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米と大豆とハナサカ娘のすべて ヤマダマコト

画像はAmazonより

何から書こうかな?と思いながら、先日読んだ本の書評というか、備忘録的なものですね。

新潟を舞台に多くの小説を手掛けているヤマダマコトさん。
KDP(キンドルダイレクトパブリッシング)でKindleで多くの作品が読めます。
こちらは久しぶりにヤマダマコトさんの本になります。
「天化シリーズ」や「山彦」などとは違って、特殊能力などは登場しませんが、新潟が舞台というのは同じです。
新潟市にある松浜という小さな町の老舗の味噌蔵「松沢欣一商店」が舞台です。
主人公は松沢欣一商店で営業をしている姫野。
自他ともに認める非モテ青年。
零細同族企業であるこの松沢欣一商店にベトナム実習生がやってきます。
そのうちの一人であるグエン・テイ・リン。
ベトナムでもかなり田舎の貧しい村の出身の彼女は不器用ながらも、 この松沢欣一商店で仕事を覚え、日本語を覚え、成長していきます。
それをそっと影から支えている主人公。
2年におよぶベトナム実習生リンが職場の事情で杜氏となり、糀、味噌づくりに携わるお話です。

主人公姫野の語りで物語は進行します。
冴えない若手営業マンの姫野には仕事に情熱があるわけではなく、趣味の小説書きにもっと時間を割きたい、あわよくばプロの作家として商業デビューを果たしたいと考えています。
彼が語る通り、垢抜けない同族企業ながら、その分ノルマもなく、ぬるーい職場です。
そんな古い零細同族企業ですが、突如としてベトナム実習生を職場にいれることになりました。
3人の若者。
一人はすでに日本で実習経験があり、日本語も堪能なトゥンという長身の女子。
もう一人はクォンという男子で、彼は松沢欣一商店ではなく同族企業である松沢建築のほうで鳶職見習いの予定。
そしてもうひとりはリンという女子ですが、彼女だけは家庭の事情で遅れてくることになり、営業兼雑用係の姫野が彼女を迎えに行くことになります。

有限会社松沢欣一商店は、明治時代から続く老舗の味噌蔵で、地元では愛されているものの、現実は味噌だけでやっていけるような業態にはなっていません。
むしろ片山商店という漬物屋の下請けとしての仕事が売上の大半を締めていて、「片山商店松浜支店」のような状態でもあるのです。
会社のメインの商材は味噌であるはずなのですが、現実的に売上では会社のお荷物状態となっています。
そんな松沢欣一商店で杜氏を勤めるのは社長の弟のユタカさんこと松沢豊。
その一番大切な「伝統」を守っているユタカさんが、杜氏を辞めることになります。
それまでもユタカさんは、社長の弟であるにも関わらず、優遇されているどころか、むしろ雑用係として軽く見られており、自分の居場所がここにない、自由にやりたいということなのでした。
急遽後任の杜氏として白羽の矢がたてられたのがリンでした。
リンはトゥンのように明るく器用ではないため、ちょっと扱いづらいところもありますが、真面目でうちに秘めた情熱があり、杜氏としての素養もあります。
しかし、ベトナム人という立場ではなかなかこの田舎では認めてもらえないことも事実なのです。


簡単なあらすじですが、平和そのものの零細企業での物語なのですが、いろいろなことがあるものです。
姫野の小説のファンも現れ、非モテの姫野にはついにモテキが?というちょっとした恋愛の展開もありますが、この小説はラブロマンスの比重は低いです。
でも青春時代とまでは言わないまでも若い人の淡い恋愛事情があったりもします。
ともあれ、エピローグまでちゃんと読むとホッとします。
出てくる人たちは基本的に良い人達が多いのですが、やっぱりちょっと意地悪なところもあって、すべてが思い描いた通りにいかないこともあります。
そういう小説なので、前半はちょっと退屈な感じがするかもしれませんが、ユタカさんが辞めて、リンが杜氏になってからがこの物語が大きく動き出すところです。
更には後半もっと大きな事件があって、彼女たちの立場が危うくなってしまうのです。
そこからの展開はどんどんボルテージが上がりますね。
主人公の姫野がとても良い人間で、自分のずるさも自覚しつつ、冷静に周りの人を観察して描いています。

作者のヤマダマコトさんは、こちらの小説の原案はかなり昔に書いたもので、それをベースに色々と変更して仕上げたものらしいです。
となると、この姫野って主人公はヤマダマコトさん本人のこと?なんて思ったりもします。

こういう作風の小説もあるんだという気がしました。
とても読みやすくて、読後感も良かったです。
他の作品もまた読んでみようと思います。

 

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