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その記事、誰の「痛み」を解決していますか? 読まれないコンテンツに共通する「自分語り」の病 【新人さんのためのマーケティング講座 Season2 vol.9】

📘 新人さんのためのマーケティング講座 Season2

Season1では、マーケティングの基礎概念からWeb広告の実務知識までを体系的に解説しました。Season2は、配属されてしばらく経ち、実務をこなしながらさまざまな「壁」にぶつかり始めた方に向けて、より実践的なテーマを掘り下げていきます。

まだSeason1を読んでいない方は、まずそちらからどうぞ。▶ 新人さんのためのマーケティング講座 Season 1【全14回まとめ】 ——マーケティングの基礎知識を徹底解説!

あなたが書いた記事、誰も読んでいません。

正確に言えば、クリックはされている。でも、3秒で離脱されている。最後まで読まれていない。問い合わせにもつながっていない。

その原因を、あなたは「タイトルが弱い」「SEOが足りない」と考えているかもしれません。しかし本当の問題は、もっと根深いところにあります。その記事は、誰の「痛み」も解決していないのです。

本記事では、読まれないコンテンツに共通する「自分語り」の病を診断し、その処方箋をお渡しします。記事や資料を書いても反応がない、という壁にぶつかっている方は、ぜひ最後まで読んでください。

読まれないコンテンツの共通点

企業ブログ、ホワイトペーパー、製品紹介ページ。読まれないコンテンツには、ある共通点があります。それは「We(私たち)」が主語になっていることです。

「私たちは創業30年の実績があります」「弊社のサービスは業界トップクラスの品質です」「当社の強みは、豊富な経験と専門知識です」——こうした文章を見て、あなたはどう感じますか? おそらく、何も感じないはずです。読み飛ばすか、ページを閉じるでしょう。

『お客様はあなたの会社に「1ミリも興味がない」』で解説した通り、顧客は企業の自慢に興味がありません。顧客が興味を持つのは、ただひとつ。「自分の問題が解決するかどうか」です。

「自分語り」というノイズ

なぜ、企業は「自分語り」をしてしまうのか。理由は単純です。自分のことは語りやすいからです。

自社の歴史、自社の技術、自社の理念。これらは調べなくても書けます。社内の誰に聞いても答えが返ってきます。だから、つい書いてしまう。しかし、それは読者にとって「ノイズ」でしかありません。

想像してください。あなたが頭痛に悩んで薬局に行ったとします。薬剤師が「うちの薬局は創業50年です。最新の調剤設備を導入しています。スタッフは全員、国家資格を持っています」と延々と説明してきたら、どう思いますか? 「いいから、頭痛に効く薬をくれ」と思うはずです。

企業のコンテンツで起きているのは、まさにこれです。顧客は「痛み」を抱えて訪れているのに、企業は自分の話ばかりしている。

なぜ「痛み」から入るべきなのか

ここで、行動経済学の知見を借りましょう。ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの「プロスペクト理論」によれば、人間は「得をする喜び」より「損をする痛み」に2倍以上強く反応するとされています。

つまり、「この商品を使えば売上が10%上がります」より、「このまま放置すると売上の10%を失います」のほうが、人の心を動かすのです。

だから、コンテンツは「痛み」から入るべきなのです。「あなたは今、こういう問題を抱えていませんか?」——この問いかけに「そうそう、まさにそれ」と思ってもらえた瞬間、読者はあなたの味方になります。

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コンテンツは「処方箋」である

ここで、コンテンツの定義を変えてください。コンテンツは「情報の羅列」ではありません。コンテンツは「顧客の痛みに対する処方箋」です。

処方箋には、必ず「症状」と「薬」がセットになっています。「あなたの症状はこれですね。だから、この薬を出します」——この構造がなければ、患者は納得しません。コンテンツも同じです。

まず、「痛み」を特定する。次に、その痛みを解決する「処方箋」を提示する。この順番を守るだけで、コンテンツの反応は劇的に変わります。

痛みを特定する3つの問い

では、どうやって顧客の「痛み」を特定するのか。以下の3つの問いを自分に投げかけてください。

1. 顧客は今、何に困っているのか?
具体的な症状を言語化します。「売上が伸びない」ではなく、「広告費をかけても問い合わせが増えない」「記事を書いても読まれない」というレベルまで具体化してください。

2. その問題を放置すると、どうなるのか?
痛みの「将来像」を描きます。プロスペクト理論で述べた通り、人は損失に強く反応します。「このままだと、来期の予算を削られるかもしれない」——こうした将来のリスクを示すことで、読者の当事者意識を高められます。

3. なぜ、その問題はまだ解決していないのか?
ここが重要です。顧客はすでに何らかの努力をしているはずです。それでも解決していない理由——つまり「ボトルネック」——を特定できれば、あなたの処方箋は刺さります。

「You」主語へのリライト術

さて、ここからは具体的なリライト術です。「We」主語を「You」主語に変換する方法をお伝えします。

変換ルール1:「私たちは」を「あなたは」に置き換える

最も基本的な変換です。主語を入れ替えるだけで、文章の印象は180度変わります。

✕ We主語(読まれない)

「私たちは、業界No.1の導入実績を誇っています」

◯ You主語(読まれる)

