
はらだみずきさんという作家さんが描いた小説で、こちらはシリーズの続編になります。
1作目の「海が見える家」ももちろん読んだのですが、結構前だったので記憶も曖昧に。
ちょうどいい塩梅かもしれません。
ともあれ、前作もたいへん良かったのですが、今回の作品もじんわりと心に染みてくるような作品です。
前作を読んだのは2年前ですか、早いもんですね。
ちょっと忘れているところもありましたが、読み進めていくと思い出していくんですね。
南房総能美のほとりにある小さなボロ家。
それが主人公文哉が父から受け継いだ家。
父とは疎遠で、これまで避けていたような存在でしたが、亡くなってから、この家を通して様々な父のことを知るのです。
父の家に住むことになったのは、ポジティブな理由ではなく、都会での仕事から逃げるため、そういうふうに周りからは思われていますし、自分自身もそう思っていたのが前作の話。
特にきつかったのは交際していた彼女からズバリと言われてしまったことですね。
今作ではその元カノがこの家にやってきます。
復縁?というような感じではないですが、今後はどう繋がっていくのでしょうね。
生きていくというのは本当に大変ですが、父がこの土地で周りの人からどういうふうに思われていたのか?というのを通じて、親子の対話がじんわりときます。
前作はそこがメインでしたが、今作は更に父の生きざまをトレースするかのように生きていくことになります。
これは小説、と言ってしまえばそこまでの話ですが、簡単でもなく、楽な生活ではありません。
保証された賃金はなく、なんとか食いつないでいく生き方ですが、前作よりも遥かにパワーアップした南房総の田舎暮らしを堪能している主人公が少し羨ましくもあり、尊敬する気持ちも芽生えてきます。
いい作品ですよね。