
これからのキャリアを考えるうえで「自分の好きなことに向き合おう」と言われるものの、「そもそも自分の好きなことがわからない」という人も少なくありません。
それなら、手元にあるスマホのなかをチェックしてみるのはいかがでしょうか?
スクリーンショットやブックマーク、SNSで「いいね」した投稿など、無意識のうちに保存した情報は、あなたの関心そのものです。
これらを上手に整理すれば、「自分の関心の核」がはっきり見えてきます。
本記事では、「DIKWピラミッド」を使ってスマホのデータを整理し、「好きなこと」を見つける具体的な方法を紹介します。
「自分の関心」は、スマホのなかにある!
「いまの仕事をこのまま続けるべき?」
「なにか副業や、それにつながる勉強を始めるべき?」
ふとした瞬間に、このような迷いが頭をよぎることがあります。
こんなとき、まずすべきなのは「自分が何に関心を持っているか」を可視化することです。
「とはいっても、それがわからない」と悩んでしまう人も多いでしょう。そこで、スマホです。
スクリーンショットした画像、ブックマークした記事やポスト、検索履歴、日々何気なく活用しているアプリ——スマホには、「自分がいま関心をもっていること」がたくさん保存されています。
現代社会で、スマホほど自分の関心が色濃く反映されているものはありません。
しかし、それらはそのままにしておけば、ただのまとまりのない記録に過ぎません。
「DIKWピラミッド」を参考に整理することで、「自分はこういうことに関心がある。だからこんな行動をとってみよう」と、具体的な行動につなげることができるのです。
DIKWピラミッドとは?
「DIKW」とは、「人間の知の分類」をするためのモデルのこと。*1 アメリカの組織論学者であるRussell Ackoff氏らが提唱しました。*2
「DIKW」は「Data(データ)」「Information(情報)」「Knowledge(知識)」「Wisdom(知恵)」の頭文字をとっています。
この「DIKW」をピラミッド型に整理したものが「DIKWピラミッド」です。「人間の知」は、ピラミッドの下から上に向けて段階的に発展していくと考えられています。*1

たとえば、SNSで目にした記事やニュースは単なる「データ」ですが、同じテーマの記事をまとめて整理し、意味を見出せば「情報」になります。
さらに、自分の過去の経験や仕事に照らして考えれば「知識」になり、最後に「これは仕事のあの場面で使える知識だ」と判断できれば「知恵」に昇華したことになります。
つまり、「DIKWピラミッド」を意識すると、散らばった情報から意味を見出し、汎用性のある知恵として役立てられるようになるわけです。
本記事では、それを「自分の関心の発見」に応用していきます。
DIKWピラミッドで自分の関心を整理する方法
わかりやすくするため、筆者の実践もあわせて紹介します。

1.「データ」を集める
まずは、スマホのなかに溜め込んだ情報をざっと確認します。たとえば——
- 写真やスクリーンショット
- 読みたいと思って保存したブックマーク
- SNSで「いいね」を押した投稿
- 検索履歴
スクリーンタイムを見て、どのアプリに時間を使っているのかチェックするのもおすすめです。
◇筆者の場合
💡SNS・ブラウザのブックマークや検索履歴、Kindleで購入した書籍をチェックしてみました。
😯イラストや面白かったレポ漫画、かわいいと感じた服やアクセサリー、評判の良い商品、効率化や習慣化の書籍など、さまざまな「データ」が集まりました。
2.「情報」として整理する
集めた「データ」を、テーマやジャンルごとに整理します。
- 共通するテーマや分野をまとめる
- 頻繁に反応するトピックをリスト化
- 「なぜ気になったのか」を簡単にメモ
こうすることで、ただの情報の断片だったものが「自分の関心の傾向」として整理できます。
「集める」「整理する」のプロセスで、ノイズとなる情報を「捨てる」ことも重要だと感じました。
◇筆者の場合
カテゴリーごとに「なぜこの『データ』を集めたのか?」と観察してみると、さまざまな共通点を発見できました。
レポ漫画:
自分がまだ未体験の出来事を追体験したいという欲求がある。
イラスト・服やアクセサリー:
よく見ると、配色が似通っていた。つまりいま自分が好きな配色が浮き彫りになっている。
商品・効率化や習慣化の本:
生活や仕事をより便利にしたい・効率化したいという気持ちがある。
一見バラバラの「データ」を整理することで、「いま、自分がどんなことに魅力を感じているのか」が「情報」として表れてきました。

