
通勤中や休憩時間に読んでいます。
上下巻で2冊あるかなりも分量の本ですね。
最近本屋にあまり行かないのですが、この本は出た当時から話題になっているようでした。
Kindle似て電子書籍版を購入。
「サピエンス全史(上)」は読み終えましたが、(下)はまだ読んでいる途中です。
サブタイトルとして「文明の構造と人類の幸福」。
どういう本なのか?という前知識はない状態で読み始めました。
この本の目次
歴史年表
第1部 認知革命
第1章 唯一生き延びた人類種
第2章 虚構が協力を可能にした
第3章 狩猟採集民の豊かな暮らし
第4章 史上最も危険な種
第2部 農業革命
第5章 濃厚がもたらした繁栄と悲劇
第6章 神話による社会の拡大
第7章 書記体系の発明
第8章 想像上のヒエラルキーと差別
第3部 人類の統一
第9章 統一へ向かう世界
第10章 最強の征服者、貨幣
第11章 グローバル化を進める帝国のビジョン
以上上巻
第12章 宗教という超人間的秩序
第13章 歴史の必然と謎めいた選択
第4部 科学革命
第14章 無知の発見と近代科学の成立
第15章 科学と帝国の融合
第16章 拡大するパイという資本主義のマジック
第17章 産業の推進力
第18章 国家と市場経済がもたらした世界平和
第19章 文明は人間を幸福にしたのか
第20章 超ホモ・サピエンスの時代へ
あとがき ー神になった動物
文庫版あとがき ーAIと人類
謝辞
訳者あとがき
以上下巻
概要
サピエンス全史は、人類という種の歴史というとても壮大な話です。
現在、人類として繁栄を誇っているのが私たち、ホモ・サピエンス。
ホモ・サピエンスとは「賢い人」という意味。
自らを「賢い」と形容する我々ホモ・サピエンス。
人類の端くれとして生きている自分も含めて、なんとも傲慢なイメージがありますね。
人類という種の中で唯一の生き残りがサピエンスであり、なぜサピエンスが生き残ったのかという検証から始まります。
サピエンスが最強(最凶?)の種として生き残ることができた理由として認知革命というものをあげています。
それは虚構を信じる、作り上げる能力でそれによりサピエンスは人類種の中で勝ち残った唯一種となります。
まったく存在しないものについての情報を伝達する能力、見たことも、触れたことも、匂いを嗅いだこともないけれど、ありとあらゆる種類の存在について話す能力があるのは、サピエンスだけということです。
この能力によって、伝説や神話、神、宗教というものを作り上げてきたのです。
この認知革命というのがホモ・サピエンスが唯一の人類として勝ち残った最大の理由で、そしてそれ以外に2つ大きな革命が現在の人類の繁栄を作ったと考えています。
その残り2つが「農業革命」、そして「科学革命」です。
上巻は科学革命には触れていきませんが、人類が起こした3つの革命として説明されています。
農業革命は大河の流域の肥沃な土地で農業が栄え、人口が増えて文明となった、というのは子供の頃の教科書にも記載されていた内容ですが、それを更に詳しく解説しています。
狩猟採集民から農業革命によって農耕民となりますが、面白いことに狩猟採集民のほうが栄養価も高く、労働時間も短く、人類として充実していたのではないか?という考察もあります。
そのあたりは狩猟採集民であった縄文人と農耕民であった弥生人との違い見たい感じですね。
感想
まだ下巻の最後まで読み切っていませんが、読み応えもあり、とても面白い本ですね。
小説とは違うのでストーリーにのめり込むというタイプのものではないですが、例えなどが豊富です。
豊富すぎて話が前に進まない=ボリュームがかなりあってものすごい古い話が延々と続くので飽きてしまう人も多いでしょう。
だいたい歴史の授業でも人類の祖先のところから語られますが、ほぼ簡単な説明のみ。
アフリカで発見されたアウストラロピテクスが最古の人の祖先だとか、ピテカントロプス・エレクトスが直立猿人でまっすぐに直立することで手を利用でき、いろいろなものを作り出すことができたとか、シナントロプス・ペキネイシスはアジアで発見された北京原人だとか習いましたね。
