日付が翌日に替わり、もう寝ようとしていた時、携帯の音がしたので見ると、しぐれの子分②からの電話。
「ピンポンが2回鳴ったので出たんだけど、誰もいないんだよ。」

本来この部屋の主役であるうさぎの“しぐれ”には、子分①と子分②がおり、子分①は、某流通業の仕事をしながら、ハッピーエンドな?夢の世界を描く小説家を目指し、日々なんちゃって文豪生活を送っています。子分②は、大学3年の前期を終わったところで退学。それも、しぐれのお父ちゃんとお母ちゃんが、彼らを畑に毎朝の様に連れて行く中で、工学系大学生を自然栽培に目覚めさせてしまったため、子分②は、自分達がやり始めた畑活と子分②の農業人としての片棒を引き受けることになってしまったのです。
いや、片棒を引き受けなくても、子分②自身、有機農法農家ででもアルバイトをしたり、または、農業系学校に入学し直し、改めて学生生活を送るようにしてもよかった。のです。
が、自然農・自然栽培を教える学校は、多くはありません。
一般的に、農業高校や農業大学で教えられる農業は、慣行農法と言われる肥料と薬剤がセットになった農法での勉強が一般的です。ですが、子分②が隣町畑やご近所畑でやるようになった農業は、お父ちゃんやお母ちゃんが見つけてきた微生物資材を培養した発酵液を散布した畑で野菜を育てる栽培法です。あとは、自然農の先駆者の方々が書いた本や農チューバーと言われる人達が発信してくれている動画と、たまにはガッテン農法の三浦伸晃さんの勉強会に足を運んだりして、この頃は、米糠や微生物資材を使っていた自然栽培から、肥料的資材も使わない自然農に移行しつつあります。
という流れを、最近まで作ってきたのは、他でもない大学をやめた子分②なのです。
しぐれのお父ちゃんは、農業機械の会社員なので、慣行農法的発想を今も持ち続けていて、畝にマルチを張るのは必須!と考えています。夏場の少人数の草刈りを、鎌で刈るか、耕運機にアタッチメントを付けて刈る、草刈り機で刈るという感じなのですが、ここも子分②的こだわりがあり、畝間が狭く草刈り機などでマルチの端を切ってしまいたくないので、手作業で草刈りをします。なので、とても時間が掛かります。日中、お父ちゃんはサラリーマンなので畑にはおらず、おもな作業は、子分②とお母ちゃんがやっています。ですが、子分②が手鎌で地道に草刈りするのに時間を掛け、スーパーの野菜とそう変わらない値段で野菜を売ることが、本当にこの人の為になるのか。
隣町畑に以前たまに来ていた関西出身の友人の一人は、しきりに、
「こんな畑でいんと、他で働いておいで!それか、銀ちゃんの所へでも行って、修行しといで!」
などと言われつつ、子分②本人は、だまって聞いているのでした。
お母ちゃんは、彼女の話も『そうだよねぇ。。。うんうん。』
と思ってはいたものの、もはや今隣町畑での作業は、子分②が主力です。この人がいなくなると今育ってる野菜はどうなる?
栽培中の野菜を投げ出して銀ちゃんの石垣島に行くか?
そう考えることは、当時の彼にとって、あまり現実的ではないと思ったのかもしれません。
そんな波風も時に浴びながら、季節は寒い冬の閑散期となり、必然的に仕事量が減ってくる時期になりました。

子供も成人してるので、家でいる場合、家事をすることが必須になっている我が家で、食事作りや風呂掃除、洗濯物の取り込み、しぐれのケージ掃除などなど、頼んだことは子分②もやっていたのですが、それ以外は自室に籠ることが多くなりました。そして、お母ちゃんの調べていた食品添加物などにはお母ちゃん以上にこだわるお陰で、お母ちゃんが買う食材には“家族一うるさい人”になっていました。そして、16時間断食も継続して実行し続けているので、夜は20時までに食べ終えるのが鉄則。その為に、早く自分で家族分の食事もさっさと作っていたのです。そして、隣町畑からの帰り道で時々一緒に買い物をすると、
「これはやめよう。」
「これも。」
と言って、お母ちゃんが手に取った商品を棚に戻すのです。買い物する度こんな具合なので、お母ちゃんは、彼と一緒に買い物に行くのが面倒になってきました。彼は、食品添加物が極力入らない商品を買いたいのです。
そんなふうに時々、モヤっとする日常を送っていた曇り空のある3月初旬。
畑がまだ冬の眠りから覚める前のこの時期に、準備しておいた方がいいことを、スイーツ屋さんへの納品前に、あれこれ子分②に指示していると、急にリビングの引戸を拳で突き破ったのです。
誰が?
しぐれ?🐰
ではなく子分②がです。
合板の引戸は、思い切りグーでやると壊れやすいです。。。
親に従順なのもやってられねー!って?

お母ちゃんは、わざとあれこれ納品前に彼に指示し続けたかもしれません。
けれども、農業を志す彼に寝坊の習慣がついてしまったのがアウト事案でした。
他に仕事をさせなきゃ。
うちでやる畑活が子分②は仕事だと思ってない。
丁度、育苗野菜苗が家中を占拠するようになってきたので、他に部屋を借り、子分②は苗ちゃんらと引っ越すということになりました。子分②の家兼うさぎファーマー‘ズの事務所・作業所にすればいいんじゃないかということになったのです。渋々…?
(次回につづく)

~今日も読んで頂きありがとうございました。明日もいい日でありますように✨
ポチっとしていただけるとうれしいです。
⇩⇩⇩⇩⇩⇩