3.「知識」に変換する
整理した「情報」を、自分の経験や得意分野と結びつけて考えてみましょう。
- この記事の内容は、自分の経験と関連しているか?
- このテーマには以前から関心があったか?
- 仕事や趣味に活かせるポイントはあるか?
「情報」のままでも自分の関心の傾向はわかりますが、さらに自分の経験と関連づけて考えることで、断片的な「情報」が一貫性のある「知識」へと発展します。
◇筆者の場合
未体験の出来事を追体験するのが好き
掘り下げると、「体験を共有する表現」が好きで、これは自分がライターとして読者に届けたい価値にもつながると気づいた。
配色の好み
振り返ってみると、色の好みは移り変わるものの、一貫してコントラストがはっきりした組み合わせを好むことがわかった。
生活や仕事の効率化
最新の商品や新しい方法論を、実際に自分の手で試すことが好きであることが根底にあるとわかった。
「なぜこれが好きなのだろう」「いつから好きなのか」など、自問自答しながら深掘りすると、共通点を見出しやすいと感じました。
4.「知恵」として行動に結びつける
「知識」を使って、新しい選択や行動を導き出せるようになる——この応用力が「知恵」です。ぜひ自分の生活に「知識」を活かしてみましょう。
- 気づいた関心を、次の学びや挑戦に結びつける
- 生活や仕事に取り入れて改善を試す
- ほかの人に共有して価値を生み出す
◇筆者の場合
「体験を共有する表現」が好きだとわかったので、自分でも発信できるようにコミックエッセイを描いてみることにした。
「コントラストのはっきりした配色」が好きだと自覚できたおかげで、迷いが減り、服の購入がスムーズになった。
「新しい物事を試すのが好き」ということを自覚したので、新商品や最新ニュースをいままで以上にチェックするようになった。

実際に取り組んでみると、スマホ内に散らばったささいな情報が、思った以上に自分の価値観や関心に深く結びついていることを実感できました。
「DIKWピラミッド」を意識して整理していくと、単に関心を発見できるだけでなく、それを具体的な行動や次の一歩へとつなげられるのが大きなメリットです。
今回は軽いトライアルで示しましたが、問題意識を強く持つことで、導かれる傾向や行動はさらにクリアかつ具体的になると思います。
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スマホのなかには、あなたの関心が隠れています。
DIKWピラミッドで整理すれば、自分の関心を発見するだけでなく、行動にまでつなげられます。あなたも試してみませんか?
よくある質問(FAQ)
Q. DIKWピラミッドを使って「やりたいこと」を見つけるメリットは何ですか?
A. スマホ内の断片的なデータを、具体的な行動指針(知恵)へと論理的に昇華できる点です。無意識の関心を可視化することで、納得感のある「自分軸」を導き出せます。
Q. 自己分析のためにスマホのどのデータを確認すればよいですか?
A. スクリーンショット、ブラウザのブックマーク、SNSの「いいね」、検索履歴の4つを優先しましょう。これらは、あなたが無意識に「価値がある」と感じた情報の蓄積です。
Q. 情報(Information)と知識(Knowledge)の違いは何ですか?
A. 情報は「データの共通点や傾向」を整理した状態です。知識は、その情報を「自分の経験やスキル」と結びつけ、自分にとっての意味や文脈を見出した状態を指します。
*1 株式会社NTTデータ バリュー・エンジニア|DIKWとは? データマネジメント用語をわかりやすく解説
*2 Wikipedia|DIKW pyramid
柴田香織
大学では心理学を専攻。常に独学で新しいことの学習にチャレンジしており、現在はIllustratorや中国語を勉強中。効率的な勉強法やノート術を日々実践しており、実際に高校3年分の日本史・世界史・地理の学び直しを1年間で完了した。自分で試して検証する実践報告記事が得意。