Xで話題になっていた『Type Help』というゲームをクリアしました。
こちらなんと、昔のパソコンゲームのように絵や音楽のない「テキスト」だけで表現される「コマンド入力」アドベンチャー。

作者のWilliam Rousさんは本ゲームのインスパイア元に「Return of the Obra Dinn」や「Her Story」などを挙げていて、どっちも大好きな僕としては「えー、それほんとにテキストだけで表現できるー?」と半信半疑で始めたんですが……。
ほんとだった! 確かにテキストだけなのにそれらのゲームに近い感覚がして、そしてなにより……めちゃめちゃ面白かった!
個人的に、現時点でマイGOTY候補に食い込むぐらいの傑作だと思っています。
しかも本作、ブラウザ上で遊べて、無料!! 日本語にも対応済です!(翻訳してくださったフマノさん、ありがとうございます!) こんなことがあっていいんですか!?
ブラウザゲーといいつつ、セーブ機能もあってプレイ時間は10時間以上のガッツリボリューム+なかなか歯応えのある難易度なのも嬉しかったです。
本当に無料でいいんですか?(2回目) ありがとうございます!
ということで、上記のゲームや、色々読んだり考えたりするテキストアドベンチャーが好きな人はぜひ!
ネタバレ踏む前にプレイしてみてください! おすすめです!
ここから下、若干ゲームの中身に触れていきます。
とりあえずまず、クリア直後に僕がふせったーに書いたネタバレ雑感を貼っておきます。
箇条書きのメモ程度の中身なので、これは興味ある人読んでください。
Type Helpネタバレ雑感 https://fse.tw/IhAEYtbz
それから、以下がメインコンテンツなのですが、クリア後にType Helpの感想を漁っていたら、「クリアしたけど結局内容がよくわからなかった」という声を結構ネットで見ました。
なるほど、確かに本作、はっきり答えが明言されるタイプのゲームではないので、
そういう人もいるだろうなあと思います。
ということで、これが正解だ!と主張するわけではないのですが、
作品をプレイしていく上で一応僕なりに組み立てた、本作の解釈・ストーリー、考察を以下にまとめておきます。
クリアしたけど話がよくわかっていない、気になったことがある、解釈を照らし合わせてみたい、などの方はぜひお読みください。
繰り返しますが、あくまで僕なりの解釈ということをご注意ください。
みんなそれぞれの解釈があっていいんだからね。
この手のゲームなんて、解釈バトルが一番面白いんだから。
それでは改めて……ここから全部ネタバレです!
一応、ここからはTHE ENDを迎えたあと、
最後のファイル「00-d****」の解読まで済ませたという前提で進めます。
クリアしたけど「00-d****」ってなんだそれ、という方は以下の「のすのゲーム感想ブログ」さんの該当記事の下部に貼ってあるふせったーリンクを参考に、もう少しだけプレイしてみてください。
tetogame.hatenablog.com
↑のすさんの素晴らしいレビュー
では、考察いきます。
- Q.「呪い」のルールって結局何だったの?
- Q.プレイヤーは何者? 何をしている? ファイルに「@」でコメントを残しているのは?
- Q.全体の流れがよくわからなかったのですが?
- Q.あの「ハングマン」機能は結局何だったのか?
- 余談:このゲームのテーマについて
Q.「呪い」のルールって結局何だったの?
A.本作の描写から推測される「呪い」のルールはおおまかに2つです。
1.「呪い」によって死んだ人間は、その瞬間、全世界の人間に存在を忘れられてしまう。
もう少し詳しく補足すると
・「呪い」が発動して人が死ぬ時は、近くに雷が落ちる(あるいは雷鳴音が轟く)。
・死体には外傷はなく、死因は不明に思われる。
・死んだ人間の人間関係については、その人間が元々「いなかった」かのように各々の認識が都合良く書き換えられる。
2.「呪い」によって忘れられた人間のことを思い出してしまったら、その人もまた同じ「呪い」で死んでしまう。
ちなみに、この「呪い」が発動して死んでしまうタイミングには、若干の時間差・個人差があるようです。
(6/9追記:本編の描写を見る限り、もしかしたら発動条件は「呪い」によって忘れられた人全般を思い出すことではなく、直前に「呪い」で忘れられた人を思い出すことに限られる可能性もあります。その場合には「呪い」の厄介度は少し弱くなるとは思うのですが……)
Q.プレイヤーは何者? 何をしている? ファイルに「@」でコメントを残しているのは?
