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うまい文章を書く人が「絶対にやらない」3つのこと

机の上でノートにペンで書き込む手元。横にノートPCと黄色い付箋

日々の報告メールから重要な提案書まで、ビジネスの成果を左右するのが文章力です。

同じ内容でも書き方ひとつで決裁が通りやすくなったり、クライアントの信頼を獲得できたりと、文章力の高さはキャリアを大きく左右します

しかし、どうすれば文章力が上がるのか、具体的な改善策がわからない方も多いでしょう。スキルを磨くとき「こうしなさい」というアドバイスに頼りがちです。

今回は逆に「これをやめなさい」という視点から3つのポイントをご紹介します。文章の質を高めるために「やってはいけない」こととは、なんなのでしょうか

1. いきなり書き始めてはいけない

あなたは文章を "一発本番" で書いてはいませんか? 1つめのNGは「いきなり書き始める」です。

たとえば、「新規事業の提案書」を任され、いきなりキーボードに向かって書き始めたとします。市場にはこういう課題があって、自社にはこういう技術があって、だから新規事業を立ち上げたくて……と思いつくままに書いていくうち、単なる現状分析になり、「なぜ今やるべきか」が曖昧なまま文字数が埋まってしまった。

このように、いきなり書き始めると、論点があちこちに散らばり、結局何を主張したいのかわからなくなってしまうのです。

そんな事態に陥ることなく、よい文章を書きあげるためには、事前の準備が不可欠です。

ブックライターの上阪徹氏は、文章を書く前にまず「素材」を準備するそう。「事実・数字・エピソード」の3つの素材を、書く分量に見合うだけそろえておくと言います。

素材を集める方法は、丹念な取材とこまめなメモ。「新規事業の提案書」を書きたいなら、各部署の社員にインタビューする、自分で商品を使ってみるなどの取材を行ない、聞いたこと、気づいたことをひたすらメモするといった具合です。

素材が手元にたまったら、それを使って「構成」をつくります。分量に合わせて、たとえばこんなふうに文章の流れを決めましょう。

  1. 市場の課題と機会
  2. 自社が参入すべき理由
  3. 具体的な事業計画
  4. 将来の展望

こうして事前に構成を決めておくと、いざ書き始めたときに、何を書くべきか迷いません。構成が、いわば執筆の地図になってくれるのです。構成ができたら、いよいよ書き始めてください。

何も準備せずに、完璧な文章を書くことはできません。素材集め・構成づくりのなかで、少しずつ文章を組み立てていきましょう。

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2. 形容詞に頼ってはいけない

2つめのNGは「形容詞」。すごい、画期的、素晴らしい! というように、とても身近で使い勝手のいい形容詞ですが、じつはこれ、ビジネス文章の説得力を下げる原因のひとつなのです。

たとえば、提案書で自社の「ボールペン」の強みを伝えたいとき、形容詞だけで紹介しようとするとこんな具合に。

「このボールペンは新しくて、使いやすいし、かっこいい

これでは上司もクライアントも納得しないでしょう。

国立国語研究所教授の石黒圭氏は、形容詞についてこのように言います。

ピッチャーの投球にたとえるならば、形容詞はまっすぐな「ストレート(直球)」です。形容詞を使えば、短く、はっきりと自分の感情を表せます。しかし、書き言葉(文章)の世界でストレートを多用すると、一本調子で平板な文章になり、読む側が足りない要素を「忖度」して読まなければなりません

(引用元:プレジデントオンライン|形容詞を多用すると文章はバカっぽくなる "すごい""おもしろい"は控えめに ※太字は筆者が施した)

先ほどの「このボールペンは新しくて、使いやすいし、かっこいい」では、何と比べて新しくて、どう使いやすくて、誰から見てかっこいいのか、具体的な情報がひとつも伝わりません。

このように、形容詞は主観的な言葉であり、説明不足になりがちなのです。

石黒氏は、形容詞を「分析的・客観的」に言い換えるようすすめています。では、先のボールペンの文章を分析的・客観的に言い換えてみましょう。

  • 何と比べて新しいのか?
    「従来の製品から改良されたボールとインクを採用しています」
  • どう使いやすいのか?
    「滑らかな書き心地にこだわっています」
  • 誰から見てかっこいいのか?
    「スタイリッシュなデザインで、大人の高級感を演出できます」

