
※記事内の実践画像はすべて筆者が作成した
「もっと効率的に勉強をしたい」「試験の点数を上げたい」
勉強をするうえで、目に見える成果や成長は大切です。
しかし、なかなか成果が実感できず勉強のモチベーションが上がらない人も多いはず。
そこでおすすめなのが、10分でできる「学習ジャーナル」という復習方法です。
学習ジャーナルは、勉強の最後や1日の終わりに学習日記をつけ、振り返りをすることで学びの定着をはかるというもの。
スタンフォード大学オンラインハイスクール校長の星友啓氏が提唱しています。*1
本記事では、学習ジャーナルを使った復習がなぜ効果的なのかを解説しながら、具体的な実践方法をご紹介します。
なぜ "10分の復習" で記憶が定着するのか
「たった10分の復習で、本当に意味があるの?」と思う人もいるでしょう。
しかし、学習ジャーナルには、学びを深め記憶を定着させるための要素がいくつも含まれています。
ひとつずつ解説しましょう。
1. "要約" で理解度アップ
学習ジャーナルは、たった10分で書くため情報量は多くありません。
そのため、学習内容を端的に要約する必要が出てきます。
勉強法に関する著書を多くもつ西岡壱誠氏は、「短くまとめて『要約』するという勉強法が、実は非常に学習効果が高い勉強法」だと述べています。
なぜなら、要約は「自分の中でその情報をかみ砕いて理解して、自分できちんと納得する必要」があるから。*2
つまり、要約によって学びを自分のなかに落とし込むことができるのです。
自分の言葉で噛み砕けば、「わかったつもり」を防いで確実に覚えられるでしょう。

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2. "思い出す" ことで覚える
復習とは、その日の勉強内容を思い出すことです。
この"思い出す" 作業こそ、記憶の定着に欠かせないものです。
米国内科専門医の安川康介氏によると「思い出す作業、アウトプットすることこそが、記憶を長期に定着させる効果的な勉強法」。
特に「勉強したことや覚えたいことを、能動的に思い出すこと」を「アクティブリコール(Active recall)」と呼び、効果の高い方法だとしています。*3
「能動的に思い出す」とは、テキストなどを見ずに、自力で頑張って思い出すこと。
学習ジャーナルを書くあいだのたった10分でも、学習内容を思い出すことで記憶が強化されるはずです。

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3. "エピソード記憶" で記憶を強化
学習ジャーナルでは、勉強したことだけでなく自分の感じたことも記録します。
感情が加わることで、勉強内容が「エピソード記憶」という覚えやすい記憶になります。
脳科学と医薬を専門とする阿部和穂氏は、エピソード記憶を「主に『自分が体験した出来事に関する記憶』」と説明しています。
「その出来事の内容(何をしたか)に加えて、日時や場所などの付随情報やその体験によって何を感じたかといった感情も含めて記憶される」のが特徴です。*4
エピソード記憶(思い出)は、自分に直接関係したことで、時間情報・場所情報・感情体験を伴っていますので、あまり意識しなくても頭に残りやすいですし、かつ思い出しやすいという特徴があります。*4
つまりエピソード記憶は、勉強したことが "自分事" になるから覚えやすいのです。
普段の生活には関係のない専門用語も、疑問や感想といった自分の感情とセットにすることで記憶に残りやすくなるでしょう。

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必要なのは10分と1ページだけ。「学習ジャーナル」で復習してみた
学習ジャーナルに必要なのは、ノートとペンだけ。
書く内容も決まっています。*1
| 振り返り項目 *1 |
|---|
| 今日の勉強で自分の知識はどう変わった? |
| 今日の目標は達成した? 明日の目標は? |
| 今日試した勉強法は効果的だった? |
| 自分の得意・不得意に関して感じたことは? |
| 勉強法の改善点は? 次回にどう生かす? |
この項目のすべてを書くわけではなく、5つの項目のなかからその日の気分で2~3項目を選びます。
さっそく筆者がノートとペンを用意して実践してみることにしました。
「要約」は絶対に書こうと決めていたため、「1. 今日の勉強で自分の知識はどう変わった?」は必ず書くことにしました。
「1. 今日の勉強で自分の知識はどう変わった?」について5分、もうひとつその日の気分で選んだトピックを5分とタイマーをかけて実践。
エピソード記憶を意識し、日付を書くことから始めました。
ちなみに勉強内容は、陶磁器の歴史です。
前半の5分では勉強内容を思い出せる限り書き出し、後半はその日の勉強方法や感想を振り返りました。
たとえば、ある日の学習ジャーナルは次のとおりです。