よほど興味がある人以外は授業もスルーされるような内容ですが、この部分を語っているところがやたらと長いのですね。
認知革命のところは脳科学者である苫米地英人さんの本にあるような内容でもあります。
痛い思いをしたりすると泣いたり、面白いことで笑顔になったりしますが、人間は実際に体験していないことでも同様に感じることができます。
映画を見たりして感動するのもその一つです。
映画という視覚情報を得ているのはまだ直接的ですが、本を読んでも感動して涙したり、苦悩する気持ちを理解したりします。
そんな能力があるのはホモ・サピエンスだけで、情報を処理して虚構を作り出す能力があるからこそなんですね。
農業革命以降、人間は定住し、肥沃な土地、大河のほとりに文明が誕生した、このあたりは歴史の授業で習った通りで理解もしやすいです。
ただ、それによって巨大な権力、貧富の差が発生し、多くの人たちを従わせるために、虚構を信じさせ、利用してきたということなのでしょう。
ここで言う虚構とは嘘という意味ではないです。
リアルな体験無しで頭の中でその情景や心情を理解して感情を動かし、行動に結びつけることです。
農業革命が人類を幸せにしてきたのか?というのには否定的です。
もちろん狩猟採集民と比べて多くの人間を養えるようになったのは農業革命があってこそなのですが、労働時間も短く身分の差もなかった狩猟採集民の生活と中世の農奴たちの生活を比べると、中世の農奴の劣悪な環境は果たして幸せだったのか?とは言えないという論調です。
読むのに時間がかかったのでだいぶん忘れているところもあると思います。
目次を付けておきましたが、目次を見ると読んだ内容をある程度思い返せます。(今なら)。
人類は多くの種族がいたのですが、ホモ・サピエンス以外はすべて絶滅しまた。
それは知能が優れていたわけでも体力があったわけでもないのです。
ネアンデルタール人と比べると大脳の大きさでは劣っていたといいます。
さらに体格も劣るため、ネアンデルタール人との戦いで敗れたであろう証拠もあるそうです。
ネアンデルタール人もホモ・サピエンスもお互い縄張りで争った時代にはどちらも狩猟採集民でしたが、「認知革命」があったホモ・サピエンスが最終的に勝者となります。
虚構を信じる力というなんとも意味不明な説明ですが、言葉を使って想像上の現実を生み出す能力のことです。
そしてそれにより、大勢の見知らぬ人が協力することができるようになりました。
この知らない人間同士が協力しあえる能力こそが他の動物や他の人類にはないホモ・サピエンスの能力。
つまり神話、神の存在を信じさせることができたのがサピエンス。
なるほど多くの人を束ねるためには神話は不可欠で神の存在もそのようにして利用してきたのが人類というわけですね。
日本人はいたるところにいろんな神がいるとする人たちですが、世界的に見て隆盛を誇っているのが一神教でしょう。
唯一の神としてキリスト教もイスラム教、ユダヤ教などで、これらの宗教は歴史的に見て多くの紛争を巻き起こしています。
ギリシャ神話からキリスト教への強制改宗や十字軍の遠征で多くの人を殺しています。
またキリスト教自体もカトリックとプロテスタントで激しく争い、多くの紛争がありました。
ともあれ、生物として本能的に死を逃れ生きようとするはずですが、人間は自ら死をも辞さないという行動に出ることがあり、その背景には神話や宗教というものがありますね。
そういったものを作り出し、信じさせる能力が「認知革命」であり、これかサピエンスの決定的な能力というお話です。
サピエンスは個々の力は弱いけれど、団結したときには大きな力になります。
見ず知らずの人と協力したり、誰かが発見、発明したことを伝聞等によって後世に残していくことができたサピエンス。
しかし、サピエンスは他の種族と共存することができません。
サピエンスは人類の他の種はすべて絶滅に追い込み、地球上を我が物顔で生きていた大型動物たちもほぼ絶滅させています。
なんとも恐ろしい話に進んでいますが、下巻はこれに「科学革命」が加わり、未来が語られるという予定です。(現在読んでいます。)