チャルメラの宮崎辛麺が好きだ。辛味がそれほど強すぎず、とはいえ、きちんと「辛い」と感じさせてくれる塩梅の良さを気に入っている。先にスープの素を入れてから麺を煮込む段取りも良い。味がしっかりと染み込んだ麺を噛み締めるたびに、口の中に辛味と旨味が溢れ返る。ただし具はない。もっとも、具がないということは、何を入れても構わないという包容力の表れともいえる。私はいつも卵とニラを入れている。ニラは事前に短めにカットしておいたものを、真空パックに入れて冷凍庫に貯蔵している。使用するときには、沸き立つ真っ赤なスープの中で麺が踊っている鍋の中に、寄り添わせるようにパラパラと振り掛ける。「栄養バランスを考えていますよ」と自分を騙すためのアリバイ作りだ。それらが混ざり合っているところに、溶き卵を注ぎ込む。一ヶ所に集中させてしまうと、溶き卵が鍋底で焦げ付いてしまう危険性があるので、麺全体にまんべんなく被せるようにかける。我が子にタオルケットをかけてあげる両親の心持ちである。入れるのは出来上がりの一分前を想定している。生の状態でもなければ、完全に火が通りきっている状態でもない、ほどほどにフワフワちゃんな状態を志し、反省と精進を繰り返しながら導き出したタイミングである。そうすれば、舌を刺激する辛味とフワフワ卵のマイルドな風味が華麗なマリアージュを演出してくれる。そうして麺を食べ終わった後には、その跡地にご飯の山を埋め立てたい。微かに卵を残した辛口の残り汁は、甘みをまとっている米との相性が良い。無論、健康のことを考えるのであれば、このようなことはすべきではない。背徳だ。しかし、人体に害をおよぼす煙草や酒が、未だに人類にとって最上の嗜好品として健在であることからも分かるように、不健康な行為にこそ快楽は眠っている。得てして、そういうものである。画して、ラーメンの残り汁にはご飯が投入され、それらは私の口の中へと速やかに収められてしまうのであった。これに関しては、反省も精進もへったくれもない。ただ本能のままにがっつくだけである。以上の理由から、私はチャルメラの宮崎辛麺を愛している。故に、まだ食べたことがない人にも、一度は食べてもらいたい所存である。安いし。