身内の話をネタにするのもどうかと思うのだが、あえて書き残すことにした。
老母(90歳)が入院、本日(9月22日)手術を行なった。病名は乳がん(ステージⅡ-a)。
先月盆休み明けに診断結果を一緒にきいたときに思わず「え?」と顔を見合わした。年齢的にがん細胞が活発に動くわけがないという思い込みがあったのだが、どうやら高齢者の乳がんは珍しくないらしい。診断結果をきいたのちにバタバタと精密検査を行い、がんのタイプや進行具合を確認、今月初旬に術式、治療法を決めた。
まず高齢なので病院の方針として抗がん剤治療は行わない。がんのタイプが抗がん剤治療を前提とするものではなかったこともあるが、まずこれで少し安心する。術式の選択は本人、家族の意向に沿うとされたが、主治医からの説明もあり手術後の放射線治療を必要としないほうを選んだ。術後30日間欠かすことなく放射線治療をうけるほうが本人の体力を削る可能性があると考えたためだ。
さて、ここで選んだ術式について近隣、親戚(母の妹たち、こちらも後期高齢者なのだが)などの界隈で、90歳という年齢でその術式を選べることに対してざわついたらしい。
要するに「体力がないと選べない」術式からである。傍目からみて本人はそんなに頑丈な体格ではない。昔話にでてくるような小柄な老婆そのものである。どこに体力が蓄えられているのか、どうやって蓄えてきたのか等疑問が尽きないらしい。
どこかで90歳を超えるような人間は生き物個体としての生命力が強い、という話をきいたことがある。学術的な裏付けがあるのかまではわからない。そういわれてみれば母の高校時代の同級生も元気な方が多く、毎年春になると同窓会をやるのやらないと連絡があるらしい。強い生命体の集まりというのがあるかもしれない。
さて本日の手術である。手術室にストレッチャーで運ばれるのかと思いきや徒歩で向かっていった。看護士いわく「お元気なので」(そんなことあるのか)
オペ終了後。全身麻酔の後遺症の「せん妄」を本人が一番心配していたのだが、麻酔が醒めていくにつれいつもと同じような会話に戻る。挙句「退院は月曜日がいい」などと勝手なことをいっている。
そうはいっても明日どんな状況になるかわからないのが高齢者。順調に回復したとしても術前と同じレベルまでは戻らないとこちらは覚悟している。あとどれだけ生命力を蓄えているのかわからないが、ぼちぼち、のんびりと過ごせるようにしたいと思う。