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特別な年となった2020年。変わりゆく街「吉祥寺」に思うこと

著: 月山もも

吉祥寺駅

社会人生活が始まると同時に吉祥寺からほど近い場所に住み、15年が経つ。

その間に3度転職し、職場は早稲田→渋谷→吉祥寺→渋谷と移ったけれど、引越しを考えたことは1度もない。

と言うと「よほど吉祥寺が好きなのね」と思われるかもしれないけれど、そういうわけでもないのだ。「住みたい街ランキング」常連の吉祥寺だけど、住む前も今も「吉祥寺が好きだ」という思いは、特にない

そんなだから2020年の4月、吉祥寺に閉じ込められることになったときは、正直「勘弁してくれよ」という思いしかなかった。けれど、こんなに長い時間吉祥寺にいたのは初めてだったので、少しだけ、街に対する印象も変わったかもしれない。

私と吉祥寺の15年間と、いま現在の吉祥寺に対する思いについて書いてみたいと思う。

甘い言葉に誘われて住み始めた吉祥寺

もともと学生時代は、東急東横線の祐天寺に住んでいた。

渋谷から3駅という近さのわりに、騒がしさとは縁遠い静かな住宅街という印象の街だ。三軒茶屋にある学校まで、ほどよい近さだったのが選んだ理由だった。

当時の私は今よりもずっと音楽が好きで「音楽と酒が生きがい」だと思っていた。

渋谷や下北沢のライブハウスに通い詰め、三宿のクラブで深夜まで酒を飲み、古本屋や中古CD屋を巡って掘り出し物を探すことを楽しみに生きる日々。そんな生活にフィットする祐天寺を気に入っていた。

祐天寺 駅からすぐの通りでもとても静かな祐天寺

それなのに引越しを決めたのは、当時好きだった人が吉祥寺に住んでいて、

「吉祥寺に引越してくればもっとたくさん遊べるのに。早く引越しておいでよ」

と誘いかけられたからだ。

下北沢のライブハウスでギターを弾いて歌っていた人で、今思えばきっと何人もの女子に同じことを言っていたのだろう。だけど当時の私はそんな甘言を真に受けて、不動産屋の戸を叩いてしまった。若かったのである。

吉祥寺は当時から「住みたい街ランキング」の1、2を争う人気の街だったけど、住所は23区内ではなく武蔵野市になる。新宿や渋谷に乗り換えなしで行けるとはいえ、そこそこ距離はあるのに、駅近の物件は祐天寺と相場が変わらないことに驚いた。

それでもなんとか「バスの便がよく、がんばれば徒歩でもいけなくはない」場所で、バストイレ別の物件を見つけることができた。祐天寺の部屋はバストイレ同室なことがどうしても不満だったから、そこで心は決まった。

吉祥寺を好きになれなかった理由

こうして卒業と同時に、吉祥寺からほど近い場所で新しい暮らしが始まることになった。けれど、住み始めてしばらく経っても、私は一向に、吉祥寺を好きになることができずにいたのだ。

混雑で癒やされない休日

ときは就職氷河期の終わりごろ。苦労してなんとか新卒入社した会社では、毎日のように深夜まで残業する日々が続いていた。間に合わず家に持ち帰って仕事することも珍しくなかった。

「物にならなかったら終わりだ。しがみついてがんばらなければ」

そんな風に思っていたから、つらいとは感じていなかった。だけど体は正直で、休日は目が覚めるといつもお昼過ぎ。

午後になってようやくのろのろと外に出ると、吉祥寺の街は「今日は何かの祭りですか?」と思うほどに混んでいた。自転車を使いたくても、道を歩く人が多すぎてうまく乗りこなすことができない。

吉祥寺

当然、飲食店はどこの店もいっぱいだ。チェーンのコーヒーショップすら席は空いておらず、歩き疲れても座って休む場所を見つけることすら難しい。

井の頭公園

ならば井の頭公園に行けばいい、と人混みの中を歩いて行くけれど、公園に着くとやっぱり混んでいる。そして、「今日はドッグショーでもあるのですか?」と思うぐらいに犬がいる。 ベンチもいっぱいだ。

