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「正体」 染井為人 日本アカデミー作品賞映画の原作

画像はAmazonより

少し前に映画を見ました。
これはいい映画だな~と思っていたら、なんと日本アカデミー賞で作品賞、そして優秀主演男優賞(横浜流星)と優秀助演女優賞吉岡里帆、山田杏奈)、優秀監督賞(藤井道人)など12部門を受賞するなどとても評価の高い作品でした。
となると、原作を読まずにはいられなくなり、Amazonにてポチりました。

 

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原作は染井為人さん。
これまでいくつかの小説を読んでいますが、どの作品もとても面白く、エンターテイメント小説として高く評価されている作家さんです。
これまで読んだ小説も面白かったです。

 

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これまで3作品を読んでいますが、どれもとても面白い作品で、まさにハズレ無しと言い切って良いと思っています。

 

 



今回の作品も作者自らエンターテイメント作品とはしているものの、内容が内容だけに、単なるエンタメ小説にしておくのはもったいないほどの内容でした。
ただ、映画と原作は異なる部分があります。

原作から大きく変更してしまう映画はよくあります。
もちろんそれがすべて悪だとは思いません。むしろ改変して、それほど面白くなかった小説がとてもイキイキした作品となるということもあります。
映画と原作が異なるとはいえ、内容に違和感はありません。
(以下ネタバレにつながる内容があります。)

ただ、エンディングが異なるので、なんとも言えない読後感が残ります。
ドラマ版もあるそうですが、そちらは見ておりません。そちらともまた違いがあるのでしょうね。

映画を見た人は読まなくても良い、とまでは言いませんが、あの映画のエンディングで感動した人は、感動を返せ~と言いたくなるかもしれません。
登場人物は映画も原作もほぼ同じなのですが、一部設定が異なります。
例えば、映画版では、安藤沙耶香吉岡里帆)の父親が痴漢冤罪の弁護士(田中哲司)となっていますが、小説では痴漢冤罪の弁護士ではあるものの、安藤沙耶香とは関係のない人物です。
また、映画版では又貫刑事(山田孝之)の上司である川田(松重豊)は登場しません。
もう映画で見る松重豊さんがあんなに悪い男を演じるなんてショッキングでした。
ちょうど映画版の孤独のグルメで「あ~、腹が減った~」というCMとかが流れていても、「腹が減ったくらい我慢せい~!」と心のなかで叫ぶほど憎たらしかったです。

映画での又貫は、鏑木慶一が真犯人ではないことに気づき、上司の命令に従わず、自分の良心に従って行動する=正義の人となっていますが、原作は最悪の人物なのです。
つまりは又貫刑事こそ、この原作内では執拗に鏑木を追い詰める刑事であり、彼を亡き者にすることが彼の目的だったのです。
又貫は政府高官の息子であり、彼が関わった事件が誤認逮捕などではあってはならないわけで、そのために手段を選ばない卑劣漢なのです。
そのため、素晴らしい青年は冤罪によって命を落としますが、彼を通じて人生観が変わった人たち、つまり野々村や安藤沙耶香、そして酒井舞や痴漢冤罪の弁護士などにより、亡くなってしまった鏑木慶一の無実を訴える裁判を起こすという内容でした。

読んでいる途中はいくつか違いはあるものの、すごく面白く読めました。
しかし、エンディングの救いようのなさに愕然とした次第です。
これは原作を読んでから映画を見たほうがいいのかもしれませんし、そうなると映画がつまらなく見えてしまうのかもしれません。
ただ、やはり人間は希望(未来)がある方がいいなあ、という気持ちがあるので、映画版はそのように改変したことは良かったのか?と思います。

作者である染井為人さんは「あとがき」でお詫びとも取れることを書いています。
出版後、多くの読者から「鏑木慶一を死なせないでもらいたかった」という声が多かったと書かれています。
ドラマ版は見ていませんが、どうやら映画版と同じようなエンディングで、鏑木慶一は死なないようです。
どうやらこのエンディングには読者からの反響が強くて、ドラマ、映画化にあたって改変が行われたのでしょうか。
でも原作者の「あとがき」を読んでみると、染井為人さんの伝えたかったことも見えてきます。許されない冤罪だからこそ、理不尽で、悲しく、虚しいものだと感じます。
あんな「あとがき」を書くというのはものすごく言い訳っぽくも感じましたが、それだけ読者の心を強く動かしたということだと思います。
「あとがき」を読まなかったら、多分ものすごく嫌な気持ちが残ったでしょう。
でも作者の言いたかったことが文章で明記されていることで、理解できました。
それと同時に、そういう気持ちにさせる作家さんってすごいなあ、と素直に思います。
私は原作を読んで良かったと思っています。



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