主観的な形容詞を詳しく言い換えると、ぐっと魅力が伝わるようになりましたね。

「膨大な」「丁寧に」「しっかりと」「少しだけ」……思わず「どれくらい?」と聞きたくなるような、主観的な言葉をなくしましょう。そして、分析的・客観的に、伝わりやすく言い換えましょう。

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3.「〜ない」を使ってはいけない

3つめのNGは「否定文(〜ない)」。冗談みたいな話ですが、この記事でさんざん書いてきた「〜してはいけない」、じつは改善すべきなんです。

なぜ否定文はNGなのか。理由は簡単、わかりづらいからです。

ビジネス書作家の木暮太一氏は、否定文についてこのように分析しています。

「○○しない」は動作としてイメージしにくい

たとえば、「承認する」という動作はすぐにイメージできますが、「承認しない」という動作はすぐにはイメージできません。 「承認しない」と言われて思い浮かべるのは、「保留にする」か「却下する」状態でしょう。でも、それは「承認しない」状態とイコールではありません。

「再検討を求める」「条件付きで認める」「別の案を出す」もすべて「承認しない」に該当します。

つまり、「○○しない」という動作はなく、イメージしにくいわけです。

人間の頭は、否定形をイメージできないようです。また、下記のような「二重否定」など、わかりづらい否定がふたつ重なれば、いっそうイメージできなくなります。

二重否定「日本人が朝食にパンを食べないとは限らない
→ 肯定文「日本人も朝食にパンを食べることがある

すっきりしましたね。文章はシンプルが一番伝わります。ややこしくする必要はないのです。

もちろん、すべての否定文をなくすことはできませんが、直せるものはできるだけ肯定文に直すことをおすすめします。

加えてビジネスにおいては、相手に行動を促す観点でも、肯定文が重要になります。

文章術に関する著書を多くもつ山口拓朗氏は、相手に何かをしてほしい(あるいは、やめてほしい)とき、否定文ではなく肯定文で書くべきと言います。木暮氏の述べるとおり、否定文はイメージしづらいため、「〜をやめてください」と言っても、相手は「じゃあ何をすればいいの?」と思ってしまうのです。

ですから、相手へのお願いや指示は「〜してください」と肯定的かつ具体的な文章にしましょう。

では、今回ご紹介した3つのNGを肯定文に直してみます。

  1. いきなり書き始めてはいけない →「書く前に準備をしましょう」
  2. 形容詞に頼ってはいけない →「分析的・客観的に言い換えましょう」
  3. 否定文(〜ない)を使ってはいけない →「肯定文で書きましょう」

これで、文章をうまく書くために、何をやめて何をすればよいかわかりましたね。

***

文章を上達させるための「3つのNG」と改善法をお伝えしました。3つに共通して言えるのは、「明確さが成果を生む」ということ。文章がうまいとは、小難しいテクニックを使うことではなく、読みやすく、伝わりやすく、わかりやすく書くことなのではないでしょうか。

よくある質問(FAQ)

Q. 文章を書く前の「素材集め」とは、具体的に何をすればいいですか?

A. 「事実・数字・エピソード」の3種類を意識して集めましょう。たとえば提案書なら、関係者へのインタビュー、データの収集、自分で商品やサービスを体験するなどの「取材」を行い、気づいたことをこまめにメモしておきます。素材がそろってから構成を考え、執筆に入るのがポイントです。

Q. 形容詞を使わずに商品やサービスの魅力を伝えるコツはありますか?

A. 「何と比べて」「どのように」「誰から見て」という視点で、形容詞を分析的・客観的な表現に言い換えましょう。たとえば「すごい成果」ではなく「前年比120%の売上」、「丁寧なサポート」ではなく「12時間以内に返信するサポート体制」のように、具体的な事実や数字で説明すると説得力が増します。

Q. どうしても否定文を使わなければならない場面ではどうすればいいですか?

A. すべての否定文を排除する必要はありませんが、特に相手に行動を促す場面では肯定文への言い換えを心がけましょう。「遅刻しないでください」より「時間どおりにお越しください」、「忘れないでください」より「必ずご確認ください」のように、「何をすればいいか」が明確に伝わる表現を選ぶと効果的です。

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部

「STUDY HACKER」は、これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディアです。「STUDY SMART」をコンセプトに、2014年のサイトオープン以後、効率的な勉強法 / 記憶に残るノート術 / 脳科学に基づく学習テクニック / 身になる読書術 / 文章術 / 思考法など、勉強・仕事に必要な知識やスキルをより合理的に身につけるためのヒントを、多数紹介しています。運営は、英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」を手がける株式会社スタディーハッカー。




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