
スキルアップのために勉強したいのに、忙しすぎて後回しになってばかり……。そんな経験はありませんか?
現に筆者も、仕事の締め切りが重なって勉強が後回しになりがちです。「今日も無理だった」「週末にまとめてやろう」と思いながら、時間ばかり過ぎている――そんなことの繰り返し。
この状況を打開すべく、邪魔の入らない時間帯を見つけて、1日15分だけの積み上げ学習に取り組んでみることにしました。15分としたのは、脳科学者の篠原菊紀氏が「集中力が続くのは15分だけ」だとしていたからです。*1
そこで、実際に復習を挟みながら15分学習をしてみたところ、記憶の定着にも効果的だと感じました。これには科学的根拠があるようです。
「たった15分」と思うかもしれませんが、まとめて一気に取り組むよりも着実に前進できた実感がありましたよ。
- 1日15分の集中で得られたこと
- 「15分の集中タイム」よかった点1. ふたつの締め切り効果
- 「15分の集中タイム」よかった点2. 分散学習
- これからやる人、この3つに気をつけて
- よくある質問(FAQ)
1日15分の集中で得られたこと
学びたい意欲はあるのに、時間がなくてできない……。そんなジレンマを抱える人は少なくないでしょう。
筆者はワークショップの録画受講をする際、どうしても視聴期限ギリギリに慌てて受講しがちでした。こうすると無理やり時間を確保することになるので、ほかの予定にしわ寄せがいき、精神的にも体力的にも消耗してしまいます。
そこで、1日15分だけ集中タイムを設けてみることにしました。筆者の生活リズムだと、家事が一段落した入浴前の時間帯が最も邪魔が入りにくいタイミング。この時間帯を使い、次のようなスケジュールで録画受講を進めることにしました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 期限 | 10日後まで(本来の視聴期限は2週間後) |
| 学習サイクル | 15分間進めたら、翌日に15分間復習するサイクルに設定 |
| 日数 | 内容 |
|---|---|
| 1日目 | 15分でレジュメに目を通して予習 |
| 2日目 | 録画視聴(15分間) |
| 3日目 | 前日視聴した範囲の振り返り(15分間) |
| 4日目 | 続きの録画視聴(15分間) |
| 5日目 | 前日視聴した範囲の振り返り(15分間) |
今回視聴するべき録画は60分のため、このペースで進めると期限内にもう一度見直す余裕も生まれそうです。

実際に取り組んでみて感じた変化は次のとおり。
| ・「15分だけ」と思えば、疲れていても重い腰を上げられた |
| ・着実に学習が進むので、停滞感による焦りから解放された |
| ・あいだに復習を挟むことで、着実に記憶しながら進められた |
特に、長時間まとめて勉強するよりも、心理的なハードルが圧倒的に低かったのが印象的でした。
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「15分の集中タイム」よかった点1. ふたつの締め切り効果
締め切り効果1. 期限の再設定
これまで「2週間もある」と思って後回しにしていた行動を振り返ると、「パーキンソンの法則」そのものでした。
パーキンソンの法則とは、「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」というもの。「本当は3日で終わる課題も、長い期間で設定してしまうと、ギリギリまでかかってしまう」ことを指しています。*2
録画受講の期限は2週間ありますが、本来の期限よりも短い期限(10日後)を設定することで、「計画的に進めないと終わらない」という適度な緊張感が生まれます。この緊張感が自分にとっていいプレッシャーとなり、行動の先延ばしを防げました。

締め切り効果2. 時間制約
さらに、15分という時間制約もいいプレッシャーとなり、集中力を高めるのに役立ったと感じます。15分と決めてしまえば、「この15分を無駄にしない」という意識が働きます。
そして集中力が切れる前に終わるため、疲労感も少なく、翌日も取り組みやすい状態が保てました。
パーキンソンの法則について行なわれた研究からも、「長い時間を与えるケースほど、ゆっくりと作業するようにな」ることが示されています。*2 つまり、短い時間制約は、行動のテンポを上げるうえで合理的だと言えるでしょう。
「15分の集中タイム」よかった点2. 分散学習
記憶の定着において効果的だとされているのが、分散学習です。記憶工学研究所所長の池田義博氏も、「速くざっと終わらせる勉強を数回繰り返せば、長期間残る記憶になる」と話します。*3
今回のように、15分単位で区切って復習を挟みながら進める方法は、結果的に分散学習の形になっていました。一度に詰め込まず、「思い出す機会」を何度もつくることが、理解と定着を支えてくれたと感じます。

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これからやる人、この3つに気をつけて
1. スケジュールにバッファをもたせて
新たに期限を設定する際にバッファをもたせました。体調不良や突発的な予定が入っても計画倒れしないためです。「完璧に守らなければ崩れてしまう計画」よりも「崩れても立て直せる計画」のほうが、継続力の向上にもつながります。
2. 15分をさらに細かく分けて
疲労が強い日は、15分でも睡魔が襲ってくることも。そんなときは5分×3回に分けたり、「今日は5分だけでOK」として少しずつ取り組みました。このように柔軟に対応することで、習慣化のハードルも格段に下がりました。
3. 復習を挟んで
視聴を進めるだけだと、どうしても内容の記憶が薄れていきます。翌日に前日の内容を振り返る時間を挟むことで、「わかったつもり」を防ぎながら先に進めました。それに一度学んだ内容の復習なので、心理的ハードルも低く取り組めるのも習慣化に役立ったと感じます。

***
「やりたいことがあるのに全然できない……」とモヤモヤしているなら、まずは1日15分、後回しにしていたことをひとつ取り組み始めませんか?
よくある質問(FAQ)
Q本当に1日15分だけで効果はありますか?
Aはい。筆者の体感としても、15分という短時間でも「毎日続ける」「復習を挟む」ことで、理解と記憶の定着を実感できました。長時間まとめて勉強するよりも、心理的ハードルが低く、結果的に継続しやすい点が大きなメリットです。
Q15分間、集中できない日があっても大丈夫でしょうか?
A問題ありません。疲れている日は5分×3回に分けたり、「今日は5分だけ」とハードルを下げて対応していました。完璧を目指さず、柔軟に調整することが習慣化には重要です。
Qどの時間帯に15分学習をするのが効果的ですか?
A邪魔が入りにくい時間帯がおすすめです。筆者の場合は、家事が一段落した入浴前の時間が最適でした。朝・昼・夜のどれが正解というよりも、「毎日確保しやすい時間」を選ぶことがポイントです。
Q途中で予定が崩れてしまった場合、どうすればいいですか?
Aあらかじめスケジュールにバッファをもたせておくことで、多少のズレは問題になりません。計画通りに進まなくても、翌日から立て直せる設計にしておくと、挫折しにくくなります。
Qこの方法は勉強以外にも応用できますか?
Aはい。録画視聴や資格勉強だけでなく、読書、語学、そのほかインプット系の勉強などにも応用できます。「短時間+期限+復習」という組み合わせは、幅広い学習やスキルアップに活用可能です。
※引用の太字は編集部が施した
*1 朝日新聞Thinkキャンパス|集中力が続くのは15分だけ 脳科学の専門家が教える、勉強を持続させるコツとは
*2 プレジデントオンライン|なぜ夏休みの宿題はすぐに終わらなするいのか…どんなに優秀な人でもギリギリまで動き出せない理由
*3 STUDY HACKER|"記憶力日本一" の男の記憶術「3サイクル反復速習法」「1分間ライティング」がシンプルだけどすごい。
澤田みのり
大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格と国際中医師の資格を取得。日々勉強を継続しており、勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。