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コンビニで癒されたいけど、そうもいかない日だってある

コンビニで癒されたい。

気づいたらめちゃくちゃ疲れていた、金曜日。

子ども二人があれよあれよと発熱し、心配したり小児科に連れて行ったりバタバタと一週間が走り去った。なんだかとっても癒されたくて、ふわ〜っと埃のようにコンビニに吸い込まれる。

何でもある、魔法の空間。

私はコンビニがふつうに好きで、コンビニスイーツも全然好きで、自分一人のお昼に担々麺もよく食べるし、ちょっとした潤いにしろ生活必需品にしろ、何度助けられたかわからない。

その日もウキウキと棚を見て回る。なんかあれ、なんかあって欲しい!

しかしない。そういう日に限って、不思議とヒットするものがない。何でもあるのに、何にもない。それがコンビニというミラクルな箱の不思議である。

文房具の棚。このノートにいろいろ書いたら人生変わるんじゃないか、みたいな壮大な夢を見させてくれる地味なノート。しかし家にはもうお気に入りの手帳がある。

スイーツの棚。どれも普通に美味しそうだけど、家には限界的に茶色くなったバナナが3本待っている。私は彼らをケーキにするスペクタクルな任務を負っている。

お弁当の棚。夫が在宅のためちゃんとした昼ごはんを5日連続で作っている。頼まれてない。このお弁当を買っていっても全然喜ばれるだろう。でもなんだろう、干物を解凍してあるし昨日の味噌汁も残っているし!

本の棚。コンビニに売っている本といえば料理とお金とダイエットで、実用に120%振っていて、ちょっと違うの。いやそもそも、積読だってたくさんある。

花でも売っていたらなぁ。たまに花が売っているコンビニもあるけれど。24時間営業の花屋がそこらじゅうにあったロシアの街を思い出す。

仕方なく、卵と納豆だけ買って、すごすご名残惜しくコンビニを後にした。こういうことはよく起こる。卵、納豆、バナナ、豆腐。スーパーみたいな食料品の買い物をするだけ。この夢のミラクルボックスで!

帰宅し、部屋を片付け、食洗機と洗濯機を回し、昼ごはんを作る。解凍しておいた干物をグリルで焼き、オーブンで目玉焼きを作り、昨夜作った大根とキャベツの味噌汁を火にかけて温める。

やっと熱の下がった長男と、仕事を切り上げた夫と、三人で昼ごはんを食べる。注文できない地味ごはんと、再生できない今日を噛みしめる。出汁を入れないお味噌汁が好きだ。野菜の甘く優しい味が感じられるから。

最後にバナナたちをケーキに変える。いいかげんダメかも、触るのが怖い、まるでクジを引くようにそっと皮を剥いた焦茶色のバナナは、まだギリギリ大丈夫だった。よくやった、間に合った。

ボロボロになったレシピ帳

もう何十回も作っている馴染みのレシピで、グルグル混ぜる。バニラエッセンスを多めに振る。それは私にとっての子ども時代の幸福の香りで、もうすぐ幼稚園から帰ってくる次男が喜ぶ甘い匂いでもある。

オーブンでケーキが焼ける香りが家中に満ちていく。私の心も満ちていく。コンビニで癒されたいけど、カフェで癒されたいけど、買い物で癒されたいけど、そうもいかない日だってある。

自分で自分を癒した日。何十回目のバナナケーキはやっぱり美味しかった。

残ったケーキで、喜ぶ翌朝

Sweet+++ tea time
ayako

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