
毎日を生きているとき、私たちはいつも「〇〇をしなければ」という思考に取りつかれています。「今日中にメール返信しなければいけない」「明日までにこの報告を済ませないといけない」「上司や同僚に嫌われないようにしないといけない」など。
決められたことをきっちり守ったり、やるべきことをきちんとこなしたりすることは、たしかに大切でしょう。しかし、全部が全部、"本当にしないといけないこと" でしょうか。少し立ち止まって考えてみると、そこには "決してする必要のないこと" も案外含まれていることに気づくはずです。
そこで今回は、人間関係にちょっと疲れている筆者が、人間関係における「しなくていいこと」について考えてみました。無理に距離を縮める必要のない人との関わり、必要のない気遣い、人間関係に疲弊しているビジネスパーソンには、大いに参考になるはずです。
自分基準でつくる「しないことリスト」とは?
今回の記事で扱う「しないことリスト」とは、自分のなかに知らず知らずのうちにインプットされている「〇〇すべき」という考えを改めて見つめ直し、自分の人生に必要ないものをまとめるリストのことです。
著書『しないことリスト』が話題になったpha氏は、次のように述べています。
世間一般の『普通』に合わせようと頑張り過ぎると疲れてしまいます。それよりも他人の目を気にせず、『自分基準』で生きると楽になりますよ
(引用元:日経doors|私たちが本当に必要なのは「しないことリスト」だった)
たしかに、「飲み会には必ず参加すべき」「上司より先に帰ってはいけない」など、私たちはいつの間にか、職場の空気を基準とした「すべきこと」に時間や心を圧迫されています。こういった考え方にとらわれたままだと、行動や思考が制限されることにもつながりかねません。
pha氏によれば、「すべきこと」と「しないこと」を振り分けるうえでは、世間体を基準にする必要はないとのこと。最終目標はあくまで "自分が生きやすくなる" ことです。
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人間関係で「10個のしないこと」を考えてみた
というわけで、人間関係で疲れることの多い筆者も、人間関係に関することに絞って「しないことリスト」を作成してみました。すでに実践しているものもありましたが、自分の心に改めて刻むためにリスト化。以下のようになりました。

筆者が人間関係で最もつまづくのが、人の気持ちを勝手に想像することによる "取り越し苦労" です。「いま話しかけたら迷惑かも……」「言い方がきつくて落ち込ませたかも……」「相手を怒らせちゃったかも……」など、ネガティブな方向にばかり想像が進んでいってしまうのですが、よくよく考えてみたら、本当に悪い想像通りになったことはほとんどなく……。無駄な落ち込みをなくすためにも、1項目に挙げました。
一方で、筆者は単独行動が苦にならない性格のため、「ランチや出張はひとりのほうが楽しい」のが本音ということに、リスト作成を通して気づきました。これまでは「一緒に行く?」「次は誘うね」と返していましたが、これからは素直に「ごめんね、ひとりで行きたいんだ」と話すようにしたいと思います。
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10個考えてみて思ったこと
人間関係の「しないことリスト」を作成したことで、これまでの自分が、いかに相手基準で動こうとしているかに気づきました。「会話の沈黙を怖がっていた」「周囲に求められるキャラクターを演じようとしていた」のは、その最たる例でしょう。
それと同時に、相手に対する自分の想像は的外ればかりだと気づきました。先述の通り、筆者は基本的に相手をネガティブにとらえてしまうためです。的外れな予想――これほどわかりやすいムダはありません。
また、自信なさげな態度とは裏腹に、「弱みを見せて相手にがっかりされたくない」というプライドを持つ一面があり、これも人間関係を悩ませる要因でした。
しかし、心理学者・晴香葉子氏によると、人は弱みを見せるほど関係性が強まるのだそう(=「返報性の法則」)。たしかに、プレゼンを完璧にやり終えた上司に「本当は人前で話すのが苦手で、すごく緊張してたんだよ」といわれたとき、親近感がわいた覚えがあります。皆さんも似たような経験があるはず。このことを知れたので、今後は自分の弱みを無理に隠さないようにしようと思います。
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自分基準でつくる「しないことリスト」の内容は人それぞれ。ぜひ、ご自身のことを振り返ってつくってみてください。「しないこと」が決まったら、日頃の人間関係がもっと楽になるかもしれません。
よくある質問(FAQ)
Q. 「しないことリスト」と「ToDoリスト」はどう使い分ければいいですか?
A. ToDoリストは「やるべきこと」を明確にするためのもの、しないことリストは「やらなくていいこと」を手放すためのものです。両方を併用すると、行動の優先順位がつけやすくなります。まずは「しないことリスト」で余計な負担を減らしてから、ToDoリストに取り組むと効果的です。
Q. 職場の空気的に「しないこと」を貫くのが難しい場合はどうすればいいですか?
A. 無理に周囲と対立する必要はありません。たとえば「飲み会は毎回断る」ではなく「月1回だけ参加する」など、自分なりのルールを決めておくと、罪悪感なく調整しやすくなります。大切なのは、すべてを相手基準で決めないことです。
Q. 弱みを見せると、仕事で不利になりませんか?
A. 適切な場面で弱みを見せることは、むしろ信頼関係を深めます。記事で紹介した「返報性の法則」のように、自分が先に弱みを開示すると、相手も心を開きやすくなります。ただし、初対面や重要なプレゼンの場など、タイミングは見極めましょう。
Q. 人の気持ちを想像しないようにすると、配慮が足りない人になりませんか?
A.「想像しない」のではなく、「ネガティブな方向にばかり想像しない」ことがポイントです。相手への配慮は大切ですが、根拠のない悪い想像で自分を追い詰めるのは別の話。事実を確認せずに落ち込むクセがある人は、まず「本当にそうか?」と立ち止まる習慣をつけてみてください。
日経doors|私たちが本当に必要なのは「しないことリスト」だった
プレジデント・オンライン|自分の弱みを見せると相手も弱み開示する 悩み相談は人間関係深化のチャンス
STUDY HACKER 編集部
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