井の頭公園

もちろん、池はボートだらけ。井の頭公園のボートに恋人同士で乗ると別れるというジンクスを、みなさまご存じないのだろうか。

本当は途中のスタバに寄りたかったのだけど、ものすごく混んでいて入れず、仕方なく買った缶コーヒーを立ったまま一気に飲み干す。なんとも癒やされない休日だ。

吉祥寺は雑誌の『Hanako』が毎年特集号を出す街で、おいしいレストランもおしゃれなカフェもたくさんある。しかし、住んでいても土日休みで、平日の帰宅が遅い勤め人では、そういったお店に通うことは難しかった。

吉祥寺は「最高の街」なのか

吉祥寺に引越すきっかけをつくったギターボーカル氏とは、しばらくの間稚拙な恋愛を続けていた。

ハモニカ横丁や近鉄裏(近鉄は閉店して跡地は三越になっていたけど、まだそう呼ばれていた)の居酒屋に2人で、あるいは彼の仲間たちと一緒に飲みに行く機会はたしかに増えた。

ハモニカ横丁

彼は酔うとよく、私にこう問いかけた。

「吉祥寺は最高だ! おまえも引越してよかっただろう?」

だけど、どうしても「吉祥寺は最高だ」とは思えない私は、曖昧な笑みを浮かべて、ごまかすようにビールをあおるしかできない。居心地の悪さはいつまでも消えることはなかった。

吉祥寺

たまに一人で飲むときも、この「吉祥寺大好き」話に遭遇してしまうことは少なくなかった。1人なのでカウンター席中心のこぢんまりとした店を選ぶのだが、そういう小さなお店では、居合わせた客同士で会話が始まることがあるのだ。

誰かが「俺、どうしても吉祥寺に住みたくて◯◯から引越してきたんだよね」などと口火を切る。すると別の誰かが「分かる分かる」「バウスシアター最高だわ」「でもクリスピー・クリーム・ドーナツが立川に先にできたの悔しい」みたいに合わせる。私は黙ってビールを飲む。

そうやって盛り上がっていたはずなのに、1人が会計して帰ると「あいつの家、立野でしょ? もう遠すぎて吉祥寺じゃねえよな」「武蔵関だよ」などと言って笑っていたりするのだ。

なぜだ? なぜ、吉祥寺の駅から家が近いか遠いか、何年住んでいるか、生まれたときから住んでいるか、などでマウントしようとするのだ。

言うて多摩だし、都下だし、市外局番0422じゃないですかここ!

今もそうなのかはわからないけれど、当時の吉祥寺に住んでいる人たちは謎のプライド意識を持っている人が少なからずいたような気がする。そこにも私は馴染めなかった。

変化していくことが前提の街で

それでも時は経ち、仕事にも慣れてくると、もともとお酒が好きだった私の飲みに行く機会は増えていった。

1人で飲みに行くことの多い私にとって、「いい店」とはおいしいことはもちろん、「平日夜なら予約なしでふらっと行っても入れるぐらいの混み具合」なことが重要だった。

だけど、そういうお店は吉祥寺では短命に終わってしまうことが多い気がする。

かつてガード下にあった「千年葡萄家」なるワインバーや、ハモニカ横丁で一番好きだった立ち飲みの割烹「ミシマ」など、ほどよい混み具合で1人でも寄りやすかった店は、気が付くと別の店に変わっていた。

ミシマ お寿司も握れる板前さんがいて、刺盛が豪華だったミシマ

気に入った店が閉店するのは、どの街でも起こりうることだ。ただ、吉祥寺はもしかして、駅近の物件の家賃が不相応に高いのではないだろうか?

