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蒲田はゲーム実況者にやさしい。動画の構成や人生の先、悩むたびに歩き続けた呑川。安くて大きい緑の布が売ってるユザワヤ|文・ハヤト(ゲーム実況者)

著: ハヤト(ゲーム実況者)

蒲田は遠く離れた故郷に似ていた

鹿児島から上京を決めたとき、正直なところ、住みたい街の明確なイメージはなかった。東京はあまりに選択肢が多く、自分なりの基準さえ持てずにいたからだ。条件に合う部屋をいくつか内見して蒲田を選んだのは、どこか鹿児島に似た下町の空気を直感したからかもしれない。都会すぎず、かといって不便でもない。JR蒲田駅の西口と東口には活気のあるアーケード商店街が続いていて、ここなら初めての東京生活でもホームシックに振り回されずに済みそうだ。そんな予感に従って、蒲田に住むことに決めた。

住まいは駅からほど近い場所。生活するには、ちょうどいい距離感だった。最寄りの京急蒲田駅前は、当時まだ再開発の途中で、今ほど整ってはいなかった。工事が進み、少しずつ店が増え、気づけば立派な駅へと塗り替えられていく。街が形を変えていく様子を、僕は横目で眺めていた(『Cities: Skylines』という都市開発シミュレーションゲームが好きな理由は、ここにあるのかもしれない!)。

1Kの部屋は、当時の自分にはちょうどいい広さだった。一人で暮らすのには困らない。駅からの帰り道にはコンビニがあって、少し歩けば小さなスーパーもある。派手さはないが、日々の生活に必要なピースはすべて揃っていた。商店街もあり、たくさんのお店がある中で、自然とお決まりの店に足が向くルーティンができあがった。

この部屋で、僕はYouTuberになった。鹿児島にいた頃から、ゲーム実況はやっていた。仕事にしようなんて考えはなく、ただ好きで続けていた。けれど配信にはお金がかかる。機材も買わないといけない。時間だってたくさん必要だ。このままでは、いずれ続けられなくなるかもしれない……。
「最後に一度だけ、YouTubeに挑戦してみよう」。これでだめなら、ゲーム実況そのものを辞める。続けるためではなく、区切りをつける覚悟ではじめた挑戦だった。毎日、動画制作に向き合った。これまで配信を見てくれていた人たちの存在が、背中を押してくれていた。気づけば、動画を楽しんでくれる人が少しずつ増えていった。

当時住んでいたマンションは、今も変わらずそこにある。再開発が進む駅前とは打って変わって、路地や生活道路が続き、落ち着いた雰囲気は以前と変わらない。久しぶりに歩くと、いろいろな気持ちが込み上げてくる。

活動を後押ししてくれる街

振り返れば、蒲田はゲーム実況者にやさしい街だった。JR蒲田駅を降りて蒲田東口商店街を抜けた先には、ゲームショップ・トップボーイ蒲田店がある。いかにも下町らしい佇まいで、人々の生活が地続きになっているような場所だ。動画で使うゲームの多くは、この店で買っていた。新作が出るたび、あるいは企画のネタを探しに、数えきれないほど足を運んだ。棚に並ぶゲームを見ると、気持ちが高揚する。少し古いゲーム機や、見覚えのあるタイトルを見つけると、子どもの頃に遊んでいた時間のことが、ふとよみがえる。ゲームを買った帰り道は、足取りが軽くなる。早く遊びたいというワクワクした気持ちは、仕事としてゲームに触れるようになった今も、少しも色褪せてはいない。

企画について考えたり、悩み事があるときは、いつも呑川沿いを散歩していた。呑川は蒲田を東西に横断するように流れており、果ては東京湾へと注いでいる。映画『シン・ゴジラ』で第2形態(通称・蒲田くん)が上陸してきたあの場所が呑川である。川沿いは静かで、時間帯によって表情が変わる。朝は人が少なく、空気も軽い。夜になると、街の明かりが水面に映り、自然とペースがゆっくりになる。同じ道を、気の済むまで何度も往復した。ときには羽田空港の方まで足を延ばすこともあった。遠くに飛行機が見え、少し遅れて轟音が届く。

動画の構成や、たのしいとは言えない労働のこと。自分の人生の先。もやもやした問いを抱えながら、ただ歩くことに時間を費やしていた。結局、明確な答えは出ないことの方が多い。それでも、家に戻るころには頭の中が少し整理されている。呑川から空港までの距離は、考え事をするのにちょうどよかった。何かを決断するためというより、思考を止めないために必要な時間だった気がする。

蒲田といえば、有名なのがユザワヤだ。蒲田にはユザワヤの本社があって、JR蒲田駅の近くにある驚くほど大きな店舗が本店である。ユザワヤは手芸用品のお店で、安くて大きい布をたくさん売っている。手芸には縁遠い人生だったが、配信用のグリーンバックに使う布や、動画で使うための小物を何度か買いに行った。ユザワヤに通うようになった頃には、動画のために動くことが、少しずつ日常になっていた。

10年近くをこの街で過ごした。何者でもなかった自分が、ゲーム実況者として、日々の活動を積み重ねていく時間をすぐそばで見守ってくれた蒲田。チャンネルが大きくなるにつれ、たくさんのことができるようになった。動画用の機材も増え、気づけば1Kの部屋は手狭になっていた。広い部屋を求めて蒲田から離れてしまったが、今もときどき、ふらっと帰りたくなる。

蒲田は、YouTuber【ハヤトの野望】としての自分が生まれた街。僕にとって、もう一つの故郷のようなものだ。


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著者:ハヤト(ゲーム実況者)

ハヤト(ゲーム実況者)

登録者数155万人を超えるYouTubeチャンネル「ハヤトの野望」を運営。“知的にふざける大人のゲーム実況”をテーマに、戦略・経営・シミュレーションゲームを中心にユーモアあふれる実況動画を配信している。
YouTube:ハヤトの野望

編集:ツドイ




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