今邑彩の推理小説。
鏡の中に消え去ったような殺人犯。謎の密室殺人事件。
最期まで読んでしまえばこれらのトリックがわかり、なーんだということになる。
そんなに複雑なトリックではない。
しかし登場人物の過去などが絡みあい、小説家である被害者の作品がまたいっそう鏡の中から殺人者が現れて消えていったようにい思わせる、そこが面白い作品。
初めから終わりまで飽きることなく楽しめた。
謎の密室殺人はひょんなことから発覚し、共犯者である人物から自供。謎はあっけなく明かされ、事件は解決を見る。
ここまでが普通のパターン。
しかしこの小説には更に真相があった。
果たして其の部分があったほうが良かったのかどうか。
もちろんひねり、最期のオチという点ではこの作品を更に面白いものにしているが、やっぱりかなり無理しているなあという気がする。
父と母、そして殺された新人小説家の子供時代。
経済的にも恵まれていた家庭に波紋を起こしたのは母の妹。母の妹が連れてきたアイという名の同い年の少女。
母と妹は年子でまるで双子のようによく似ている…。
結局真相は母を殺し、母にすり替わった妹ということ。
うーん。面白い設定なのだが、やはりこの設定自信に無理があると感じて違和感を感じてしまった。
その手前の女性作家の夫の真相自供までは納得できるけれど、そこから先はやっぱりどうもこのホンの説明では納得出来ない。納得出来るだけの説明ではなかったような気がする。
それでも面白い作品であるのは確か。
- 作者: 今邑彩
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2010/12/18
- メディア: 文庫
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