
Kindleにて購入しました。
浅倉秋成さんのデビュー作らしいです。
浅倉秋成さんといえば、最近の映画としてまずまず面白かった「嘘つきな六人の大学生」の原作者。
映画館の予告で知ったのですが、映画を見る前に原作を読んだのがきっかけでした。
ミステリーでもあるのですが、よくあるタイプのいわゆる殺人事件や刑事モノとは全く違いましたね。
次に読んだ作品も今の時代をよく表している「俺ではない炎上」。
ネット、特に匿名で好きなことを書いているSNSとしてTwitter(現X)がありますが、一人のネットのつぶやきから、瞬く間に炎上騒ぎとなり、犯人が特定されて、無実の主人公が追い詰められていくという面白い話でした。
こちらは殺人事件にも関わっているのですが、よくある刑事モノのミステリーではないですね。
この2本がよくできていたお話だったので、そのデビュー作を読んでみることにしました。
この本の目次
少し長めのプロローグ
ダブルエスプレッソとショパンと名言と「85」の背中
七月二十三日(初日)
ギターケースとドミノ。福沢諭吉と素晴らしき家庭
七月二十四日(二日目)
バッタと火事と性交渉
七月二十五日(三日目)
昔話と”みっっしょん”
七月二十六日(四日目)
英雄
七月二十七日(最終日)
もし、協力しなければ
少し長めのエピローグ
ダブルエスプレッソとショパンと名言と「85」の背中
回想
あとがき
登場人物
大須賀駿
貧しいながらも前向きに生きる高校二年生。
ある日を境に人の背中に、その日の運が”偏差値”として現れるという能力を授かります。
そして中学校からのクラスメイトの真壁弥生の背中に「85」の数字を見つけます。
三枝のん
名言の引用を多用する高校一年生。
小学生の頃に出会った”サッちゃん”が読書の師匠。
彼女もある日、指で本の中身を記憶できる特殊能力が授かることになります。
江崎純一郎
恵まれた環境、かつ本人も申し分ない知能を持つが人生がつまらなくて仕方がない高校二年生。
通い詰めの喫茶店でマスターに淹れてもらうダブルエスプレッソを飲み、常連の”ボブ”との会話が彼の日常です。
彼には毎日5つの予言が降りてきて、それは絶対的なものなのです。
葵静葉
高校3年生。
幼い頃からピアノに打ち込むが親友の自殺を機にピアノの演奏を封印します。
彼女の不思議な能力は何でも壊せてしまえること。
その力を使い、親友を絶望に陥らせたある男を”壊して”しまったのです。
黒澤皐月
葵静葉とはピアノでつながり、三枝のんとは読書でつながっています。
「ノワール・レブナント」とはなにか?
謎の女性です。
黒澤康介
一流企業「レゾン電子」を率いる若き企業家です。
「ノワール・レヴナント」とは何なのか?
この物語のキーマンです。
あらすじ
四人の能力者。
長いプロローグで、彼らの能力や立場はあらかた語られます。
4人は全然繋がりのない人物ですが、ある会場に集められ、「使命」を果たさなければならないのです。
特殊な能力はそのために与えられたもので、彼らはその謎を解くためにも「使命」を果たすために協力することになります。
舞台となるのは「レゾン電子」とその社長である「黒澤康介」です。
感想
この作品がデビュー作らしいですが、凝りに凝った仕掛けがあります。
その特殊能力の源泉は結局、語られることなく終わってしまいますが、ストーリーは結構引き込まれます。
能力を授けられた高校生は、それぞれ運命に導かれるかのごとく、集まり、その力を行使して、ある計画、人物を止めるというストーリーです。
この不思議な力に関しては語られていないので、消化不良な気がしますが、ストーリー自体は面白かったですね。
4人の人物の中でとっても有能なのは最年少の三枝のんですね。
何でも心の中のレバーを引いて破壊できる葵さんもすごいですが、やはりのんちゃんの活躍が圧倒的でした。
一方好人物で応援したくなるのが大須賀駿ですね。
せっかくできたカノジョと幸せになってほしいと思います。
江崎は現実にいたら、多分仲良くできないだろうなと思うのです。
葵さんと一緒になるかな?とも思ったのですが、この小説には恋愛要素はなかったですね。