クロエ・グレース・モレッツの出演作ということでもないが、「キャリー」を借りてきた。原作はスティーブン・キングでブライアン・デ・パルマ監督の名作ホラー映画のリメイク作品。
ブライアン・デ・パルマ監督の作品は見ていないが、このたぐいの映画の話題だと必ず出てくるほど有名な作品。
今回の作品も完全なリメイクというほどストーリーは同じらしい。前回作を見ていないので評価できないが、今回の作品を見る限りホラー映画としてどうなんだろう?と思うほど怖くない映画だった。
怖いのはキャリーではなく、キャリーの母親。あの表情、雰囲気、セリフがどれも気持ち悪い。あの家であの母親に育てられたらさぞかしおかしな子供に育つんだろうと思う。キャリーがいじめられる原因の一つには母親の育て方に問題がある。もちろんキャリーの恐るべき能力を抑えるためにそうしてきたのかもしれないが、かえって抑えてきたパワーが一気に噴出してきたのではないかとも…。
主人公キャリー役が怖くない。それは可愛すぎるからだと言われているが、まさしくそう。もっと悲壮感のある、見ていて痛々しい女優のほうが良かったと思う。そういう雰囲気を出そうと勤めているクロエの演技は大したものだが、彼女の演技力でも怖さ、気持ち悪さは出せない。そこは母親役のジュリアン・ムーアの足元にも及ばない。彼女はこういう映画にはもってこいの俳優、はまり役なのだろう。
性を罪悪と考える彼女はまさしく狂信者で、娘のキャリーを出産した直後に殺害しようとした。あんな母親に育てられれば、卑屈で歪んだ人間に育つのは間違いない。原作に忠実だったのかもしれないが、母親の子育てのシーンなりがあればもっと怖い作品になっていたのかもしれない。
原作でもホラー部分の担当は母親だろう。彼女は狂っている。正常な女性としての成長を憎む異常者であり、娘をいびつな正確に育て、いじめられる原因を作っている。
この作品でいじめ担当のクリス。彼女のようなタイプの女学生はたくさんいると思う。最終的にキャリーの怒りを浴びることになる。彼女の最期は衝撃的だが、まあお約束である。
それよりもキャリーへの贖罪のために、恋人のトミーに協力を依頼したスーが実は一番の罪なのかもと思ってしまう。彼女は小学生の頃からクリスと一緒にキャリーをいじめていたらしい。ただ、生理に怯えるキャリーを笑い、動画を撮影して投稿する行為は行き過ぎだと反省する。
普通に詫びればよいのにどうして彼氏に根回しして、キャリーをダンスパーティに誘うように仕向けたのだろうか。お詫びしたい気持ちがあれば素直に謝るのが一番である。怒っているお客様にお詫びの言葉の前に商品券を渡すとか、返金するとかかえって火に油を注ぐことにもなりかねないが、スーがやっているのがこういうたぐいのことではないかと思ってしまう。
まどろっこしい。
かわいそうなのはスーの彼氏のトミーである。全く非の打ち所がないほどの好青年。こんな人間が死んでしまうなんて。まあ、殺したのはキャリーではなかったのが救いだが。
この作品には父親が登場しない。父親はいたのだろうか?と疑問に思っていた。念動力が登場するのだから突然生まれてきた子供がいても不思議ではないと思っていた。
スティーブン・キングの原作では父は存在していたが、母親は捨てられたことになっているらしい(読んでいないので細かい点は知らない)。
そういう情報を元に考えると最も罪深きは母親であり、主人公キャリーは精神異常者である母親に育てられた不遇の子供。本当は健気で真面目に前を向いて生きようともがいている若い女性の一人にすぎない。
結末を見るとなんとも言えない後味が残る映画。
ホラー?ではないな。
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