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或る反復

梨木香歩*1『椿宿の辺りに』の主人公「
佐田山幸彦」は〈海幸・山幸神話〉の「山幸彦」に由来する。「海幸彦の弟でありながら、気が小さく余計なことばかりしでかして問題をどんどんややこしくしていく大変困った「神の子」なのだ」(p.23)。また、「山幸」から「山師」も直ぐに連想する(ibid.)。
私は「山幸」の説話がどうして(天皇や国家を正当化する筈の)神話に残されたのか不思議に思った。物語のテーマとしては、兄弟という略平等な関係の主従関係への変化であろう。山彦は神武天皇の祖父に当たり、海彦は天皇大和朝廷)に服属した隼人の祖とされる。天皇としては、自分は小心なペテン師の子孫だという事実が突き付けられ、隼人の側にとっても、自分たちが大和に服属したのは欺瞞のためだということになってしまう。
山幸(火遠理命)と父親・瓊瓊杵尊の間にはその妻(豊玉姫と木花之咲耶比売*2)の扱いが似ているとかねがね思っていたけれど、山幸問題を考えていたら、山幸の行動には、彼にとって高祖父(曽祖母・天照の父)であるイザナキ(伊弉諾)の反復があるんじゃないかと気づいた。

イザナキ(禁止されながら見る)イザナミ/死/イザナミが追いかけ・イザナキが逃げる

山彦(禁止されながら見る)豊玉姫/出産/逃げる


山彦は綿津見神の娘である豊玉姫と結婚するが、豊玉姫の出産に際して産屋を覗くなと豊玉姫に言われたのに覗いてしまい、龍となって苦しんでいる豊玉姫を目撃してしまう。その結果、豊玉姫は夫も子どもも残して故郷(綿津見の国)へと帰ってしまう。死と出産、また追いかけるか実家に帰るかは逆だけど、禁止にも拘らず見るというのは共通している。だが、この反復にどのような物語的・神話的意味があるのかは分からぬ。




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