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「一緒に地獄に落ちてあげる」狼少女はそう言った あまひらあすか

画像はAmazonより

ジャンルとしてはファンタジーで、ライトノベルということになるのでしょう。
小説エブリスタというサイトで読める小説。
そしてこのエブリスタというサイトは自由に小説を投稿できるそうで、プロを目指す作家の卵や趣味で小説を書いている人たちには知られた存在(だそうです)。

私は全然知らなかったのですが、Kindle Unlimitedで見かけて、評価も良さげだったので読んでみました。

これは素敵なお話でしたね。
ファンタジーですし、狼少女が登場するとなるとちょっとタイトルだけで斜に見てしまう人もいると思いますが、なかなか読み応えもあり、考えさせられる部分もあります。
通勤のときなどの合間に読みましたが、できれば通して読んだほうが面白いと思います。

 

登場人物

ノゾミ
この物語の主人公。
親兄弟のいないみなしごで、貧しいながらもみなしごたちといっしょに暮らしている少女。
まだ幼く、女性というよりは子ども。
ある時をきっかけに人狼となり、仲間、家族と思っていたみなしごたちから追い出され、役人たちから処刑を言い渡される。

シエン
かつての神聖帝国の聖騎士団の団長。
死ねない聖騎士が死ぬための場所を探す旅を続けている。
とてつもなく強大な力を持ち、現在失われた魔法も使える人物。
この物語のもう一人の主人公。

イブル
シエンと同様、神聖帝国の聖騎士団の一員だった男。
彼も不死身なのだが、聖騎士の最後の姿に怯えている。
この街でみなしごたちの面倒を見るなど善人だが、徐々にその時は近づいている。


簡単なあらすじ

現実の世界とは全く異なる世界で、かつて魔法というものが身近にありました。
魔法はその力から戦争で使われ、戦争は魔法の技術をどんどん進歩させました。
そして幾多の戦争を経て、世界は荒廃し、廃墟と生体兵器であった魔物たちが溢れている状況。
わずかばかり生き残った人間は砦の中でなんとか生きながらえているという状況でした。
魔法は悪。
魔法使いも悪。
魔法の落とし子たる魔物も悪。
人々の意識は魔法を忌み嫌い、理解せず、忘れ去られていきます。
理解する人間がいなくなったので、魔法や魔物は余計に恐れられるようになっていったのでした。
名も無い浮浪児の少女はみなしごたちたちと肌を寄せ合って生きています。
彼女たちみなしごには行き場がありません。
浮浪児の少女は突如、人狼となり、家族同様だったみなしごたちのコミュニティからは追放。
そして大人たちに引き渡され、処刑されることになりました。
そこに一人の男が現れます。
男と言っても全身鎧に覆われた騎士ですが、彼は「罪のない少女」の代わりに処刑を受けるというのです。
鎧男は断頭されるのですが、死にませんでした。
彼は死ねない聖騎士。
もう死ぬ場所を探し続けて長い時間が経過しています。
鎧男の名前はシエン。
彼は救い出した少女に名前を授けます。
この日から少女はノゾミという名前の少女となったのです。
旅を続けるシエンは、ノゾミが健やかに過ごせる場所として、かつての部下であったイブルのところへ行きます。
イブルもシエンと同様に全身鎧に包まれた男です。
彼はこの街でみなしごたちの面倒を見ているのです。

シエンとイブル。
かつては神聖帝国の騎士であり、シエンはその隊長でした。
イブルたち部下もシエンとともに世界を旅していましたが、疲れ果てたのか、シエンと別れてこの街に定住しています。
死なない聖騎士であるシエンたちで、神聖帝国は無敵のはずでした。
しかし帝国そのものが滅んでしまい、彼らは戦う意味を失い、聖騎士団は瓦解。
神聖騎士には肉体はなく、死ぬことができません。
しかし永遠ではなく、その最後はとてつもなく恐ろしいことだったのです。
シエンはそうなる前に死をもたらしてくれる場所、「地獄」を目指すのです。

シエンはノゾミをイブルに預けて再び旅に出ようと考えています。
しかしノゾミはシエンと離れたくはありません。
そんなときにノゾミをこころよく受け入れてくれたはずのみなしごやイブルの「発作」を知るのです。

結局シエンとノゾミは「地獄」へ一緒に向かうことになるのです。

感想

最初の章は、断頭台の狼少女というタイトル。

-「百年前」、という概念よりも、もう少しだけ昔の話。

魔法というのは、世界に落ちて当たり前でありふれた、普遍的な技術であった。


こういう語りから始まります。
その後少し読み進めると、貴志祐介さんの「新世界」のようなストーリーかな?と思いつつ、似ているなあ、と思ったのが、「魔導の系譜」「魔導の福音」という佐藤さくらさんの小説です。
「魔導の~」はとても面白かったのですが、忌み嫌われている魔法は存在し、そして魔法はやはり国家間の争い事に使われ、悲惨な状況を作り出すという点で、大きな広がりがあるストーリー。

 

tails-of-devil.hatenablog.com

 

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今回読んだ小説でも魔法は忌み嫌われ、忘れ去られた技術として存在しているという点では似ていますが、国家間の争いなど政治的な内容は一切ありません。
ただ、行き場を失った少女と「死ねない」聖騎士の心通わせるヒューマンストーリーです。
登場人物は上記の3人以外にも出てきますが、基本的にはシエンとノゾミの旅の物語です。
魔法が使えるシエン、圧倒的な能力を持つシエンのおかげでノゾミは生まれてこれ以上ない幸福感に包まれている旅ですが、「地獄」への道はとてつもなく過酷。
そしてそれに備えてシエンはきちんとノゾミを教育し、ノゾミもシエンと一緒に「地獄へ落ちる」というストーリーなのです。
たった二人の人間の物語であり、とてもシンプルなストーリーなのですが、人間の命に付いて考えさせられる物語でした。
そして人間のエゴ、身勝手さ、愚かさというのが、これでもか、というくらい描かれています。
これはファンタジーであり、時代も世界も現実ではありませんが、行っていること、考えていること、あるいは状況などはそのまま現実世界です。

最近はRPGにも料理の画像、映像や料理そのものがサブクエストになっているものが増えました。
この小説でもかなり変わった料理が登場します。
もちろん画像や映像は一切ありませんが、しっかりと描かれたシーンは、サバイバルをしている不思議な二人組が仲良く食事をしている情景を思い浮かべることができます。

ファンタジーが好きな人はもちろんですが、興味がない人でも読んでみると印象が変わると思います。
おすすめですね。




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