けっこんをしたがらないリスのゲルランゲ
『けっこんをしたがらないリスのゲルランゲ』
J・ロッシュ=マゾン/画:堀内誠一/訳:山口智子(福音館書店)
「おそうじをおぼえたがらないリスのゲルランゲ」が大変面白かったので、シリーズの続きです。これも面白かったですよ。
前回はゲルランゲが「おそうじをおぼえたくありません」で強情を張り続けてなんだかうまく行っちゃったという話でしたが、今回は彼がギャフンとへこまされるほうに回っています。
ともかくおそうじはおぼえたゲルランゲでしたが、そののち立派な若者に成長…しないで、仲間とバカさわぎをして森の住人たちに迷惑をかける困ったヤングになりました。ちょっと見た目が良いのと機転が利くことを鼻にかけ、集会で結婚しろと詰め寄られてもなんとか言い抜けようとします。
この集会でリスの議長がゲルランゲに言った言葉が、こんな感じでほほうと思いました。
(ゲルランゲが若い暴れ者たちを率いて夜中に騒ぎ立て)
「――赤ん坊たちをひっくりかえし、わかい母親たちをおびえさせる。さて、もしきみがじぶんの家族をもったなら、よその家族ももっとたいせつにするようになるだろう――」
そして、これはリス族の掟であり、「きみの年になったリスは結婚しなければならないのである」と言い渡しています。
結婚しなきゃいけない理由が、暴れ者を落ち着かせるためって、すごく昔っぽいけど説得力はあると思いました。これを言うと、よくもののわかった独身のかたには失礼ですが、子どもがいない人は子どものいる状況に対する想像力や寛容力が少ないように感じるときがあるんですね。
ベビーカーを公共の乗り物から排除しようとしたり、保育所が出来たらうるさいから反対するとか。日本全体が少子化で、小さい子どもと接する機会が少ないまま大人になる人が多いことから、そういうことが増えているのかなあと。
あ、話がそれましたが。
ゲルランゲは無理難題をならべて、お嫁さんになる人には「これを守れなければぶちます」という誓約書まで書き残します。さて、お嫁さんになったリスは、それはかしこい可愛いリスでしたよ。