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アイデアが浮かばないのは「余白」が足りないから——創造力を高める"スラック"の科学

レンガ調の壁の前で笑顔のショートヘアの女性

「何かいいアイデアないかな……」

仕事で資料を作成するときや、方向性を決めるとき、なかなかいいアイデアが思いつかない……。考えても考えても堂々巡りで、時間ばかりが過ぎていく。

こんな経験はありませんか?

創造性を高めるには「スラック」、つまり余白や無駄な時間が必要であることがわかっています。ひらめかないのだとしたら、意図的に余白をつくる必要があるのかもしれません。

この記事では、なぜ創造性を高めるために「スラック」が必要なのか、また個人でできる創造性の高め方について詳しく解説します。

創造力は「無駄な時間」がないと働かない

たとえば、資料をもっとわかりやすくまとめたいとき。会議が長引いている原因を見つけて改善したいとき。取引先に納得してもらえる提案を考えるとき。こうしたビジネスシーンで「どうすればもっとよくなるか?」と考える機会が多いでしょう。

創造力」というと、クリエイティブな職業で必要なもので、自分には関係ないと思う人もいます。しかし実際には、あらゆるビジネスパーソンにとって必要な力なのです。

そして、その創造力を働かせるには、「無駄に見える時間」が不可欠であることがわかっています。

無駄な時間が必要な理由

そもそも考え事をするとき、脳ではどんなことが起きているのでしょうか?

脳神経外科医の奥村歩氏は、前頭前野で情報処理をする場合、以下の3つのネットワークが分担して働くと説明しています。*1

  1. 浅く考える部分 | 記憶を一時的に保管する「脳のメモ帳」。ワーキングメモリと呼ばれる。
  2. 深く考える部分 | 前頭前野の熟考機能で司令本部的な働きをする。
  3. ぼんやりと考える部分 | デフォルトモードネットワークという。ぼーっとしているときに働く。*1

特に3のデフォルトモードネットワークが、創造力を働かせるカギとなります。

奥村氏は、デフォルトネットワークが働いているとき、つまり「『ぼーっと』している最中、脳は決して活動をやめているわけではなく、内側前頭前野や後部帯状回など、脳内の複数の離れた領域が、同期・協調して働いてネットワークでつながり、活性化している」と説明しています。

そして「デフォルトモードネットワークを稼働させることで、ひらめきやアイデアが浮かびやすくなる」と述べています。

ぼーっとする時間は無駄のように思えますが、脳科学的に見ても、この無駄な時間こそが創造力を働かせることにつながるのです。

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「無駄な時間」は企業も取り入れている

特に現代のビジネスシーンでは「無駄を削る」ことが重視される傾向があります。一方で、「無駄な時間が創造力につながる」という観点から、「余白」を意識的に取り入れる動きも広がっています。これは「組織スラック」と呼ばれます。

クリエイティビティを高めるための手法を研究する、東京成徳大学経営学部特任教授の板生研一氏は、「組織スラック」について以下のように解説しています。

  • スラックという言葉は、「ビジネスの場面では、資金・時間・人材などの『ゆとり』や『余裕』といった意味」がある。
  • 「スラック」という状況は、過剰な人員、遊休の設備、生産のロスタイム、内部留保など、企業活動の様々な場所に存在しており、それらを総合して「組織スラック」と呼ぶ。*2

この「組織スラック」があると、イノベーションが生まれやすくなることがいくつもの研究でわかっています。

前項で「ぼーっとする時間があると創造力が働きやすくなる」と解説しましたが、そのことを踏まえれば、納得の結果です。次に具体的な取り組みを紹介します。

Googleの「20%ルール」

イノベーションで知られる企業、Googleには「20%ルール」があります。これはGoogleの社員は「勤務時間の20%を、本来の仕事とは異なる自分がやりたいプロジェクトに費やさなければならない」という制度。*2

