
通勤途中日本も読んだりはしていますが、最近は「信長の野望出陣」というスマホのウォークゲームを開いている時間が長いので、読書は少なめになっているかもしれません。
最近文字ベースの読書は基本的にAmazon Kindleの電子書籍です。
なのでいつも持ち歩いているので余った時間に読んだりしています。
現在はユヴァル・ノア・ハラリさんのベストセラー「サピエンス全史」を読んでいますが、上下巻あってかなり長いですね。
長いですが、大変興味深い内容でとてもいいですね。
読み終えたら読後感想なども描いてみようかと思います。

まずは宮城谷昌光さんの「史記の風景」。
司馬遷の「史記」は読んでいませんが、横山光輝さんの「史記」は読んでいます。
そして中国史小説の代表的な作者でもある宮城谷昌光さんのちょっとした史記時代のエピソードなどが短編としてたくさんあります。
多くの文献を参考にしながら想像力を駆使して中国古代史を小説として描いていく。
文字にすればそれだけに見えることですが、果てしない苦難だと思ってしまいますね。
もちろん創作者としてはそれ以上に興味も尽きず、苦難以上にやりがいのある仕事なんだろうと思います。
冒頭は「人知の宝庫」というタイトルで司馬遷の史記そのものに対するエッセイです。
宮城谷さんは「史記」という作品を絶賛しており、「汲めども尽きない英知がたたえられている」と書かれています。
紙が発明されていなかった時代に木簡や竹簡に書かれたもので52万6500字の超大作ですね。
歴史書「正史」としての価値もありますが、文学的な価値も高いとされています。
ここを読むだけでも「史記」というものはどういうものなのかある程度は把握できるのではないかと思います。
紀元前90年頃に完成されたという古代の文書です。
こういったエピソードというか、エッセイのようなものが100篇以上も収められている本です。
100篇以上となると分量としてはすごいのですが、1篇はそんなに長くないのでちょっとしたスキマ時間に読むのは最適です。
甲骨文字の話なども普段耳にすることすらないと思いますが、よく出てきます。
中学生の頃に授業で甲骨文字というものを知りましたが、なんかよくわからないまま、「古代のことだからどうでもいいか~」くらいに思っていましたが、それを学術的に研究して意味などを解き明かしていく、学問ってすごいなと改めて思いましたね。
「王のシンボル」という話では「鳴かず飛ばず」ということわざを例に出されていますが、なかなか成功しない喩えではなくもともとは違った意味があったとか。
わざと愚かなふりをして人の心を試すというのが本当の意味であると言っていますが、それだと全く異なりますよね。
鵬というのは巨大な鳥で王のシンボルでもあったのですが、その後竜に取って代わられるなどのエピソードも面白いです。
「逆鱗にふれる」ということわざは権力者の怒りを買うことですが、逆鱗とは竜の顎の下にある鱗のことを指すそうで、それに触れた者を竜が殺すと言われていたということからだそうです。
「天下三分の計」といえば三国志で後に蜀の軍師となる諸葛亮が三顧の礼でもって招かれた際に劉備に説いたとされていますが、実はオリジナルは史記の時代にすでにあったというエピソードです。
楚漢戦争期に説客である「蒯通」が三国志の時代の400年前に明言していたとのこと。
項羽と劉邦が覇を争った時代に、韓信に王となって天下を三分することを強く薦めたということですね。
韓信は戦の天才でしたが、政治には疎く、大軍を預けてくれた劉邦に感謝の気持で味方したわけで、項羽が片付いた後は誅殺されるんですけどね。
「いけにえ」ではギリシャ時代のいけにえと中国のいけにえも比較しながら、いけにえにされる動物にもランク付けがあったというのが面白かったですね。
