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導入2600施設。なぜ、リファは多くのホテルが「置きたい」と思えるブランドをつくれたのか【新人さんのためのマーケティング講座 Season5 vol.19】

📘 新人さんのためのマーケティング講座 Season5

Season4までは、国内外の企業事例を通じてマーケティングの原則を学んできました。
Season5でも引き続き、私たちの身近にあるサービスや商品が「なぜこう設計されているのか」を事例で深掘りしていきます。

まだ過去のSeasonを読んでいない方は、そちらからどうぞ。
Season 1【全14回まとめ】|▶ Season 2【全15回まとめ】|▶ Season 3【全20回まとめ】|▶ Season 4【準備中】

旅行先のホテルで、バスルームに置かれたシルバーのシャワーヘッドに気づいたことはありますか?ドライヤーを手に取ったとき、そのロゴが「ReFa」だと知って少し嬉しくなった経験は?

2025年9月末時点で、ReFaの商品は国内約8万5,000室のホテルに導入されており、年間延べ2,130万人が体験しています。*1 三井ガーデンホテルズ、ダイワロイヤルホテル、リーガロイヤルホテル——そうそうたる名前が並びます。

ブランドの出発点は「高価な美顔ローラー」でした。それがいまや、日本のバスルームで最も見かける美容ブランドのひとつになっています。

なぜReFaは「たまに使う美容器具」から「毎日の習慣に溶け込む美容インフラ」へと進化できたのか。今回はその戦略の核心を解き明かします。

なぜ2,600施設のホテルが、ReFaを「置きたい」と思うのか

ReFaを展開するMTGの2024年9月期売上高は前年比19%増の718億円で過去最高を記録。内ReFaブランドだけで514億円(前年比22%増)に達しています。*2

この成長を支えているのが、同社が「BtoBtoC(企業から企業を経由して消費者へ)」と呼ぶ戦略です。美容サロン・ホテル・サウナなどにReFaの商品を卸し、その施設の利用客が「実際に体験する」機会を作る。体験して気に入った顧客が購入する——この流れで、現在約2,600施設に導入されています。*2

しかしここでひとつ、立ち止まって考えてみてください。

ReFaがホテルに「置かせてください」と営業に行っても、ブランドに価値がなければホテルは断ります。ホテルにとってバスルームの備品は、宿泊客の満足度に直結する重要な要素です。

「ReFaのシャワーヘッドがある」「ReFaのドライヤーが置いてある」——これがホテルにとって「客室の価値を上げる」要素として認識されているからこそ、2,600もの施設が導入を決めているのです。

では、そのブランド力はどこから来たのか。原点は美容室です。ReFaは早い段階から美容室やエステサロンへの体験販売を展開し、「美容のプロが認めるブランド」という地位を先に確立しました。

美容室でReFaを体験した顧客が購入し、口コミが広がり、「美容室や百貨店で売っているブランド」という高級イメージが定着した。そのブランド資産があって初めて、ホテルが「置きたい」と思う存在になれたのです。

特に巧みなのは「体験する場所」の選び方です。ReFaが選んだのは、顧客が最も「美」を意識する瞬間——ホテルのバスルームです。

通常の体験マーケティング ReFaのBtoBtoC
展示会・店頭で試用 旅行中・非日常の高揚感の中で体験
数分の試用で終わる シャワーからドライヤーまでフル体験
「良さそう」で終わりがち 「これが家にあったら」という欲求が生まれる

さらに巧妙なのが「B happy」という購入導線です。ホテルで体験した顧客はその場でQRコードから注文でき、商品はReFaから自宅に直送される。*1

ホテルは在庫を持たずに収益を得られ、顧客は旅行の荷物を増やさずに購入できる。「買いたいと思った瞬間」に買える仕組みが整っています。

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「たまの体験」を「毎日の習慣」に変えたポートフォリオ設計

ReFaのもう一つの革新は、製品ラインナップの拡張方向にあります。

出発点は「美顔ローラー」——週に数回、鏡の前で使う非日常的な美容器具です。そこからReFaは「シャワーヘッド」「ドライヤー」「ヘアアイロン」へと展開しました。

これは単なる商品の多角化ではありません。「たまの贅沢」を「毎日の習慣」に転換するポートフォリオ設計です。

人間は毎日シャワーを浴び、髪を乾かします。この「逃れられない日課」にReFaを滑り込ませることで、顧客との接触頻度が週数回から毎日に跳ね上がります。

しかもシャワーやドライヤーは「使うたびに実感できる」商材です。使用するたびに「これを選んだ自分は正しかった」という確信が積み上がっていく。

vol.15のジェラート ピケが「だらだら」を「自愛」に変えたように、ReFaは「お風呂」を「毎日の美容儀式」に変えました。行為の意味を書き換えることで、製品の価値も書き換えられます。

チャネル戦略も同様に計算されています。ドライヤーやヘアアイロンを発売した当初、ReFaはあえて家電量販店に展開しませんでした。「美容室や百貨店で売っているドライヤー」という印象が顧客に定着するまで、家電量販店への流通を絞っていたのです。家電量販店への本格展開は2024年から。*3

ブランドイメージを守りながら段階的に間口を広げるこの設計は、vol.18のAnkerが「Amazonのレビューを最重要KPIに設定した」のと同様、「どこで売るか」を「何を売るか」と同じくらい真剣に考えている証拠です。

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新人マーケターへ:顧客の「毎日」に入り込む権利を売る

ReFaが証明したのは、こういうことです。

 

顧客の「たまに」を狙うより、
顧客の「毎日」のルーティンに入り込む方が、
ブランドははるかに強くなる。

あなたの製品やサービスは、顧客の「特別な日」だけを狙っていないでしょうか。ReFaがシャワーとドライヤーに進出したように、顧客が毎日必ずやる行動の中に、自分たちが入り込める隙間はないか——この問いを立ててみてください。

