
劇場で、この作品の映画の広告がありました。
なんとなく地味で、若い人が出ている映画、そんなイメージしかありませんでした。
嘘をつきましたね。
浜辺美波さんが出ている映画で、相変わらず可愛らしい人だなと思いました。
映画の広告が終わって、映画を見たあとは、そんな記憶もかき消されてきたのですが
Kindleでこのタイトルを見たときに、呼び起こされ、読んでみようかな?と思いました。
この本は、なかなか面白い作品でしたね。
登場人物
波多野祥吾(はたのしょうご)
主人公的な立ち位置。
立教大学経済学部
人事部長 鴻上(こうがみ)
スピラリンクス人事部の部長
いわば6人の就活生の生殺与奪権を持つキーマンでもある
嶌衣織(しまいおり)
早稲田大学社会学部。
飲食店でアルバイト。
控えめだが芯が強く、しっかりと周りを見極める能力に優れる
九賀蒼太(くがそうた)
慶応大学総合政策学部。
慶応ボーイという言葉があまりにもハマりすぎるほどのイケメン。
リーダーとしての能力が抜き出た存在。
袴田亮(はかまだりょう)
明治大学の元高校球児。
身長187センチの立派な体格でまさにスポーツマン。
明るく快活でチームのムードメーカー。
矢代つばさ(やしろつばさ)
お茶の水大学の女性だが、すれ違うと誰もが振り返るほどの美人。
海外旅行が好きで、交友関係がとても広い
森久保公彦(もりくぼきみひこ)
一橋大学。
イケメンとは程遠い地味で目立たない存在ながら、分析能力に優れた人物。
あらすじ
近年急激に伸びてきたスピラリンクスという会社。
その会社には若者が憧れる「仕事」「職場」があり、就活生にとって、そこの社員になるための熾烈な選考を勝ち抜く必要があります。
そんな中、いくつもの選考を経て残った6人の就活生。
どのメンツも非常に優秀な人物ながら、お互いにライバルという存在でもあります。
そんな中、選考を握る人事部長の鴻上は、6人に対して、全員合格もありうるという言葉とともに6人のグループディスカッションを課題とします。
しかし、選考日の直前にやはり6人の採用は見送ることになり、1名のみの採用とすると告げられます。
そして6人のグループディスカッションは誰が内定者にふさわしいか、という議題となりました。
6人全員の内定を目指して互いに高めあった仲間でしたが、生き残れるのはたったの一人。
そんな中、最終的なグループディスカッションが行われることになります。
しかし、不審な封筒があり、それを開封したことにより、これまで表の顔は非常に綺麗だった人物の裏の顔が見えるようになってきます。
まず、最初の犠牲者は快活なスポーツマン袴田。
彼は高校時代は野球部のキャプテンとしてチームを引っ張る存在でしたが、あまり大声で言えない暗い過去があったのです。
そして2番目の犠牲者はイケメン慶応ボーイの九賀蒼太。
彼にもまた誰にも知られたくない過去があり、それが明るみに出れば間違いなく内定は外れてしまう。
6人の就活仲間から一転して殺伐としたグループディスカッションになります。
こんなことを仕掛けたのは一体誰なのか?
感想
6人の就活生が内定を目指して活動するお話です。
スピラリンクスという会社はまるでGoogleのような会社というイメージで描かれています。
たかが就職活動というには、大学生にとって就職とはそれくらい重いものなのでしょう。
私には就職活動の思い出があまりありません。
この小説に登場する学生さんたちのように、この会社に入って仕事がしたい~という強い思いもなく、なんとなく就職してなんとなく辞めてしまったなあ、という感じ。
結局6人のうち、内定をもらえたのは一人で、それ以外はみんな人生に絶望してしまったのか?というとそうでもないんですね。
この小説では、2つの時系列を巧みに使っています。
一つは就活当時のこと。
特に最終選考のグループディスカッションがメインとなります。
そしてもう一つは、内定者による当時の就活生たちへのインタビュー。
登場人物は一人を除き、それぞれ自分の仕事を見つけて、そこで働いています。
スピラに就職した人も新人の選考をする立場になり、面談をするのですが、当時就活生だった自分の過去を考えながら、葛藤していく姿も描かれています。
ネタバレになりますが、主人公的な立ち位置と表現した波多野こそが内定を射止めたと思われるかもしれません。
彼は最終選考で選ばれるかどうかという際どいレースの当事者でしたが、結局は辞退したということになるのでしょう。
就職活動という人生にとっては本当に短い時間に過ぎないことなのですが、人間が人間の本質を見極めてふるいにかけるという異常さ、狂気を感じる小説でした。
分量的にも結構読み応えがあります。
ミステリーとなっている部分も人が死んだとかそういう大事件ではないものの、読者としては気になって仕方がないところ。
ハラハラしながらもちゃんと明かされます。
映画にもなっているので、見てみたいところですね。