牛が一番上で、次が羊。なぜそうなのか?という点に関してはおいしいから。
そして角があるからという点ですね。
「大うつけ」の話では織田信長が実は史記などを読んでいて、それを実践したのではないかという大胆な内容でした。
「父と亜父」でも信長と足利義昭の関係で三好松永に追われた足利義昭が信長に当初は感謝の意を込めて「亜父」と読んだのですが、「亜父」の代表格が項羽の軍師にあたる范増だったという話です。
劉邦がいかに卑賤の出であったのかを語る「謎に包まれた劉邦」というエピソードも面白かったです。
司馬遷も調べて見たけれど、親戚筋のことがどうやってもわからないので「不知(しらず)」と言ってさじを投げたなんて面白いですよね。
自らを「管仲・楽毅」に例えたとされる諸葛亮孔明。「諸葛孔明の『史記』」のエピソードでは諸葛亮が以下に節義の尊さを重んじていたのか?というのが「史記」から学んだとしています。
「呂后の殺人」「呂后の治世」という2つのエピソードは劉邦の妻、呂雉の話です。
中国史の中でに収まらず悪女の代名詞ともされる呂雉ですが、その仕打ちのえげつなさに若い皇帝は心を病んで死んでしまうほどです。
しかしながら彼女の時代は天下泰平で治世としては成功していたという評価。
一体どちらが本当の呂雉なのででしょうか。
このような面白いエピソードが満載なのがこの本ですね。

もう一つが「三国志入門」。
こちらも宮城谷昌光さんの本ですが、本当は「三国志」を読めばいいのかな?とも思いますが、読み出すと多分他の本が読めなくなりそうな気もします。
とにかく長いですからね。
演義ベース、つまり蜀、劉備を主人公にした作品はもういいのかな?と思っています。
それよりも正史、魏つまり曹操側から描いた作品が読みたいですね。
ともあれ、「三国志入門」もエピソードがたくさん入った内容です。
史記よりは知識がある分とっつきやすかったですね。
また第1章から第6章まで分けられていて、わかりやすかったですね。
第1章 三国志演義の世界
第2章 三国志の時代
第3章 英雄たちの真実
第4章 手に汗握る名勝負
第5章 三国志のことば
第6章 英雄たちの後の三国志
第3章がメインなのでしょうか、有名な武将ごとにエピソードが取り上げられています。
曹操、袁紹、劉備、孫権、諸葛亮、董卓、呂布、関羽と張飛、劉表、周瑜、荀彧となっています。
あれ?誰々がいない~という特定の武将ファンには残念ですが、仕方ないですね。
私なんぞ張遼がいないのがさみしいのですけどね。
張遼はバランスの取れた名将だと思っているのですけどね。
第4章も三国志ファンなら戦いの名前くらいは知っている内容ですね。
官渡の戦い、赤壁の戦い、夷陵の戦い、五丈原の戦いです。
本を読んでいなくてもゲームとかをやっていても登場する戦いの名前ですよね。
演義ではどうしても劉備が中心なので官渡の戦いなど簡単に終わっていますが、考えてみれば、曹操が大きく羽ばたくことができたのが官渡の戦いを制してからですから、赤壁の戦いと同格くらいの価値はあるのでしょうね。
魏と呉が争った「合肥の戦い」と魏蜀呉の三国が入り混じっての駆け引きが面白い「樊城の戦い」があればもっと良かったですね。ただ合肥の戦いは何度も行われているのでどれ合肥の戦い?というのがネタとして難しかったのかもしれません。
第5章も有名な言葉ばかりですが、知らないのもありました。
髀肉の嘆、三顧の礼、水魚の交わり、梁父吟、七縦七擒、出師表、泣いて馬謖を斬る、死せる諸葛、生ける仲達走らす、鶏肋、呉下の阿蒙。
梁父吟というのは知らなかったですね。
内容を読んでみて、小説のシーンは思い出せました。
「史記の風景」も「三国志入門」も小説ではなく、どちらもエッセイのようなものですが、中国史をベースとした歴史小説の大家ですので、とても濃厚な情報が多かったです。
面白かったですね。