国語での生成AIの授業活用
今回は生成AIの授業活用の方法を紹介していきたいと思います。
生成AIを直接利活用させることについてはハードルが高いため、教師が授業内で使用する形を示したいと思います。
直接の利活用ではなくとも、子どもたちの誤用を防止するためにも、以下のブログで紹介している生成AIについて学ぶ授業を実施した上で授業活用をすることを私は推奨します。
今回は国語に焦点を当てて紹介したいと思います。
自由度の高い議論を活発化させる
国語の物語文の記述について自由に解釈できる箇所があったとします。
子どもたちに考えさせて発表させた上で、生成AIの回答を提示することで議論が活発化させることができるでしょう。
例えば、小学6年生の国語でよく取り扱われる「やまなし」に登場する謎の「クラムボン」
この「クラムボン」について子どもたちに議論させる場面があるとします。
ポイントは子どもが考えるのが先ということです。
初めから生成AIの回答を提示すると子どもの思考が固定化される恐れがあります。
「子どもたちの考えが凝り固まっており、思考を広げさせたい」
「議論をしていて煮詰まった」
このような際に生成AIの回答を提示することで、議論が再び活発になります。

教師が自身の回答を示すことも可能ですが、教師の意見は正しいと子どもは捉えがちです。
心理的にも教師の意見に対して異を唱えることは勇気がいるものです。
しかし、AIの回答ならば子どもたちは批判的に見やすくなります。
解釈が人に委ねられているものは自分なりの根拠を持って自分の考えを表現することが大切です。AIの回答からクラムボンは具体物ではないかもしれないと異なる角度から考えることができます。
回答で使われている表現がやや難解なので、実態に応じて小学6年生として回答させる工夫をすることで、議論がしやすくなります。

ちなみに、Web連携しているとブログやWebサイトの解釈を引用して簡潔な内容になるため、ユニークさに欠けます。
私はこうした対話的な使用の場合はあえてweb連携せずに回答を求めるようにしています。
AIの作品を批評する
AIの作品を批評することで作成のコツを掴ませる活動も有効でしょう。
俳句を作成する授業が活用例などで示されていますが、単に提示するだけでなく批評を子どもたちにさせることで作成のコツを掴ませます。

例えば、上の俳句であれば課題点は春風と桜と季語が2つあると焦点がぼんやりしてしまうことです。
一方、桜が舞い踊るといった擬人法は工夫として挙げられます。
AIの作品は批判的に見やすいため、批評に適しています。
また、季語に悩んだときは生成AIに例を示させることができます。

AIが提示する季語により、多様な場面を俳句にすることができます。
要約文を比較して批評させることも1つの方法です。
生成AIの性能は上がってきており、小学生が批評するのは難しくなっています。そこで、異なる2つのタイプの要約文を作成させて、比較することで要約のポイントを学ぶ活動を紹介します。

前者はあらすじを書いた要約文です。後者は登場人物の感情に注目した要約文です。
この2つの要約文を比較する中で、自分の目的(テーマ)に応じた要約文を書く必要性があることを子どもたちは学習していきます。
物語の別視点を提示する
例えば、ごんぎつねは基本的にごんの視点から描かれており、最後の場面で兵十に視点が変わります。
読み手はごんの気持ちが高まると同時に兵十の気持ちまで高まっているような感覚に陥ります。
そこで以下のように兵十視点の文章を提示することで、より読解を深めることができます。

この文章があることで兵十の気持ちを整理しやすくなります。
また、視点が変わることで感じ方がガラッと変わることが理解でき、こうした視点の転換を今後、自分の作品を作る上でも活用することができますね。
批判的な意見を提示する
例えば、説明文に対して自分の考えを書く時に共感的な考えは出しやすいですが、大人が書いた文章に子どもが批判的な意見を出すことは難しいものです。
そこで、AIに批判的な意見の例を提示させることで、子どもたちに批判的な見方を養うことができます。
光村図書の6年生の教科書の説明文「時計の時間と心の時間」について、共感できない点を10挙げさせました。

子どもから十分に意見が出る場合は必要ありませんが、出ない場合はこうして回答を提示することで、子どもの視点を広げることができます。
この単元では説明文を読んで自分の考えを発表します。
その発表の内容のヒントとすることができます。
まとめ
以上、今回は国語の授業での活用方法を紹介しました。
子どもが「読む/考える/書く」というプロセスを確実に行う授業にしつつ、こうしたプロセスの補助や、学びを深めるための活用方法を意識していきましょう。

(image FX)