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東の果て、夜へ

なかなか読む時間がなくて進まなかったのですが、やっと読めました。思ったより重厚感のある面白さで読み応えがありました。いやー最後まで読めてよかった。

『東の果て、夜へ』ビル・ビバリー (早川書房/ハヤカワ・ミステリ文庫)
発売日:2017.09.07

[あらすじ]
麻薬の斡旋所”ハウス”の見張り役をしていた15歳の少年イーストは、ある日警察のガサ入れに遭い責任を追及される。償いとして、組織の親玉で叔父であるフィンに、ある人物の殺しを命じられ、遠く3000マイル離れたウィスコンシン州にLAから車で向かうことになる。2年前家を出た凶暴な弟タイを含む、仲が良いわけでもない若者たち3人と共に。

 * * *

この小説の面白さをどう表したらいいんだか…と思っていたら、解説にすごく的確に書いてありました。黒人少年の成長物語であり、ロード・ノヴェルであり、クライム・ノヴェルであり、そのいずれものうま味を生かしながらストーリーは展開します。

その場から離れる、物理的に距離を置くことで自分の置かれていた位置に気づくという定型が、確かにあることを再確認させられます。少年の経験は過酷ですが、フィクションに慣れている読者はそこまでの事象とは思えません。それを淡々とした描写で事細かに読ませることで彼の心情にいつの間にか寄り添っています。なんというか、文学的な感じ。

【以下、若干ネタバレ】

印象的だったのは、ドジャースのTシャツを着せられて旅に出され、途中ドジャースファンに話しかけられて意味が分からず凄まじく警戒するところ。楽しく野球観戦なんてしたことがない子であり、周囲はみんな敵だったことが分かります。白人文化との断絶も感じました。

父親のような存在となったペリーの話を聞くのは好きなのに、「星座」も「ひしゃく」も分からない(でもこの章が一番好きでした)。そもそもの頭はいいしマジメ、恐ろしく老成したところのある子だけど、閉鎖的な場所でしか生きられない、居場所を選べない「子ども」という存在だったことが浮かび上がってきます。

「成長物語」という言い方は青くさい感じで、彼にあまり似つかわしくないと思ってしまいますが、つまりは自分で自分の居場所を選べる大人になったと判明する描写がさわやかでした。犬と一緒に出掛けるって、なんか出来すぎかもしれないけど絵になる光景じゃーないですか。





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