A.プレイヤー(あなた)は、おそらく警察などに類する機関のエージェントの一員です。
現在の時間軸(後述)において、上司であるAlan Thomasの指示を受け、少し前に同機関に在籍していたエージェント「Richard Longley」(彼が「@」。この名前は「00-dream」の暗号を解くとわかります)が残したパソコンのドキュメントを確認しています。
Q.全体の流れがよくわからなかったのですが?
A.この作品には、ゲームのメインとなる時間軸より大きくくくって、おおまかに4つの時間軸が存在します。
時間軸1 Amelia West事件(仮)
本作で確認できる範囲で最古の「呪い」発生事件。
本編のGalley House事件よりも「過去」の出来事になります。
この時にも本編と同じように連続死事件があったかは定かではありませんし、
ここが「呪い」の発生点だったのかもわかりませんが、
確実に言えることは、ピアニストの「Amelia West」という人物がこの時の「呪い」によって死んだ人間の一人だということです。
Rupert-Oswald兄弟とも親交が深かった(と思われる)彼女は、
自動演奏ピアノに自分の演奏を録音する、あるいは自分の曲を記録させるかしてから亡くなりました。
その曲が「I'd Climb the Highest Mountain」。本編でピアノが鳴る時には常にこの曲が流れていたと考えられます。
そんなAmeliaが死に、その存在ごと世界から忘れられ、この時間軸での「呪い」の連続死はいったん止まりました。
彼女の自動演奏ピアノ(Amelia Westのピアノリサイタルのプログラムもついていた?)は壊れたまま中古市場に流れ、
次の時間軸でRupertがピアノを修理するまでそのままだったと考えられます。
ちなみに、この頃Rupert-Oswald兄弟にはEleanorという病気を患った姉がいましたが、
彼女は屋根裏に隔離されたまま亡くなりました。その死体を発見したのが、当時の執事だったGeorge Thornton。
Oswaldは「Eleanorが死んで以来この家は呪われてる」みたいなことを言っていましたが、
それでもEleanorのことをずっと覚えていたし、彼女の件はいわゆる「呪い」とは関係ないのではないかと思われます。
ただ、Oswaldは他の人よりは呪いに詳しい様子だったので、やはりこの時期に連続死が何件か起きていて、それをぼんやり覚えている……のかもしれません。
《6/9追記:もし、前述したように呪いの発動条件が「直前に呪われた人のことを思い出す」ことだったとしたら、EleanorのことをOswaldが覚えていることと、Eleanorが呪いで死んだ可能性が矛盾しなくなりますので、そのパターン(Eleanorも呪いの犠牲者)もありえるのかな、と思いました。両親に愛されていたらしいEleanorが屋根裏で一人で死んでいたというのは若干不自然な状況ではありますので。あるいはEleanorが呪いの発祥地である可能性(両親に裏切られて、忘れられた恨みによる)も……? 呪いの発祥地だから覚えていたり言及してもOKだったパターン。でもそうなるとRichardがEleanorに言及しなかったことに少し違和感がないこともないです。そのあたりの真相は謎です。》
時間軸2 Galley House事件
ゲーム本編で大部分を占める時間軸。
日付は1936年3月6日~7日(イントロ部分から)。
時間軸1からおそらく数十年後、若かったOswaldが家を出て、老人と呼ばれるようになった程度には時間が流れています。
この事件の発端は、Rupert Galleyがどこかから自動演奏ピアノを手に入れ、自分の誕生日パーティで披露しようと思ったこと。
Rupertが誕生日パーティに呼んだのは以下の面々です。
John Hobbes
(ピアノ展示場で働いている40代男性。最近妻と別れたらしい。Rupertと親交が深そう。Rupertが「君ほどの才能」と言うからには、元ピアニストだった? 1番)
Maseko家
Damian Maseko(夫。8番)
Victoria Maseko(妻。旧姓Beaumont。Eddieの元カノ。7番)
Annie Beaumont(Victoriaの妹。金銭トラブルを抱えているらしい。2番)
3人は同じ車でやってきました。
Dauer家
Helen Dauer(EveとTonyの母。9番)
Eve Dauer(姉。Eddieの現・婚約者。10番)
Tony Dauer(弟。軍隊に入っていて銃を持ってきた。4番)
EveとTonyの父はTonyが生まれる前に戦争に行って帰ってこなかったらしい。
Galley家(ホスト)
Rupert Galley(Eddieの父。誕生日パーティを主宰した人。12番)
