
朝の過ごし方が、その日の流れを左右する。頭ではわかっていても、ついアラームを止めた勢いでSNSを開き、どうでもいいゴシップやネット上の揉め事に意識を奪われてしまう。そんな「最悪ルーティン」から抜け出せない人は少なくありません。
本当に使いたいことに集中するために、朝スマホを見ない。たったこれだけで、1日の充実度が驚くほど変わります。
習慣を変えるのはたしかに大変ですが、自分のために小さな一歩を踏み出してみませんか?
本記事では、朝スマホがもたらす問題点と、どうしてもやめられない人でも試せる実践的な対策を紹介します。
朝スマホが、1日のパフォーマンスを下げてしまう理由
朝、スマホで情報収集するのは、じつは多くのデメリットがあります。多くのビジネスパーソンは、「朝にSNSやニュースを見るくらいたいしたことではない」と思いがちですが、朝のスマホ習慣は、想像以上に1日のパフォーマンスを下げてしまうのです。
本来やりたかったことよりスマホを優先し、1日が台無しに
「今日はあの仕事を片付けよう」「前から気になっていたイベントに行こう」そんな意欲があっても、寝起きにネット検索を始めてしまうと、つい止めどきを失い、気づけば時間がなくなっていることがあります。その結果、「今日はもういいか」と予定を先延ばしになり、なんとなく満たされない気持ちが残ってしまうのです。
集中力がうばわれる
実際、「朝にスマホを見続けた日は、なんだか仕事に集中できない」と感じた経験はありませんか? それは、仕事に取りかかる前の時点で脳が「疲れた状態」になっているからです。おくむらメモリークリニック院長の奥村歩氏は以下のように説明しています。
前頭前野が担う「3つの思考モード」
前頭前野は、情報処理の機能として「浅く考える」「深く考える」「ぼんやりと考える」という3つのモードを使い分けています。
- ✔︎ ① 浅く考える機能
- ✔︎ ② 深く考える機能
- ✔︎ ③ ぼんやりと考える機能
スマホを見すぎると ① の機能ばかりが使われて脳が疲弊し、逆に ② と ③ の機能は使われず、フリーズしてしまうのです。*1
朝からスマホを見ることで、脳の情報処理機能がうまく働かなくなってしまい、結果として仕事がはかどらなくなってしまうのです。
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「朝はスマホを開かない」を無理なく習慣にする
とはいえ、朝にスマホを見ることはよくないとわかっているのに、どうしてもやめられないという人は多いもの。ここでは、現実的に取り入れられるアクションを紹介します。
スマホのアラームではなく、目覚まし時計を使う
朝、最初にすることは、スマホのアラームを止めること。これこそ、朝にネットで情報収集を始めてしまう原因です。目覚めた瞬間にスマホを手に取れば、そのままSNSやニュースへと流れるのも無理はありません。
習慣化の基本として、「ベビーステップ」という考え方があります。これは「ものごとをはじめる初動のハードルをなるべく低くする」という手法のこと。
習慣化コンサルタントの古川武士氏は、ベビーステップには「初動のハードルを低く設定することで行動に移しやすくし、その行動から生まれるモチベーションが連鎖的に次なる行動につながる」効果があると語ります。*2
朝スマホのアラームを止めるというのは、まさにネット巡回のためのベビーステップ。そのまま「眠いし目が覚めるまでちょっとネットを見よう」とスムーズにネットの時間が始まってしまうのです。
そこで有効なのが、アナログの目覚まし時計に切り替えること。
スマホについている機能を、わざわざアナログに戻すのは無駄のように感じますが、これは『SINGLE TASK 一点集中術』(ダイヤモンド社,2017)を著したデボラ・ザック氏もスマホ依存から抜け出す有効な方法だとすすめています。*3
朝は、昔ながらの目覚まし時計で起きるようにすれば、ネットから距離を置くことができます。
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朝はスマホの前に、まずやりたいことに手をつける
せっかく目覚まし時計を止めて布団から抜け出した。朝の準備や片付けておきたいことはあるけれど、なんとなく気が乗らない。やっぱりショート動画を見ているときのような楽に楽しめる何かが欲しい。そんな気持ちから、ついスマホに手が伸びる人も少なくありません。
ここでも「ベビーステップ」が役立ちます。
作業療法士の菅原洋平氏は、「朝、目覚めたら、スマホを見る前に、やろうと思っていたことに少しだけ手をつけてみること」をすすめています。*4
菅原氏は、「朝イチにやりたいことをやれば、すぐに能動感覚が得られ、充足感を得やすくなる」と話します。
朝はまず、やりたいことに手をつける。これがベビーステップとなり、自動的にやりたいことに割く時間が増えていきます。そのあとでなら、スマホもOKです。
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朝起きてすぐスマホを触ることは、集中力とやる気をあっという間に奪います。「朝はネットを見ない」というたったひとつのルールをつくるだけで、1日の質は驚くほど変わります。ぜひ実践してみてください!
よくある質問(FAQ)
Q朝スマホを見ると、なぜ1日のパフォーマンスが下がるのですか?
A朝からスマホでSNSやニュースを見ると、脳の「浅く考える機能」ばかりが使われて疲弊し、「深く考える機能」や「ぼんやり考える機能」がフリーズしてしまいます。その結果、仕事に取りかかる前にすでに脳が疲れた状態になり、集中力が低下してしまうのです。
Q目覚まし時計に変えても、結局スマホを触ってしまいそうです。どうすればいいですか?
Aスマホを見る前に、やりたいことに「少しだけ」手をつけてみてください。これが「ベビーステップ」となり、自分主体で行動したという充足感が得られます。この小さなアクションが次の行動につながり、自然とやりたいことに時間を使えるようになります。
*1 大正製薬ナビ|集中力や記憶力が落ちていませんか?「スマホ脳疲労」に注意
*2 マイナビニュース|「続けられない人」から「続けられる人」へ。「ベビーステップ」の絶大効果! /習慣化コンサルタント・古川武士
*3 ダイヤモンド・オンライン|人生は結局「スマホ依存」を抜け出せるかにかかっている。頭のいい人はどうしている?
*4 マネーポストWEB|「朝起きてすぐスマホを触っていませんか?」"多忙感"を充足感に変えるために心がけたい、ちょっとした朝の行動
柴田香織
大学では心理学を専攻。常に独学で新しいことの学習にチャレンジしており、現在はIllustratorや中国語を勉強中。効率的な勉強法やノート術を日々実践しており、実際に高校3年分の日本史・世界史・地理の学び直しを1年間で完了した。自分で試して検証する実践報告記事が得意。