10分復習を習慣にすると、理解力・記憶力が劇的に伸びた
じつは以前、なかなか頭に入らず挫折してしまったテキストへの再挑戦でした。
また挫折してしまうのではないかと不安もありましたが、学習ジャーナルを一週間ほど続けたところ、勉強を続けられています。
挫折しなかった理由は、記憶の定着が実感できたからです。




まず、学習ジャーナルを取り入れたことで、「あとでアウトプットをする」という心構えができた点がよかったと思います。
勉強後に要約をするために重要なポイントを意識したり、「つまりどういうことか?」を自分なりに考えたりするようになり、学習の質そのものが高まりました。
さらに自分の言葉を使って要約や振り返りをすることで、理解度と記憶の両方が向上した実感があります。
これまでは難しい用語や、ややこしい言い回しなどをなんとなく「わかったつもり」になっていた筆者。
自分なりに言いかえをしてノートに書いた結果、きちんと理解して覚えることができたのです。
逆に思い出せなかったり、うまく言葉にできなかったりした部分は、苦手分野としてピンポイントで復習ができたのもよかったと感じています。
学びを定着させるには、勉強を "やりっぱなし" にするのではなく、日々の復習が効果的なのだと改めて実感できました。

***
「なかなか覚えられない」「もっと効率よく勉強したい」と感じている人こそ、勉強のあとに10分だけプラスしてみてください。
学習ジャーナルで復習をすることで、学びが深まり記憶も定着しやすくなるはずです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 学習ジャーナルは毎日必ず書かないと効果はありませんか?
A. 毎日でなくても問題ありません。
大切なのは「勉強した内容を振り返り、思い出す時間をつくること」です。週に数回でも続けることで、要約力や記憶の定着を実感しやすくなります。
Q2. 10分で本当に足りますか?
A. はい、十分です。
学習ジャーナルは長く書くことが目的ではなく、要点を絞って思い出し、言語化することが重要です。時間を区切ることで集中力が高まり、かえって質の高い復習につながります。
Q3. ノートではなくデジタルツールを使ってもいいですか?
A. 問題ありません。
紙のノートでもスマートフォンやタブレットでも、自分が続けやすい方法を選びましょう。ただし、見返しやすさや「自分の言葉で書いているか」を意識することが大切です。
Q4. 何を書けばいいかわからない日があります。
A. その場合は「今日いちばん印象に残ったこと」や「よくわからなかった点」を1つだけ書いてみてください。
完璧に書こうとせず、少量でも振り返ることが継続のコツです。
Q5. 試験勉強以外の学習にも使えますか?
A. はい、資格勉強や語学学習、読書の内容整理など幅広く活用できます。
知識だけでなく感想や気づきを書くことで、どの分野でも理解と記憶を深める効果が期待できます。
※引用の太字は編集部が施した
*1 日本経済新聞|スタンフォード流勉強法 脳科学生かし記憶力アップ
*2 東洋経済オンライン|マンガ!東大生の「最強の勉強法」は要約である
*3 プレジデント・オンライン|これが科学的根拠に基づく「最高の勉強法」である…「白紙を前にして繰り返し思い出す」が究極といえる理由
*4 All About|エピソード記憶と意味記憶の違い・具体例…効率的な暗記に役立つ方法も
藤真唯
大学では日本古典文学を専攻。現在も古典文学や近代文学を読み勉強中。効率のよい学び方にも関心が高く、日々情報収集に努めている。ライターとしては、仕事術・コミュニケーション術に関する執筆経験が豊富。丁寧なリサーチに基づいて分かりやすく伝えることを得意とする。