Martha Galley(Rupertの妻。Eddieの母。5番)
Eddie(本名Edmund Galley。Eveと婚約している。6番)
Oswald (Brian Arthur) Galley(Rupertの弟。Eddieの叔父。久しぶりに家に帰ってきた。3番)
執事
Harry Thornton(父であるGeorgeの後を継いで物心ついた時からGalley家に仕えている。11番)
の12人。
事件の流れを、それぞれの死を中心に見ていきましょう。
ちなみに僕はゲームを理解するため、Excelでこういうタイムラインを作りました。

でも結構な数の人がこういうの作ってると思う。
シーン01
Rupert、自分の誕生日までに自動ピアノを直す、と言っていたため、Johnが到着する直前にピアノを直し、曲を演奏させる。
その曲を聴いて、「Amelia West」のことを思い出してしまい、呪いで死亡。
Rupertの招待を受けたJohnが家に到着。みんながRupertのことを忘れていたため、
John、存在しない人に招待されたことになってしまう。
シーン04
John、Martha、Damian、書斎でRupertの死体を発見。
シーン06
Thornton、Rupertの死体を片付ける時にRupertのことを思い出してしまう。呪いで死亡。
シーン09
Eve、ホットココアを飲んで、それを淹れてくれていたThorntonのことを思い出してしまう。その後Eddieとまぐわっている最中、時間差で呪いで死亡。Eddie、突然目の前に現れた死体が自分の指輪をつけていてビビる。
シーン11
Helen、Eddieと指輪の話をしているうちに娘のEveのことを思い出してしまう。呪いで死亡。
シーン13
Damian、Victoriaと話をしているうちに懐中時計を見て、HelenやEveのことを思い出してしまう。その後、時間差で寝ている最中に呪いで死亡。
シーン17
Victoria、Eddieにいきなり求婚されたのをきっかけに、自分には本当に愛する人(Damian)がいたことを思い出してしまう。Damianのところに行き、Annieに自分の覚えている名前リストを渡したあと、Damianに寄り添うようにして呪いで死亡。
シーン19
Eddie、Tonyに思い出のブレスレットを見せられ、Victoriaのことを思い出してしまう。呪いで死亡。
シーン20
Annie、名前リストを元に、Eddieを知っているかMarthaに尋ねる。Martha、Eddieのことを思い出してしまう。
息子のことを思い出したMarthaは楽しく踊りながら呪いで死亡。
同時にこの頃、JohnはKatherine(VictoriaとAnnieの母。Wintercoteに住む。K)の電話を受ける。
異常を察知したKatherineはGalley家の近隣住民にGalley Houseへ赴くよう要請。
シーン21
Tony、必死で今までのことを思い出そうとした結果、足元で死んでいるMarthaのことを思い出す。呪いで死亡。
シーン22
Oswald、教会に来たAnnieにTonyのことを聞かれ、銃を振り回していたTonyのことを思い出してしまう。呪いで死亡。
シーン23
Annie、目の前の死体を見て、一家の肖像を見せてもらった記憶から、それがOswaldだと思い出してしまう。
「呪い」を断ち切れるか試みるため、ピストル自殺。しかし、意味はなかった。死んだ瞬間に呪いが発動してしまう。
シーン24
屋敷に戻ったJohn、電話に出る。名前リストを元に、Annieという人物を知っているかKatherineに尋ねる。
Katherine、Annieのことを思い出してしまう。Katherine、電話の向こうで呪いで死亡。
シーン25
John、誰のことも思い出せないまま、誰かをピストルで殺してしまったという罪悪感から、屋根裏から飛び降り自殺。呪いはようやく止まる。
ゲームイントロ部分
Galley一家とKatherineが呪いで死んだので、
地元の人々は「何十年も誰も住んでない家に、なんで私たち向かってるんだっけ……」
と不思議に思いながらも屋敷に向かった。
その正面扉の前で、飛び降り自殺したJohnの死体を発見。
警察は地元の人々に証言を聞いて回ったが事件は解決せず、
本件は「近隣住民の人たちの記憶があやふやになっている不思議な連続死事件」として処理されたもよう。
Galley House事件は人々の記憶から風化していった。
本時間軸で呪いによって犠牲になった人物まとめ
Rupert、Harry、Eve、Helen、Damian、Vic、Eddie、Martha、Tony、Oswald、Annie、Katherinの12人。