平日でもぎゅうぎゅうにお客が入るぐらいでないと、やっていけないのかもしれない。結果、いい感じの店は消え、チェーン店ばかりが増えていくのではないか。

ヨドバシカメラ

かつては近鉄、引越してきたときに三越だった場所は、その後大塚家具になり、今はヨドバシカメラになっている。

伊勢丹だった場所はコピス吉祥寺に。ロンロンはアトレに。ブックオフはヤマダ電機に。ユザワヤはキラリナに。吉祥寺の街は、めまぐるしく変わっていく。

吉祥寺パルコ

パルコはパルコのままだけど、地下2階がパルコブックセンターからアップリンク吉祥寺に変わったのは大きな変化だった。

ずっと変わらないだろうと思っていた焼き鳥の「いせや」まで建て替えると聞いたときは本当に驚いた。あの崩れそうな建物こそいせやだと思っていたのに……。いせやビルディングになってしまったらもう、別の店じゃないの。

いせや

だけど14階建てのビルになっても、いせやはいせやだった。外見は変わっても中身は変わらない。みんないせやみたいだったらいいのになあ、と思った。

飲食店の閉店も、テナントの変更も、駅ビルのリニューアルも、たくさんの駅で行われていることかもしれない。人が多く集まる場所はそれだけ競争も激しく、多くの人を引き寄せ続けるために新陳代謝が活発になるのだろう。

だけど私はもっと落ち着いた、変わらない街のほうが好みだったな。住むならば。

変化していくことが前提の街では「どうせそのうち変わってしまうんだろう」と思って、思い入れを持つことができなくなってしまうんだ

吉祥寺に期待するのはやめて、旅に出ることにした

こんな風に、口を開けば文句ばかりが出てきて、一向に好きになれない吉祥寺だったけど、それでも引越すまでに至らなかったのは、圧倒的に交通の便がよかったからだ。

20代の終わりに転職して職場が渋谷になり、その会社で今も働いているけれど、始発から終点に通えるアドバンテージはかなり大きい。しかも所要時間はたったの18分だ。

吉祥寺駅

そして、今の職場で働き始めてから、国内の温泉地を一人で旅することが趣味になった。やがてそれに「登山」という要素も加わり「山と温泉」は生きがいと呼べるほど大きな存在になっていった。

車の運転ができないので、登山の際は早朝の電車に乗って移動するのだけど、中でも山梨・長野方面に向かう中央線に乗る機会は多い。沿線に住んでいればそれだけ早い時間に登山口について、登り始めることができる。

平日は井の頭線で通勤し、週末は中央線で山に向かう。それが叶えられる街は吉祥寺しかない。好きとか嫌いとかはもう問題ではなく、その便の良さだけで他の街に住むことは考えられなかった。

休日の人混みが憂鬱だったけど、早朝のうちに出かけてしまえば気にならない。

1人で飲める店が閉店したなら、平日に飲むのはやめて、土日に旅先でその土地のお酒を楽しめばいい。

「楽しみ」は旅先に求めて、家には寝に帰るだけ

それがここ数年の、私と吉祥寺の関係だった。

吉祥寺に閉じ込められた2カ月間を経て

しかし、2020年4月、期せずしてそんな吉祥寺に閉じ込められることになる。

緊急事態宣言の発令と共にフルリモート勤務となり、登山や温泉に行くことはもちろん、電車に乗ることもなくなった。

吉祥寺

運動不足を恐れた私は、1日1万歩を目標に歩き回ることにした。駅前を歩くと灯りの消えたアトレ吉祥寺が目に入り、何とも言えない寂しさにおそわれる。

ヨドバシカメラは当初19時までの短縮営業をしていたけれど、あるタイミングから全館休業してしまった。行こうと思っていたわけでもないのに、通りかかってそれを知ったときは、ものすごく心許ない気分になった。

ヨドバシも、それからコピス吉祥寺に入っているジュンク堂書店もそうだけど、圧倒的に在庫の多い電気屋や書店が近所にあるということは「何かあったらとりあえずここに行けばいい」という安心感のようなものを与えてくれていたんだと思う。灯りの消えた街並みを歩いて、そんなことに気が付いた。

