネレーション(世代)が教育を受けないというとんでもない事態になる

 日本、国際社会はどう対応すべきか―

 「彼らを責めるのではなく、いかに彼らが間違ったことをしていて、将来にとって間違ったことをしていると説得し続けることが大事だ。

 日本はタリバンから見ると、『普通の西側諸国でなく明治維新第二次世界大戦の苦難を経て立ち上がってきた国』で、(アフガンと)似たような問題を抱えている国と見ている。その意味での信頼が非常にあるので、日本が説得することは大変意味がある

 彼らの考え方は今の国際社会において、アフガニスタンの人たちを幸せにするものではない、アフガニスタンの国の発展を可能にするものでもない。彼らとしてできることを本当に促して、少しずつでも改善してもらうことが大事だ。日本だけでなく多くの国が一致協力して働きかけ、タリバンが納得することを実現していくしかない」

 タリバンによって外国軍が追放され治安が回復され、タリバンに替わる勢力はアフガニスタン国内に存在しない。とすればタリバン政権を相手にして、山本氏が言うように「説得」していくしかない。

 アフガニスタンの人々にとって、日本が特別に信頼される国である理由には、日露戦争と「ヒロシマナガサキ」があることを本ブログでも書いたことがある。

takase.hatenablog.jp


 また、拙著中村哲という希望』の中で—

 「アフガニスタンで、日露戦争ヒロシマナガサキを知らない人はいない。ロシアと英国に何度も攻めこまれた歴史をもつアフガニスタンの人々は、アジアの小国だった日本が大国ロシアと戦ったことに共鳴し、戦後は、原爆を落とされた廃虚から経済大国になりながら、一度も他国に軍事介入をしたことがないことを称賛する」として、中村哲医師がアフガニスタンは世界一親日の国であると言っていたこと、中村さんのプロジェクトのすべての車両や診療所に日章旗を描いていたことを指摘した。

 日本は特別な立場を利用してアフガニスタンの女性の教育問題の改善を促し、復興を助けるよう働きかけていきたい。。




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