(John Hobbesは呪いによらず自殺した)。
時間軸3 Richard Longley事件(仮)
Galley House事件から数十年後。
おそらくこの時代にも何かのはずみで「呪い」が蘇り、人々が次々に記憶をなくす連続死事件が起きたと思われる。
事件の捜査員に選ばれた人物の名は、Richard Longley。
幸か不幸か、彼は他人との関わりが薄く、孤独に仕事をするタイプだったようだ。
彼は連続死事件の調査を進める中、過去にも似たような「人々の記憶が失われる連続死事件=Galley House事件」の記録があったことに気付く。
【ex.『この事件と、今取り扱っている現在の事件の類似点に気づきはじめたことと思う。』(13-VI-7-8)】
そして、なんとこの時代には「死体が死亡前後に聞いていた音声を再生できる」最新技術が開発されていた。(00-audio-recovery)
この最新技術を使い、Galley House事件で埋葬されていた遺体十二体と一体から、彼らが当時聞いていた音声を復元。
それらを組み合わせることで、Rupertが死ぬ直前からJohnが死んだ後までの、ほぼ完全な全員分の音声記録が完成。
Richardはパソコンに「@」でコメントを残しながら、事件を調査。
その末に、Richardは「呪い」の存在を認識してしまう。
そして、事件簿で直近の事件の関係者を確認したところ、忘れていた人物たちのことをすべて「思い出して」しまう。
「00-final-note」によると、この時の連続死事件で「呪い」の犠牲者になっていた人物の名前はMegan、Simon、George、Andy、Deborah、David、Tom、(ここから捜査関係者?)Darren、Sarah、(+Richard Longley)。
かくして、「呪い」にかかって死期が近いことを悟ったRichardは、自分が最後に「すべきこと」を理解。
それは、呪いの全貌を記録した上で、自分のことを「思い出せる」人間がいなくなった遥か未来まで「呪い」を抱え込んで、一人で死ぬことだった。
Richardは、自分の残した事件記録に対し、閲覧可能な人間および時期を厳格に制限。
迫り来る死にアドレナリンがドバドバ出る中、最後のファイル「00-final-note」を執筆。(もしかしたらこの時、同時に他ファイルにも手を加えている可能性もある。本来恐ろしい夢のことが書かれてあったらしい「00-dream」を書き換えたのもこの時かも?)
[@] これはGalley House事件の理想的な終結ではないかもしれない。真相を知るのはおそらく僕だけで、その真相は僕とともに消える。
[@] 死んだ後も僕に語りかけてくれた人々が、ここまで導いてくれたのだと思いたい。これが最善の結果だと信じてる。その一端を担えて光栄だ。
[@] たとえ僕を覚えていなくても……ありがとう。
[@] まさか死ぬことにこんなに興奮するなんて思わなかった。今はもうアドレナリンだけで動いている。死ぬ前になにか大事なことを書けよ、このバカ!
そして、Richardは死んだ。「呪い」がここで止まることを祈って。
『[@] 神様、うまくいきますように。』
こうして、この時間軸での連続死事件は止まった。
時間軸4 「あなた」の調査(現在の時間軸)
そして……また少し時が流れる。
Richard Longley事件の時、捜査班に一人の男がいた。
Alan Thomas。
その当時下っ端だった彼は、事件の詳細をなにも知らされていないまま、なんだか連続死事件が突然止まったことだけを覚えている。
そして、彼はRichardが作成した「事件の内容を知る事を禁じる人物」リストにもばっちり含まれていた。
だが、そんな彼も出世した。
捜査に対して多少の権限を持てるようになった。
Alanはずっと気になっていた。
あの連続死事件について調査していた名もないエージェントが、事件の全貌を記録したコンピューターを残しているらしいことが。
そして――Alanは「概要」と題されたメッセージをあなた(プレイヤー)のinboxに送ってくる。
Alanは、
「正直、何が書かれていようと大して危険ではないだろう」と慢心し、
本来コンピューターを調査する予定だった日を「前倒し」して、
プレイヤーである「あなた」に事件の全貌を解き明かすことを命令したのだった。
――そして、今、あなたは事件の全貌を解き明かした。
だが、もしRichardのことを知る人間がこの事件の報告書を読んでRichardのことを思い出してしまったら、「呪い」は再び蘇ってしまうだろう。
「あなた」は、一体どうやってこの事件のことを上司に報告するだろうか――?
もしかしたら、「呪い」はまだ、過ぎ去っていないのかもしれない。
THE END?