井の頭公園

久しぶりに井の頭公園も歩いてみた。平日だからか緊急事態宣言中だからか、別の場所のように閑散としていた。

井の頭公園

思えば、平日の夕方に井の頭公園を歩いたことなんて、これまで1度もなかったのだ。  

10数年前の休日「こんな人が多い場所では癒やされない」と思った公園の緑が、どこに発散させようもないストレスを少しだけ溶かしてくれた。

豚カシラ肉のテリーヌと牛肉のビール煮込み

それから、いつも混んでいて入りにくかった店がテイクアウト営業をしていると知り、散歩のついでに寄ってみたりもした。

丁寧に真空パックに詰められたトリッパの煮込みを自宅で温めてビールを飲む。豚カシラ肉のテリーヌも牛肉のビール煮込みもおいしく、これは流行るわけだと納得した。

別の日には和食の店で揚げたての山菜の天ぷらを、あるいはイタリアンレストランでラザニアとサラダをテイクアウトして、1日1万歩のご褒美に1杯飲むのが自粛生活の楽しみだった。

吉祥寺に住んでいなかったら、2カ月間の生活はもっとわびしいものになっていたのかもしれない

なくなってほしくない店が3軒ある

6月に入り緊急事態宣言は解除され、少しずつ街は活気を取り戻し始めたけれど、同時に毎日のように閉店・廃業情報を耳にするようになった。

生きがいは「山と温泉」なので、旅先で気に入った宿や飲食店のことがまずは気になってくる。ひとたび気に入ると同じ宿に何度も泊まり、店には何度も通うタイプなので、全国になくなったら困る宿や店は無数に思い浮かんだ。

反面、都内で「なくなってほしくない店」として思い浮かんだのは6軒だけ。だけどその6軒のうち3軒が吉祥寺の店だったことは自分でも意外だった

プラットスタンド 酛

なくなったら困る店には足を運んでおかなければいけない。梅雨の最中の夕方に、サンロード沿いの雑居ビルの地下にある「プラットスタンド 酛」に向かった。

酒は旅先で飲めばいいと言っても、日々暮らしていれば「今日はどうしても飲みたい」という日は巡ってくる。嫌なことがあって考えたくない日や、がんばった自分にご褒美をあげたい日。そんなとき、必ず足を運んだのがこの店だった。

プラットスタンド 酛

ひさびさの酛は席と席の間隔が広くなっていた。

「おひさしぶりです! お元気そうで良かった。今日は微発泡の残草蓬莱があるんですが、1杯目にいかがですか?」

フェイスシールドをつけたお兄さんに勧められるままに注文する。舌先でシュワッと弾けて、ほのかな甘みが広がる。

プラットスタンド 酛

つまみは、夏野菜のトマトゼリー寄せを。こんなおしゃれな料理も全部ちゃんとおいしい、酒がすすむ味だ。

お酒は基本的に銘柄を指定せず、注文した料理に合うものを、65mlの小さいグラスで出してもらう。そのほうが記憶にとらわれずに、いろいろ楽しめるから。 

プラットスタンド 酛

ぶ厚いハムカツには、山形正宗の「夏ノ純米」が選ばれた。ライチのような香りに、花火の描かれたボトル。外は雨だけど、夏気分が盛り上がってくる。

仙禽「かぶとむし」

とはいえ、最後の1杯だけは銘柄を指定していただくことにした。仙禽の「かぶとむし」。毎年恒例の夏限定酒だ。

「今年のかぶとむしはちょっとすっきりしてるんですよ」

ああ、本当だ。今年も夏がきたんだ。とりあえず、夏まで生き延びた。よかった。

プラットスタンド酛は、カウンター席中心で1人客も多い店なのに、みんなそれぞれに楽しんでいて客同士の交流がないところも気に入っていた。今後はますますそのほうがいいだろう。どうか生き延びてくれ。

ゆりあぺむぺる

飲んだ後に立ち寄ることの多い南口の喫茶店「ゆりあぺむぺる」も、なくなったら困る店の1つだ。会社の飲み会など付き合いで飲んで帰ってきた後、最後に1人でコーヒーが飲みたくなる。そんなとき、駅前で深夜0時まで営業しているこの店は都合がよかった。