Googleは世界中の人が使うツールを生み出してきましたが、その背景にはこの一見ムダに見える「組織スラック」があったのです。

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3M社の「15%カルチャー」

3M社では「15%カルチャー」と呼ばれる文化が根づいています。これは社員に「業務時間の15%を自分の好きな研究に使ってもよいと認める」文化。*3

この「組織スラック」によって、有名な粘着メモ「ポスト・イット」が誕生しました。ちなみに、「ブートレッギング(密造酒づくり)」という文化もあります。

これは「自分が好きな研究を進めるためなら、会社の設備を使っても構わない」というもの。これも「ポスト・イット」の誕生に役立ったそうです。

このように、「組織スラック」は長期的に見て、企業の競争力を生む土台になることがわかります。

「大企業がゆとりづくりに取り組んで、社員の創造力を高めていることはわかった。でも、うちの会社で導入するのは厳しいだろうな……」

このように思う読者の方もいるでしょう。冒頭で述べたように、創造力はすべてのビジネスパーソンに必要な能力。とはいえ、環境が整っていることはまれなはず。

次項では、個人でできる、無駄を活かして創造力を高める方法を紹介します。

オフィス空間で、笑顔で会話するビジネスパーソンたち

「デフォルトネットワーク」を働かせるアイデア

「この業務はどうしたらもっと改善できるか?」

「納得できるかたちに落とし込むにはどうすればいいか?」

このように、仕事で悩んだとき、つまり創造性を必要とするときは、まず「そのことについて徹底的に考え、悶々として、堂々巡りをするといい」と語るのは、脳の研究をさまざまな分野に生かす「応用神経科学」を専門とする青砥瑞人氏。*4

創造性を高めるには、デフォルトモードネットワークを働かせるのがいいと前述しましたが、それ以前に「強い記憶や体験」が必要なのだと青砥氏は語ります。*4

強い記憶や体験というのは、創造性を発揮したい物事にしっかり取り組むこと。その後、考えていたことから離れ、無関係のことをするといいのだそう。

つまり、以下のような流れです。

  1. 創造性を発揮したい物事についてしっかり考える
  2. まったく無関係のことをする

この流れが、デフォルトネットワークをうまく働かせ、ひらめきを生むことにつながります。メリハリをつけることでスラック(余白)を生み出すわけです。

実践例 | 会議で出た課題の解決策が浮かばないとき

  1. ホワイトボードのメモを眺めながら、「本質的な課題はどこか?」「視点を変えられないか?」とじっくり考える
  2. そのまま帰宅し、夜は好きなドラマや映画を見る

これなら、特別に時間をとらなくても、自分次第で創造力を高めることができます。

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***

「なかなかひらめかない」「仕事が進まない」と感じたら、あえて無駄な時間をつくってみてください。きっと次の日にはいいアイデアが生まれるはずです。

FAQ(よくある質問)

Q. 創造力を高めるために「無駄な時間」が必要なのはなぜですか?

A. 脳にはデフォルトモードネットワークという、ぼーっとしているときに活性化する仕組みがあります。この状態のとき、脳内の複数の領域が同期・協調して働き、ひらめきやアイデアが生まれやすくなるためです。

Q. 「組織スラック」とは何ですか?

A. ビジネスにおける資金・時間・人材などの「ゆとり」や「余裕」を指します。企業活動のさまざまな場面に存在する余白を総合した概念で、イノベーションを生む土台として注目されています。

Q. 個人で創造力を高めるにはどうすればいいですか?

A. まず創造性を発揮したいテーマについて徹底的に考え抜くことが大切です。その後、考えていたことからいったん離れ、まったく無関係のことをしましょう。このメリハリがデフォルトモードネットワークを活性化させ、ひらめきにつながります。

【ライタープロフィール】
柴田香織

大学では心理学を専攻。常に独学で新しいことの学習にチャレンジしており、現在はIllustratorや中国語を勉強中。効率的な勉強法やノート術を日々実践しており、実際に高校3年分の日本史・世界史・地理の学び直しを1年間で完了した。自分で試して検証する実践報告記事が得意。




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