(別END案)
また、これは少し飛躍した発想かもしれませんが……呪いの顛末に関して考えられる、最悪のパターンがあります。
「思い出す」という行為は、とても定義が曖昧なものです。
もし、呪いの発動条件が、「呪いによって存在を消された人物」に対して
「名前をつけるなどの行為によって明確な人物像を思い浮かべられるようになること」、程度でもいいのだとすれば――
ここまでドキュメントを読み込み、考察し、「呪い」にかかった彼が必死で隠した「Richard Longley」という本名を暴いてしまった「あなた」。
いや、ここまでゲームをプレイしたすべての人間は――
全世界的に呪われてしまいましたとさ。
おめでとうございます。
Object Class: Keter「呪い」 収容失敗
THE END……
Q.あの「ハングマン」機能は結局何だったのか?
A.本ゲームの「ハングマン」は、解決することができません。
必ず12回連続で失敗し、首吊り画像と共に
「君は、すべきことをした。
世界はより安全になった。」
と表示されます。
【ハングマンの意味考察】
1.Richard Longleyが自分の辿った道を伝えてる(自殺したことを示唆してる)
こんな考察をネットで見ました。「THE END」の場面で出る首吊りAAと同じものだからでしょうか? しかし、Richardは「23-CH-1-2」でAnnieが呪いを止めようとピストル自殺した時にベタ褒めして「少なくともこちらで同じことを試す必要はなくなった。」と言っているので、個人的にはRichardが自ら命を絶った可能性は低いのかなと考えてます。
2.Richard Longleyが事件のことを伝えるために作った不謹慎ゲーム
個人的にはこの線かなーと思ってます。
ハングマンで間違えられる回数は12回。
Galley House事件で呪われた人数も12人。
つまり、このゲーム自体が
「12人が呪いで連鎖死した末に自ら死を選んだ」
Galley House事件とJohn Hobbesの顛末をゲーム化したものなのではないでしょうか?
いわゆる、実在の事件を元にした不謹慎ゲーム。
でも、できるだけ詳細を伝えないまま後世に事件を残そうとするために考えた結果作ったのがこの不謹慎ゲームだった、としたらRichardくん、こういうの作ってるから友達がいないんだぞ。
余談:このゲームのテーマについて
このゲームを遊んだ僕が真っ先に思い出した言葉は、
「人間は二度死ぬ。一度目は肉体が死んだ時。二度目は、存在が忘れ去られてしまった時だ」
というものでした。
(言葉の出典はネットで調べたけど、シェイクスピアだとか、ワンピースだとか、松田優作だとか、諸説ありすぎてわからなかった)
人に忘れられることのつらさ、悲しさ。
人間が本当に「死んでしまう」ことの怖さ。
『本当はドライブを消去すべきだが、すまない。』
ここまでわかっているRichardくんがそれでもそうできなかった理由。
危ないとわかっていても、「00-dream」に自分の名前を暗号として残したくなってしまった気持ち。
Richardくんを、「呪い」の拡散を防げなかった「戦犯」と断罪するのは簡単ですが、
それでも、遠い未来の誰かに自分のことを知っていてほしい。
そんな気持ちを完全に否定してしまうことも、またできないように思います。
ちなみに「00-dream」の謎解きは、
日本語版では大文字を繋げて「RICHARD LONGLEY」になるものですが、
英語版では若干謎解きが変わっていて、
それを解くと「I am Richard Longley」(私はRichard Longleyです)
まで言い切っているので、やっぱり自己顕示欲が消せなかったんだなあと。
……余談ついでに言うと、このあたりのRichardくんの独白って、僕が人生でオールタイム・ベスト級に好きな小説であるチャック・パラニュークの『サバイバー』っぽさもあるんですよね。
主人公が墜落しつつある飛行機の中で、ブラックボックスに向かって自分の半生を語り続けるシーン。
テスト、テスト、1、2、3。
というわけで、これが僕の告白だ。
これが僕の祈りだ。
僕の物語。僕の薄っぺらな物語。
聞いてくれ。見てくれ。僕を覚えていてくれ。――(『サバイバー』 著:チャック・パラニューク 訳:池田真紀子)
僕は『サバイバー』のここらへんで泣いたので……。
人生で誰ともつながれなかった人間が、「それでも」と最後の最後に差し伸ばした手とその気持ちを思う時、泣いてしまうんですね。
『サバイバー』、本当にいい小説なので、読んでない人はぜひ読んでみてください。
それから最後に、ちょっとだけゾッとすること。
「00-dream」に書かれているこの歌のタイトルは
「Because of you」。
日本語訳だと「君のおかげ」と訳していますが、
この言葉、こうも訳せますよね?
「あなたのせい」
つまり……呪いが今
再び発動してしまったのは……
ここまでゲームを解いてしまった
お前のせいです
あ~あ
ってことなのかも……ね?
以上、Type Help、神ゲーでした。