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ふたたび嗤う淑女 中山七里

画像はAmazonより

嗤う淑女という小説で、稀代の悪女を描いた中山七里さんの作品、第2弾ですね。

この本の目次

一 藤沢優美

二 伊能典膳

三 倉橋兵衛

四 咲田彩夏

五 柳井耕一郎

エピローグ

あとがき漫画 松田洋子

登場人物とあらすじ

藤沢優美は「女性の活躍推進協会」というNPO法人で働く事務局長。
なんとか有能な自分を売り込んで、柳井耕一郎代議士の秘書になるのが彼女の夢でした。
彼女の目の上のたんこぶとして柳井代議士の政策秘書の咲田彩夏がいます。
彩夏は優美よりも若く、経歴でも叶いませんが、政治活動を支えるお金で自分がいかに大切な人間であるかを示していきたいのです。
このNPO法人というのが女性の人権向上のために設立されたものですが、藤沢優美にとっては女性の活躍なんてものは、どうでもいいことで、彼女はただ代議士の柳井に認められたいだけなのです。
彼女のそばにいるのが神崎亜香里で、3ヶ月前にこの事務局に採用になったばかりの女性。
30歳くらいだが、よく気がつく女性で優美にとってはなくてはならない存在。
しかしこの事務所も今や柳井の資金源と言うには収支状況が奮わない状況になっており、事務局長として柳井に覚えめでたくありたい優美はこの状況にストレスを抱えています。
亜香里はFXという投資と野々宮恭子を優美に紹介します。
投資ではなく投機、つまり博打のようなFXに対して優美は信じていませんが、紹介された野々宮恭子の魅力に取り憑かれ、信じ込んでしまいます。
自分のお小遣いでものすごいパフォーマンスでのリターンを経験し、優美は、NPO法人向けの貸付金に手を染めていきます。

奨道館という新興宗教の中では割合大きなところになる組織で、ナンバー2である副館長を努めている伊能典膳
伊能典膳の狙いはトップの館長の座ですが、そこに居座るのは不倶戴天の敵である稲尾館長です。
教団の経営がうまくいかない稲尾は伊能のミスに付け込んで失脚させようとしているのか、伊能のストレスは溜まる一方です。
奨道館は与党議員の後援会を信者として入会させることを条件に信者を議員の票田とする取引によって大きく信者数を伸ばしましたが、ここのところは伸び悩んでいます。
しかし、信者数が頭打ちになったとて、財政難に陥っている原因は稲尾の拡大路線による多額の借金とその返済であり、逆に伊能にしてみれば、稲尾館長こそその責任があると考えています。
稲尾は教団の20億円もの巨額の借金に対して、すぐに方策を出すように求めるのでした。
伊能のそばにいたのは稲尾館長の侍女として抜擢された神崎亜香里。
亜香里は窮地に立つ伊能副館長に力添えできるかもしれないと、野々宮プランニング・スタジオを紹介します。
野々宮恭子からの提案は教団の書籍出版による収入の提案でした。
信者向けの本は一種のお布施のようなものであり、確実に儲かる商売であることを革新します。
そしてその功績を手土産に稲尾を館長から引きずり下ろして自分が館長になるという野心もあるのでした。

柳井耕一郎代議士の後援会の会長は先代の柳井幸之助時代からの人物である倉橋兵衛
倉橋は先代の幸之助と比べて2代目のボンボンの耕一郎のことはあまり良く思っていません。
いつもよく顔をお合わせるのは柳井耕一郎の政策秘書咲田彩夏ですが、若くて魅力的な議員秘書を持つ2代目のボンボンがどうにも好きになれないのです。
彼は若い頃、学生運動に身を投じた人間でした。
柳井幸之助の後援会長になった頃、往年の政治への熱い思いが蘇ったのです。
父の幸之助はなかなか骨太な政治家で、彼は柳井幸之助という政治家の神輿を担ぐだけで良かったのですが、息子の耕一郎にはそういう思いがなく、「あんなボンボンに務まるくらいならワシのほうがよほど適正がある」とずっと思っているのでした。
柳井事務所の後援会長は倉橋ですが、最近入ったばかりの後援会の人間に久津見という男がいました。
倉橋は彼に好印象をもっているのです。
久津見が柳井耕一郎の後援会に入った本当の理由は知らないまま、倉橋は議員になるという夢を実現させようと動き出します。
そこに柳井耕一郎のスキャンダルが発覚。
マスコミには漏れないように後援会長として動きますが、相手はよりによって秘書の咲田彩夏でした。
嫉妬心とともに爆発しそうになる怒りが彼を議員の道へと突き進ませます。
それが野々宮恭子の差し金であることも知らずに。
最後に登場するのはラスボスということでしょうか。
若手の二世国会議員の柳井耕一郎です。
世間ではスマートで知的な印象。
しかし、野々宮恭子によって、大切な資金源であるNPO、そして票田でもある宗教法人、更には自身の選挙区をガッチリと固めている後援会に加えて、公的なことからプライベートなことまでそつなくこなしている秘書と、彼を支えている人材が一つずついなくなっていきます。
それはまるで本城を落とすために一つずつ砦を攻略しているようです。
最後を飾るのは柳井に近づいた久津見という人物。
彼には柳井と刺し違える決意があるのです。




感想

この小説のシリーズの楽しみの一つにあとがき漫画があります。
前作にも巻末にありました。
そして次の作品でもしっかりとありますが、なかなか面白くてニヤリとしてしまいます。

さて今回は前作で蒲生美智留は裁判で大どんでん返しがあり、野々宮恭子

タイトル通り5人の被害者が餌食になります。
前作は1話ごとに被害者が違っていました。
今回も5つに分かれているので別の話だと思っていたら、全部つながってくるのです。
そして中山七里さんのお家芸とも言える大どんでん返しがちゃんとあって、それがたまらないという人には本当に美味しい展開となっています。
これはフィクション、小説ですが、創価学会統一教会、議員と秘書のただれた関係やら、もう不祥事のデパートのような小説で賑やかです。
資金団体としてのNPO法人とか、怪しさが満開です。
さらには2代目ボンボン議員の柳井耕一郎がまた最低最悪の人間で、彼への復習をするために命をかけた人物も登場します。
それを利用するのが「嗤う淑女」なんですけどね。
今回は蒲生美智留という名前はほとんど出てこず、野々宮恭子の名前がずっと表に出てきます。
しかし、今回の主人公すら大どんでん返しのネタにしてしまうところがまた中山七里さんらしいなあと思いますね。
1作目の「嗤う淑女」も面白かったのですが、2作目の内容もぶっ飛んでいます。
1話ずつ別の話のようでつながっていて、最後の最後に収斂していく。
ラスボスはやはり代議士でしたね。
これ以上書くと完璧にネタバレになるのでやめておきましょう。

この作品から読むよりは前作を読んでいたほうがいいですね。
前作がやはり稀代の悪女を登場させたというインパクトがありますが、2作目はそれがスケールアップした感じです。
エンターテイメント小説として大変面白い作品ですね。

 

tails-of-devil.hatenablog.com

 

3作目も読みましたので、いずれブログで紹介したいと思います。




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