筋トレを続けているうちに、
少しずつだけど
「筋肉がついてきたかもしれない」
そんな感覚が出てきた。
すると、欲が出る。
もっと、筋肉をつけてみたい。
ちゃんとした”体”を、作ってみたい。
ふと頭に浮かんだのは、
あの日、ボディメイクコンテストで見た
あの、かっこいい体だった。
あんな体になれたら、
どんな気持ちになるんだろう。
そんな思いから、
私は筋肉のことを、いろいろ調べ始めた。
そこで知ったのは、
筋肉は、脂肪の下にあるという当たり前の事実。
脂肪がある限り、
どれだけ筋肉を育てても、表には出てこない。
そしてもう一つ、
衝撃だったことがある。
ボディビル選手は、
筋トレの人ではなく、ダイエットのプロだということ。
筋肉を見せるために、
徹底的に脂肪を落とす。
じゃあ、
ボディビル選手の食事を参考にしたら、
かっこいい体に近づけるんじゃないか。
そして、私は
「除脂肪」という言葉を知ることになる。
脂肪を落とすこと。
それは、筋肉を削ることじゃない。
育てた筋肉を、
ちゃんと”見える状態”にすること。
ここから、
私の食事管理は大きく変わっていった。
除脂肪って、なに?
「除脂肪」。
簡単に言うと、
脂質を抑えた食事を意識すること。
筋肉を残したまま、
体についた余分な脂肪だけを落としていく。
そんな考え方だ。
私が最初に参考にしたのは、
食事管理アプリだった。
痩せるためのカロリー計算。
食べたものを記録していく方法は、
いわゆるレコーディングダイエットに近い。
でも今回、
それ以上に大事にしたのがPFCバランス。
カロリーだけじゃなく、
タンパク質・脂質・炭水化物の割合。
ここを整えることを意識した。
とはいえ、
いきなり完璧なんて無理。
最初はアプリの案内に従って、
「これならできそう」
そんな軽い設定からスタートした。
ーーけれど。
この食事管理、
最初の1か月、体重は全く減らなかった。
これが、
50代のダイエットの壁だった。
SNSを見れば、
「1か月で○○kg痩せました」とか
「これ食べて、痩せちゃいました」なんて
よくみかけませんか?
あれ見てへこみました。笑
カロリー減らしても、全く減らない、
そんなことある?!ってね。
しかも、
長年不摂生してきた私が、
お菓子や揚げ物の誘惑に
そう簡単に勝てるわけがない。
3日気を付けて、
食べたい欲に負ける。
そんな三日坊主。
それでも、やめなかった。
「減らなくてもいい。
増えなきゃOK」
そんな軽い気持ちで、
三日坊主ダイエットを
続けることにした。
すると、
1か月を過ぎた頃。
少しずつ、
体重が動き始めた。
遠回りに見えても、
50代の体には、
このペースが必要だった。
体の声を聞くようになった
食事管理を始めてから、
私は「何を食べたか」だけじゃなく、
食べた後の体の反応を
意識するようになった。
食べ過ぎた後、
胃がもたれる食べ物があったら、
「あ、これは私に合わないんだな」と思う。
逆に、
量は食べたのに、
なぜか満たされた感じがしない食べ物もある。
「あ、これは食べても無駄なんだな」
そうやって、少しずつ切り分けていった。
食べて、
心が満たされる。
「ちゃんと食べた」という感覚が残る。
そんな食べ物を、
意識して選ぶようになった。
ダイエットで、
いちばんの敵はストレスだと思っている。
ストレスが溜まる。
ドカ食いする。
自己嫌悪して、
ダイエットをやめてしまう。
そんな流れだけは、
どうしても避けたかった。
だから私は、
脳を騙すことにした。
「ダイエットしている」と
脳に気づかせない。
我慢している感覚を、
できるだけ作らない。
そのために、
食べて美味しい物の、
ちゃんと満足感のあるものを
選んでいった。
もちろん、
低脂質で、高たんぱくな食べ物を中心に。
体重より先に、変わったいたもの

体重は最初の3カ月で
ゆっくり、〇kgくらい。
正直、
「すごく減った!」
という感じではない。
でも、
なんとなく体が軽い。
気持ちも、少しスッキリしてきた。
……気がする。
「してきた?」
「してきたよね?」
「してるんだ!」
そんなふうに、
自分に言い聞かせながら、
大丈夫、大丈夫。
継続、継続。
ひたすら、
三日坊主ダイエットを
続けていた。
そんな頃、
会社の健康診断があった。
健康診断では、
前回より体重に変化があると、
「これで、あってますか?
体調、大丈夫ですか?」
と確認される。
私は、ニコニコで答えた。
「健康です!」
ちょっと、
嬉しい瞬間だった。
その時は、まだ気づいていなかった
ちょっとだけ、
スッキリしてきた自分の体を見て。
もっと筋トレして、
もっと引き締めたい。
もっと、痩せたい。
そんな気持ちが、
自然と湧いてきた。
不思議なことに、
ここまで食事管理に
ほとんどストレスを感じていない。
今までみたいな
「ダイエットしてます!」
という感覚が、ない。
だって、
食べたいもの、
美味しいと感じるものを選んで、
ちゃんと食べているから。
お肉も、ご飯も、野菜も、
デザートだって食べている。
それなのに、
体は少しずつ、痩せていっている。
もしかして、私。
もっと、もっと先に行けるのかも。
そんな思いが、
ふと頭をよぎった。
このときの私は、まだーー
自分がボディメイクコンテストを
目指す体になろうなんて、
思ってもいなかった。