
国々の参詣《さんけい》者が多かった。
大和守《やまとのかみ》の妻も来た。
その派手な参詣ぶりをうらやんで、三条は仏に祈っていた。
「大慈大悲の観音様、ほかのお願いはいっさいいたしません。
姫君を大弐《だいに》の奥様でなければ、
この大和の長官の夫人にしていただきたいと思います。
それが事実になりまして、
私どもにも幸福が分けていただけました時に厚くお礼をいたします」
額に手を当てて念じているのである。
右近はつまらぬことを言うとにがにがしく思った。
「あなたはとんでもないほど田舎者になりましたね。
中将様は昔だってどうだったでしょう、
まして今では天下の政治をお預かりになる大臣《おとど》ですよ。
そうしたお盛んなお家の方で姫君だけを地方官の奥さんという
二段も三段も低いものにしてそれでいいのですか」
と言うと、
「まあお待ちなさいよあなた。
大臣様だって何だってだめですよ。
大弐のお館《やかた》の奥様が
清水の観世音寺へお参りになった時の御様子をご存じですか、
帝《みかど》様の行幸《みゆき》があれ以上のものとは思えません。
あなたは思い切ったひどいことをお言いになりますね」
こう言って、三条はなお祈りの合掌を解こうとはしなかった。
九州の人たちは三日 参籠《さんろう》することにしていた。右近はそれほど長くいようとは思っていなかったが、
この機会《おり》に昔の話も人々としたく思って、
寺のほうへ三日間参籠すると言わせるために僧を呼んだ。
🌺🎼#Petals of lotus written by #こおろぎ
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