そして「スペックを語る前に、顧客が最高の状態でその製品を体験できる場所を設計する」という発想も大切です。ReFaはホテルのバスルームという、顧客が最も心身ともに解放されている場所を選びました。同じ製品でも、体験する「文脈」が変わるだけで感じ方はまるで違います。

2026年のマーケティングとは、モノを売ることではなく、顧客の生活の中の「15分間」を豊かにする権利を売ることではないでしょうか。

ReFaのシャワーを浴び、ReFaのドライヤーで髪を乾かす、その朝の15分間——それを毎日提供できるブランドは、広告を打たなくても顧客の心の中に住み続けます。

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【本記事のまとめ】

1. ホテルを「体験型ショールーム」に変えたBtoBtoC戦略
約2,600施設・年間2,130万人が体験。顧客が最も美を意識する「非日常の高揚感の中」でフル体験させ、その場で購入できる「B happy」という導線を設計。体験から購入までのフリクションをゼロにした。

2. 「たまの贅沢」から「毎日の習慣」へのポートフォリオ拡張
美顔ローラー(非日常)からシャワーヘッド・ドライヤー(日常)へ。毎日必ず行う「洗う・乾かす」という行動にReFaを滑り込ませることで、顧客との接触頻度を週数回から毎日に変えた。「お風呂」を「毎日の美容儀式」に書き換えた。

3. マーケティングとは、顧客の「15分間」を豊かにする権利を売ること
顧客の特別な日より毎日のルーティンを狙う。スペックを語る前に「最高の状態で体験できる場所」を設計する。この二つの問いを持つことが、2026年の市場では強いブランドを作る。

よくある質問(FAQ)

ReFaは高価格なのに、なぜここまで支持されているのですか?

「高価格への納得感」を先に設計しているからです。ファインバブル、カーボンレイヤープレートなど独自技術を「魔法のような効果」として視覚化・言語化し、価格への論理的な根拠を提供しています。またホテルでの体験が「良さを実感してから買う」という購買パターンを生むため、「高いけど本当に良かった」という確信を持って購入する顧客が多い。ジェラート ピケが「部屋着を自愛の記号に変えた」ように、ReFaは「毎日のバスタイムを美容儀式に変える投資」という文脈を先渡しすることで、価格への抵抗を下げています。

「BtoBtoC」の体験型戦略は、小さなブランドでも応用できますか?

できます。規模の問題ではなく「顧客が最高の状態で自社の製品を体験できる場所はどこか」という問いを立てることが本質です。たとえば、食品ならイベントや飲食店とのコラボ、コスメなら美容室やスポーツジムとの連携——ターゲットが最も「この商品を必要としている瞬間」にいる場所を特定し、そこに商品を置く。ReFaのホテル戦略はその最高峰の事例ですが、ロジックそのものはどんなブランドにも応用可能です。

製品ラインナップを「毎日使うもの」に広げる際、ブランドが希薄化するリスクはないですか?

チャネル管理が鍵です。ReFaはドライヤーやヘアアイロンを発売してから約4年間、家電量販店への展開を意図的に抑え、「美容室や百貨店で売っているドライヤー」というイメージを先に定着させました。製品ラインを広げても「どこで売るか」を絞ることで高級感を維持した。日常品に展開するほど、チャネルのコントロールがブランド価値の維持に直結します。「何を売るか」と「どこで売るか」は同じくらい重要な判断です。

(参考)

*1|NESTBOWL「多彩な場所で、美の体験を。『ReFa』が届ける革新的テクノロジー」(2025年)。「国内のホテルでは、2025年9月末時点で約8万5,000室に『ReFa』の商品を導入いただいており、年間延べ2,130万人もの方が体験している計算です」
*2|日経クロストレンド「美容機器『リファ』が過去最高売上高」(2025年1月)。「MTGの2024年9月期売上高は前年比19%増の718億6000万円で過去最高。ReFaブランドは前年比22%増の514億円」、「三井ガーデンホテルズ、ダイワロイヤルホテル、リーガロイヤルホテルなど、約2,600の宿泊施設をショールームとして活用」
*3|小川貴史note「特許技術で分析 Refa/Dyson(高級ドライヤー)のテレビCMの効果」(2026年1月)。「家電量販店への展開をスタートさせたのは2024年だそうです」

▼ 新人さんのためのマーケティング講座 Season5

私たちの身近にあるサービスや商品が「なぜこう設計されているのか」を、さらに事例で深掘りしていきます。

Season1(全14回)はこちら|マーケティングの基礎概念からWeb広告の実務知識まで

Season2(全15回)はこちら|PL翻訳術、弱者の戦略、広告評価、インタビュー技術まで
Season3(全20回)はこちら|現場で使える顧客心理・ブランド戦略・価格設計の本質
▶ Season 4【準備中】

【プロフィール】
岡 健作(おか・けんさく)

スタディーハッカー 代表取締役社長
1977年生まれ、福岡出身。同志社大学卒業。2010年に創業。「Study Smart(合理的に学ぶ)」をコンセプトに、科学的知見に基づく英語パーソナルジム「ENGLISH COMPANY」を設立し、人気ブランドへと成長させる。 事業拡大の要として、自らオウンドメディアとSNSの編集長を兼任。オウンドメディアは最大500万PV、Instagramでは月間700万PV、フォロワー27万人規模のメディアにするなど、広告費に依存しない集客モデルを確立する。現在はその知見を活かし、「企業の認知獲得の専門家」として、論理とデータに基づいた再現性の高いメディア戦略・ブランディング論を発信している。
X→@oka_kgs / Instagram→@oka_ken2010 /




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