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会社に吹く風 『「企業文化」の監査プログラム』

「企業文化」の監査プログラム -より良い企業文化が不正抑止環境をつくる-

 ふた昔前の一時期、マネージャー研修の講師を担当していたことがある。研修は当時人気番組の映像を題材に「このプロジェクトが成功しや要因を考える」というグループディスカッションからスタートした。映像は自動車メーカーH社のエンジン開発を題材にしたものだったが、H社GA自由闊達なブランドイメージがある企業ということもあり、ディスカッションの結果どのグループの回答にも必ず「H社の社風がよいから」といったことが書かれていた。

 社風(または組織風土)というワードは非常に使い勝手がいいものである。例えば「社風が良い」というとなんとなく働きやすようなイメージが湧くし「社風が悪い」といえばその逆のように。だが社風の良い、悪いの根拠をはっきりと説明できるかというとそうでもないということが多いのではないか。

 『「企業文化」の監査プログラム』(同文館出版:稲垣浩二(著))は7年前の出版された書籍である。7年前は自分はまだ内部監査の職になかったので出版当時の会計系・監査系の評価はわからない。出版当時(そして今でも)の会計監査や内部監査のアプローチからはやや離れた独自性の高い内容と思う。

 本書での著者の主要な主張は以下の3点で、方法論も提案している

1 企業文化の可視化と定量化の必要性

 企業文化を精神論に終わらせず、監査によって客観的に評価し、可視化することが重要。 例えば従業員へのアンケートやインタビューを通じて企業文化を構成する要素を明確にし、スコアリングや数値化によって現状を定量的に把握する。

2   内部統制の一環としての企業文化監査

 企業文化を内部統制の重要な一環として位置付け「企業文化監査」を定期的に実施する。この監査を通じて不正やコンプライアンス違反につながるリスク(「売上至上主義」「情報隠蔽体質」など)を早期に発見し是正し、企業価値の毀損を防ぐ。

3    持続的成長のための企業文化の戦略的活用

 企業文化を単なる管理対象ではなく、企業文化の持続的成長のための「戦略的しさん」としてとらえるべきである。監査によって現状を把握した後は、企業のビジョンや経営戦略と整合性のとれた理想的な企業文化を定義し、それを実現するための具体的なアクションプランを策定する。

 ここまでで気がついた方もいると思うが、ここ数年の(そしてはや「対応に疲れ」がみえなくもない)「従業員エンゲージメント」を重なる要素が多い。したがって前述のとおり、「企業文化監査」は従来の、そしておそらくは経営陣や他部門が認識している会計監査や内部監査とは異なるアプローチをとることになると考える。

 監査の対象は、財務諸表や法令、会社規則、業務規程や業務プロセスではなく、従業員の価値観や行動様式、組織風土(社風)といった可視化が難しいものである。従業員に対するインタビューやアンケートの分析ひとつとっても、モチベーションに関する諸々の理論、行動心理学といった知識やマネジメント経験が(会計・内部)監査人に求められると思う。要するに「非財務情報」のうち、組織や構成員の内面に焦点を当てることができるスキルだろう。

 もし「企業文化監査」を計画するならば、内部監査人に関していえば、これまで会計・財務系の経験のみであれば新たなスキルと視点の習得が必要になる。内部監査人の育成に時間をかけられない状況であれば、内部監査人のバックグラウンドの多様化を図ることが必要になる。まして内部監査に「不正の予防」の視点が求められるのであれば、ビジネス、人事、法務、経営企画、広報、情報システムといった社内の各部門の職務経歴をもつ人材からなる監査チーム作りを理想とすることになるだろう。

 それはそれで難儀な道のりではある。

 




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