「あなたは、すでに500社が成果を出した方法を、まだ試していないかもしれません」

変換ルール2:「機能」を「ベネフィット」に翻訳する

vol.1で解説した「PL翻訳」と同じ考え方です。機能は「私たちができること」、ベネフィットは「あなたが得られること」。この翻訳を徹底してください。

✕ 機能(We視点)

「AIによる自動レポート生成機能を搭載しています」

◯ ベネフィット(You視点)

「毎週3時間かけていたレポート作成が、ボタンひとつで終わります」

変換ルール3:「実績」を「再現性」に変える

企業は実績をアピールしたがります。しかし、読者が知りたいのは「自分にも同じことができるか」です。

✕ 実績(We視点)

「弊社は年間1,000件のプロジェクトを成功させています」

◯ 再現性(You視点)

「あなたと同じ課題を抱えていた1,000社が、この方法で解決しました」

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明日からできるセルフチェック

最後に、あなたのコンテンツを診断する簡単な方法をお伝えします。

書き上げた記事や資料を開いてください。「Ctrl+F」で検索窓を出し、以下のキーワードを検索します。

「私たち」「弊社」「当社」「我々」——これらの出現回数をカウントしてください。次に、「あなた」「御社」「貴社」の出現回数をカウントします。

もし前者のほうが多ければ、そのコンテンツは「自分語り」に陥っています。後者が前者の2倍以上あれば、顧客視点で書けている証拠です。

これは機械的なチェックですが、驚くほど効果があります。騙されたと思って、一度試してみてください。

「痛み」に寄り添えるか

本記事で伝えたかったことは、結局ひとつです。コンテンツは、顧客の「痛み」に寄り添えているか。

企業の歴史、技術、理念。それらは大切なものかもしれません。しかし、顧客が求めているのは「自分の問題を解決してくれる情報」です。その期待に応えられなければ、どれだけ立派なことを書いても読まれません。

「We」から「You」へ。主語を変えるだけで、コンテンツは「自慢」から「処方箋」に変わります。明日から書く記事、資料、メールのすべてで、この視点を意識してみてください。反応は必ず変わります。

 

【本記事のまとめ】

1. 読まれないコンテンツは「We」が主語
企業の自慢は顧客にとってノイズ。顧客が知りたいのは「自分の問題が解決するか」だけ。

2. 「痛み」から入れ
プロスペクト理論によれば、人は損失に2倍強く反応する。ベネフィットより先に「痛み」を特定せよ。

3. コンテンツは「処方箋」
症状(痛み)と薬(解決策)をセットで提示する。情報の羅列ではなく、問題解決の道筋を示す。

4. 「You」主語に変換せよ
機能→ベネフィット、実績→再現性。「私たちができること」を「あなたが得られること」に翻訳する。

5. セルフチェックを習慣に
「私たち」と「あなた」の出現回数を比較。後者が2倍以上なら合格。

 

【コンテンツ診断チェックリスト】

□ 冒頭で顧客の「痛み」を言語化しているか?

□ 「私たち」より「あなた」のほうが多いか?

□ 機能ではなくベネフィットを語っているか?

□ 実績を「再現性」として伝えているか?

□ 読者が「自分ごと」として読める構成になっているか?

□ 読み終わった後、読者が「何をすべきか」が明確か?

コンテンツの「自分語り」問題に関するFAQ

Q. 会社の実績や強みをまったく書かないほうがいいのですか?

A. いいえ。実績や強みは書いて構いません。ただし、書く順番と書き方が重要です。まず顧客の「痛み」に共感し、解決策を提示した後で、「なぜ私たちがそれを提供できるのか」という文脈で実績を示す。この順番を守れば、実績は「自慢」ではなく「信頼の根拠」として機能します。

Q. BtoB向けの硬い文章でも「あなた」は使えますか?

A. 使えます。「御社」「貴社」に置き換えても構いません。重要なのは、主語が「私たち」ではなく「相手」になっていること。「弊社のシステムは高速処理が可能です」より「御社の業務処理時間を半分に短縮できます」のほうが、相手の関心を引きます。

Q. 「痛み」を強調しすぎると、ネガティブな印象になりませんか?

A. 「痛み」の提示は入り口です。必ず「解決策」とセットで示してください。痛みだけを延々と語れば不安を煽るだけですが、「こうすれば解決できます」という希望を示せば、読者は前向きな気持ちで読み進められます。処方箋のない診断は、ただの脅しです。

▼ 新人さんのためのマーケティング講座 Season2

配属されてしばらく経ち、実務で壁にぶつかり始めた方へ。より実践的なテーマを掘り下げます。

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【プロフィール】
岡 健作(おか・けんさく)

スタディーハッカー 代表取締役社長
1977年生まれ、福岡出身。同志社大学卒業。2010年に創業。「Study Smart(合理的に学ぶ)」をコンセプトに、科学的知見に基づく英語パーソナルジム「ENGLISH COMPANY」を設立し、人気ブランドへと成長させる。 事業拡大の要として、自らオウンドメディアとSNSの編集長を兼任。オウンドメディアは最大500万PV、Instagramでは月間700万PV、フォロワー27万人規模のメディアにするなど、広告費に依存しない集客モデルを確立する。現在はその知見を活かし、「企業の認知獲得の専門家」として、論理とデータに基づいた再現性の高いメディア戦略・ブランディング論を発信している。
X→@oka_kgs / Instagram→@oka_ken2010 /




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