「クリームソーダがインスタ映えする」と取り上げられることが多い店だけど、平日深夜は落ち着いていて、静かに〆のコーヒーとケーキをいただける。

ゆりあぺむぺる

立ち寄った6月中旬ごろはまだ、22時までの営業だった。だけどそれ以外は何も変わっていない。ホッとする。

バヴァロアケーキ

「バヴァロアケーキ」なる、ババロアの中にスポンジが入ったケーキ。本当に好きだ。

ナデシコ

それから、飲み足りなければ酒が飲めるところも良い。CHIMAYもギネスも飲める。

クリームソーダを飲んでいるような顔をしてこっそりと酒が飲める「ナデシコ」(こっそり飲む必要ないのだけど……)。18時以降限定で販売される、ロゼワインを使ったカクテルにアイスを浮かべた大人のクリームソーダだ。

付き合いで飲み会に呼ばれるような日々が戻ってくるころには、帰りに寄れるように、深夜まで営業してくれているといいな、と思う。

もんくすふーず

最後の1軒は吉祥寺通り沿いの定食屋「もんくすふーず」だ。

「野菜」「魚」「鶏肉」の3種類の日替わり定食のお店で、Facebookに毎日メニューを載せてくれるので必ずチェックしてから向かう。だけど6月上旬に久々にたずねたら、ラストオーダーはまだのはずなのに閉まっていて焦った。

翌日は開いていたので「昨日も来たけど閉まってたんですよね」と言ったら、店主のおじさんに「いやー申し訳ない」と謝られた。

もんくすふーず

「今はラストオーダー20時半なんだけど、20時過ぎてお客さん誰もいないと嫌になって閉めちゃったりするのよ」

1人客は1階のカウンターに、2人以上だと2階のテーブル席に通される。グループで来るお客さんの数は、宣言解除後も元通りとはいかないそうだ。

「前は22時半までやってたけど、4月から早く閉めるようにしてたら早い時間に眠くなるようになっちゃってさ」

おじさんはうちの母と同い年だそうなので、夜眠いのは仕方ないのかもしれない。実家の母親も22時過ぎたらもう、眠そうだもの。

初めてここに来たのは十数年前のことで、当時私はいせや総本店の隣にあるビルで働いていた。ちょうどそのころ、ちょっと深刻な病気が見つかってしまい「玄米とか食べたほうがいいんだろうか」と思って、探し当てたのがもんくすふーずだった。昼も夜もここに来て玄米ご飯の定食を食べた。

健康を気にしながら食べるご飯は味気ないものだけれど、この店は何を食べてもおいしかったことに救われたと思う。

もんくすふーずの定食

特に、鯵や鯖や秋刀魚などの青魚を揚げたような料理は、1人暮らしのキッチンでは決してつくらないメニューだから、ありがたかった。

入院・手術を経て体調も回復し、渋谷の会社に転職したので以前ほど頻繁には来れなくなったけど、なくなってほしくない店なことには変わりない。

実家とはぜんぜん違う味付けなのに、なにか実家っぽいご飯なのだ。

私の親世代のご夫婦でやられているお店なので、永遠に続けてくれ!というのは無理な相談だろう。だけど閉店時間が早まっても食べに来るから、なるべく続けてほしいし、この店がある限り引越したくないなあとも思う。

「吉祥寺の飲食店はこれからどんどん閉店していくだろうし、その跡地に店を出そうという人も現れないんじゃないか。このご時世じゃ」

と、おじさんが言う。

そうかもしれない。

だとしても、私はこの店さえ残ってくれればあとは別に……と言いかけたけど、やっぱり、そんなスカスカになった吉祥寺を見たくはないなと思い直した。

吉祥寺

あのころ「吉祥寺は最高の街だ」と言っていた人たちがいた。きっと彼らにもそれぞれに、なくなってほしくない、できれば永遠に通い続けたい店があったのだろう。

移り変わりの激しいこの街で、何年も踏ん張って営業を続けている多くの店は、きっと誰かにとっての「なくなってほしくない店」に違いない。だから、がんばれ吉祥寺、と。今は心からそう思うのだ。


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著者:月山もも (id:happy_dust)

月山もも

登山と温泉を絡めた一人旅が好き。ブログ「山と温泉のきろく」では、温泉宿への宿泊記、日帰り入浴記、旅の食事や登山の記録を更新しています。

ブログ:山と温泉のきろく Twitter:@happy_dust

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編集:はてな編集部




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