令和ロマンの高比良くるまが吉本興業とマネジメント契約を終了。相方の松井ケムリは事務所に残留するが、コンビとしての活動は継続されるとのこと。吉本興業側は「双方合意の上で契約終了した」と発表しているが、くるまは自身のYouTubeチャンネルにおいて「事務所の偉い人から契約終了を促され、何度も謝罪したのだが最終的には合意することになった」という旨の説明をしており、それぞれの見解の食い違いが物議を醸している。また、動画内では今回の契約終了について、自身のオンラインカジノ賭博ではなく、オンラインカジノ賭博騒動について説明する動画を公開したことが原因であるという話がされており、これについてもお笑いファンの間で疑問の声があがっている。
正直、くるまの契約終了については、さほど心配していない。ネタやトークの面白さ、M-1王者(二連覇)という確固たる実績、時代の流れを的確につかむ先鋭性など、その才能を既に様々な場所で見せつけているくるまが落ちぶれる姿なんて、まったく想像が出来ない。仮に、今回の件を受けて、くるまがテレビやラジオのようなメディア媒体に出られなくなったとしても、ライブやYouTubeには出演できるだろう。少なくとも、完全に姿が消されてしまうということは、きっと起こらない。もしも、そのようなことになってしまったら、それはメディアや各芸能事務所が、昨今のありとあらゆる芸能に関する問題を受けて、微塵も反省していないということの証明である。それこそ自殺行為だろう。
驚いたのは、今回の契約終了を切り出したのが、くるまではなく吉本興業だったことである。どうして驚いたのかというと、「そこまでの厳しい対応が求められるような事件だったとは思えない」からだ。そもそもの発端であるオンラインカジノ賭博からして、さほど大した問題ではない。オンラインカジノ賭博の入り口である無料版の広告が各所に出回っていた2020年ごろの話が、今頃になって引っ張り出されただけのことでしかない(それでも良くないというのであれば、その責任を無料版広告を受け入れていたメディア側も幾らかは背負うべきだろう)。この件を受けて、くるまが勝手に自身のYouTubeチャンネルで経緯を説明する動画を公開したのも、ちょっとしたスタンドプレーの範疇だろう(もっとも、これに関しては、令和ロマンのラジオ番組において、くるま自身が「当時、劇場の一番偉い人に確認を取った」と説明しているらしい)。それが事前の話し合いもないままに契約終了である。意味が分からない。
『M-1グランプリ』という大会は、数多くの漫才師を抱え込み、全国に劇場を構えている吉本興業にとって、非常に重要なイベントである。その重要なイベントにおいて、三大会ぶりに誕生した自社所属の漫才師、それも二連覇を達成した歴史的なチャンピオンなんて、なによりも大切に育てなくてはならない存在だろう。しかも、ただのチャンピオンではない。誰よりも賞レースのことを大切に考え、他事務所所属の芸人たちと積極的に交流を深め、その発言や考え方は中堅・ベテランにも影響を与えているような、そのコンビ名の通りに令和の時代を代表する芸人の一角として将来を期待されていた若きチャンピオンである。それをみすみす手放してしまうなんて、どう考えても意味が分からない。くるまが未だに公表されていない犯罪に手を染めてでもいないかぎり、説明がつかない(バンドの場合、たまにそういう尻尾切りが起きる)。一体どうして……?
ともあれ、くるまは帰ってきた。ピンとして、コンビとして、今後の活動にも期待したい。そして、こんなことが忘れ去られる過去になってしまうぐらいに、高速でこの時代を駆け抜けていってもらいたい。くるまだけに。ブンブン!