以下の内容はhttps://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2026/02/10/181525より取得しました。


犀を殺す鳥

nagaichi*1鴆毒で亡くなったとされる人々(唐以前)」https://nagaichi.hatenablog.com/entry/2026/02/10/101801


「中国史上では最もポピュラーな毒の名である」というけれど、「鴆毒」については知らなかった。リンクされているWikipediaによると、


鴆毒(ちんどく)は、鴆と呼ばれる空想上の鳥の羽の毒。猛毒であったとされ、後世にはそのような猛毒、あるいは毒物の総称として用いられ、害毒の比喩表現としても用いられた。あるいは酖毒とも書く。

一説には、パプアニューギニアに住むピトフイという毒鳥と同種の絶滅種の羽ともいうが、実際には亜ヒ酸との説が有力である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B4%86%E6%AF%92

「 鴆と呼ばれる空想上の鳥の羽の毒」ということらしいが、そうでもないらしい。

経書『周礼』の中に鴆毒の作り方と思われる記述がある。


まず、五毒と呼ばれる毒の材料を集める。

雄黄(ゆうおう) - ヒ素硫化物
礜石(よせき) - 硫砒鉄鉱
石膽(せきたん) - 硫酸銅(II)
丹砂(たんしゃ) - 辰砂(硫化水銀(II))
慈石(じしゃく) - 磁鉄鉱(四酸化三鉄)
この五毒を素焼きの壺に入れ、その後三日三晩かけて焼くと白い煙が立ち上がり、この煙でニワトリの羽毛を燻すと鴆の羽となる。さらにこれを酒に浸せば鴆酒になるという。

煙で羽毛を燻るのは、気化した砒素毒の結晶を成長させることで毒を集める、昇華生成方法の一種ではないかと思われる。日本でも、亜砒焼きと呼ばれた同様の三酸化二ヒ素の製造法が伝わっている。

「鴆」という鳥について;

鴆(ちん、鴆、拼音: zhèn)は、中国の古文献に記述が現れている猛毒を持った鳥。

大きさは鷲ぐらいで緑色の羽毛、そして銅に似た色のクチバシを持ち、毒蛇を常食として体内に猛毒をたくわえており、耕地の上を飛べば作物は全て枯死してしまうとされる(『和漢三才図会』)。石の下に隠れた蛇を捕るのに、糞をかけると石が砕けたという記述もある(『三才図会』)。『三才図会』の記述では、紫黒色で、赤いクチバシ、黒い目、頸長7・8寸とある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B4%86


紀元前の文献では、鴆の生息したとされる地域はおおむね江南(長江以南)であり、晋代、鴆を長江以北に持ち込んではならないとする禁令があった。南朝宋では取締りが厳しくなり、皇帝が駆除のため営巣した山ごと燃やせと命令を出したとか、ヒナを都に連れてきただけの男をヒナと共に処刑させたといった記述がある。南北朝時代を最後に文献上の記録が絶えることとなるが、その頃の記録は文献毎にバラバラで統一性がなく、すでに伝説上の存在になっていた様子が窺える。唐代になると当時の政府も存在を認めず、659年刊行の医薬書『新修本草』では存否不詳とされてしまった。また鳥類学上、鳥に有毒種は全くないとされていた。それ故にいつか伝説化され、龍や鳳凰などと同様の単なる空想上の動物と考えられるようになった。だが1992年になって、ニューギニアに生息し、原住民の猟師たちが昔から食べられない鳥として嫌っていたピトフーイという鳥が羽毛に毒を有していることがわかり、かつて鴆が実在していた可能性が現実味を帯びることとなってきた。ピトフーイ以外にも2000年に発見されたズアオチメドリを皮切りに複数の毒鳥類が新たに発見されており、これら発見された毒鳥類の姿形と山海経等の古文献にある鴆の図はまるで似ていないものの、当時の中国に未知の(既に絶滅した)毒鳥類が生息していた可能性は否定できない。
実は、この実在するのかしないのかわからない鳥類は、或る哺乳類(犀)の危機に責任があるのだった;

鴆毒の毒消しには犀角(サイの角)が有効という迷信がいつの頃からか信じられ、毒酒による暗殺を恐れた中国歴代の皇帝や高位の貴族たちは、犀角でできた杯を競って求めた。

この犀角の毒消し効果に関する迷信は、鴆が記録から消え去った後は「あらゆる毒の毒消しに有効である」とか、「劇的な精力剤である」という形に昇華され現在に至っている。ゆえに、今日でも世界各地の漢方薬局では犀角が非常な高価で取引されており、その影響でアジアやアフリカのサイは絶滅が危惧されるまでにその個体数を減らした。

現在、サイは全種が絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約ワシントン条約)や、生息する地域に位置する国家から厳重に保護されているにもかかわらず、常に高価な角を狙う密猟者の手による射殺の危機に晒されている*2

さらにこの犀角にまつわる迷信は後に西洋に伝わり、ユニコーン*3の角は水を清めるという別の迷信を生んだ。




以上の内容はhttps://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2026/02/10/181525より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14